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商品説明
父の実家へ里子に出された私を魅了した暗い象徴詩の世界。眼前に広がるのはこの世、あの世、それとも幻の世界−。表題作ほか8編を収録する作品集。妖しさの中に紡ぎ出される華麗な皆川ワールド。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
文月の使者 | 7-40 | |
---|---|---|
影つづれ | 41-74 | |
桔梗闇 | 75-110 |
著者紹介
皆川 博子
- 略歴
- 〈皆川博子〉1930年京城生まれ。東京女子大学英文科中退。72年「海と十字架」でデビュー。「壁」で日本推理作家協会賞、「恋紅」で直木賞など受賞。他に「花櫓」「笑い姫」等多数。
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紙の本
美しくも怖ろしい幻想に溺れる悦楽
2005/09/26 22:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yu-I - この投稿者のレビュー一覧を見る
大正から昭和初期に舞台をおいた短編集。これから皆川博子を読もうという方には、入門の書としても良いかもしれない。
強烈な毒と官能性が秘められていながら、あくまでも品良く端整にまとまっている。幻想の中にたゆたい、翻弄される快感が得られる。
たとえば、少年が美しい女の襟足に、水白粉をつけた刷毛をすべらせる情景を。
たとえば、桃の表面をやさしく撫でてその産毛を取り去るやり方を。
その桃がつぶれて、少年の指のあいだから甘い汁のしたたるさまを。
皆川博子は、恍惚を呼ぶ美しさでもって描き出す。
不条理でエロティックで少し怖い、そんな世界にいつのまにか引き込まれていることうけあい。
和の匂いのする耽美な物語が好きな方は、是非。酔ってください。