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  • みんなの評価 5つ星のうち 4 3件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1998.9
  • 出版社: 小学館
  • レーベル: 小学館文庫
  • サイズ:16cm/387p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-402611-8
文庫

紙の本

枯木灘 覇王の七日 (小学館文庫 中上健次選集)

著者 中上 健次 (著)

【毎日出版文化賞(第31回)】【芸術選奨文部大臣新人賞(第28回)】【「TRC MARC」の商品解説】

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枯木灘 覇王の七日 (小学館文庫 中上健次選集)

税込 869 7pt

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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 1 (0件)

紙の本

ファンタジーよりも幻想的なリアル

2002/06/30 09:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る

とにかくこの小説について語らないではいられない。無論これまでに何度も何度も読み返している小説で、憶えているかぎりでも三回は購入した記憶があるのだが、いつのまにか書架から消えている。おそらく人に勧めてあげてしまうのである。読み返すが、やはり凄い。素晴らしいとか何とかいうよりも「凄い」のである。
「 空はまだ明けきってはいなかった。通りに面した倉庫の横に枝を大きく広げた丈高い夏ふようの木があった。花はまだ咲いていなかった。毎年夏近くに、その木には白い花が咲き、昼でも夜でもその周辺にくると白の色とにおいに人を染めた。その木の横にとめたダンプカーに、秋幸は一人、倉庫の中から、人夫たちが来ても手をわずらわせることのないよう道具を積み込んだ。」
どんどん引用したくなるがこの冒頭の文章からして極めて精緻に、というよりもむしろ熟考された上での静謐な錯乱がある。普通「明ける」のは「夜」であって「空」は明けない。何故ここが「空はまだ明けきってはいなかった」と書かれねばならないのか? それはひとつに<描写>という技法の、というよりもむしろ概念の本来的な不自然さに由来するものだろう。「夜はまだ明けきっててはいなかった」というのは叙述である。それに「夜」であるのなら「夜は〜」とは書かない、「夜が明ける」と書く。つまりこの冒頭の一文は、この小説が基本的に描写的な小説であり、しかもそこにある<場面>を、存在しえない外部の視点によって映していく、という形態がとられるのであり、けっして<語り>はしないと宣言しているのである。夏に咲くのが決まっている芙蓉をわざわざ「夏ふよう」と書く。しかも本来匂いがないはずの芙蓉は、「夏ふよう」とされた途端周囲を染めかえす「におい」さえ備えてしまうのだ。これほど幻想的で、かつ確信に満ちた冒頭はない。
入手しやすいのは河出文庫版だが、この小学館文庫版には「朋輩」柄谷行人の周到な解説と全集のみに収録された「覇王の七日」という掌編が収録されているので、いまから読む人はこちらのほうがお得である。

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紙の本

おまえがおれをつくった性器と同じおれの性器で、おれはおまえを犯した。(作中引用!)

2002/08/31 15:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:k.m/personal note - この投稿者のレビュー一覧を見る

この物語の重層的な複雑さは、それを解説する者の多くが「背景」を読み「作者」を読もうとする態度にあらわれていく複雑さがあり、読む前からそれらを取り込み僕の中で増幅されても行くからだった。それでもなお多くの人を魅了し続けている作品として中上健次の存在が日々増していくのも、そんな言説の影響が大きかった。

ではなぜ彼らはその作品をより複雑化させるばかりに力をそそぎ、魅力を伝える言葉を並べてくれないのだろうか。もちろん小説の魅力をただ言葉にする段階よりも、「どう」読んだかを語るアクティブな作家として中上健次は生き続け、古典のように語られるにはまだ早いのだし一方的な僕の思い込みでもあるのだろう。

例えば…「近代化から取り残された「路地」に生きる青年が葛藤しながら、人間らしい生を求めてあがくさまを鮮烈に描く」。…といった解説などの集約は、あまりにもスケール感を矮小化させていると思う。それはハリウッド大作といったスケール感でもなく、オデュッセイヤのような大きさでもない。むしろ建築家・安藤忠雄のグローバリズム的成功に通じるような、徹底したローカリズムではないだろうか(?)。

世界の大きさはその活動範囲に比例して実感できるものでは無い。この物語には紀伊半島という狭い範囲、さらに「路地」という近所付き合いの至近距離にまで限定されている。なのに主人公・秋幸の感じ得ている自然への一体感には、土方という「日と共に働き、日と共に働き止める」を通じながら宇宙をも思わせるパースペクティブへ達している。

「複雑さ」とはむしろそんなスケール感の飛躍から生じ、そう感じられるほどに、自分の立っている世界の狭さが際だってしまう。「立っている世界」とは、現にそう「認識している自分」の大きさに帰ってくるのだと思った。秋幸の認識した世界は広大だ。けれど彼の存在する世界はとても狭く、なによりも血縁関係が入り組んでいる。

この血を巡る複雑さが、一連の紀州作品に通じる構造でもあると思う。狭さと血の複雑さがもたらす困難は、秋幸だけでなくこの小説に登場してくる若者ほとんどにもあてはまっていく。余りにも日常化された困難はいっぽうで、そうして行かなければ生きられない人間の知恵や業を見るようで生々しい。困難を避けるため大人達はみな思考停止を招き、目の前の日々のみを生き、遠く過ぎ去った昔のみを語る。

ただ自分を認識していく過程にある若者にはそれは悲劇でしかない。諦めのような思考停止の前に、自分というものの存在自体に困難を感じられずにはいられないのだから。その中心に秋幸がうごめき、観念という血縁図式に迷い込んで行くばかり。このように僕は血縁というものが観念でしかないのではと思った。

現にそれは思春期から芽生え、大人になる過程で失われていく呪縛のようだ。ただ芽生える前から運命付けられ、失われたように了解させていくのだとういう意味では観念ではないのだろうが…。太陽と共に働く秋幸の身体にはそんな観念はない。それはいくら呪縛されようと身体に感せられる悦びには所詮かなわない観念の限界を示しているようで、希望に満ちている。だからほんの一瞬、心のスキを捕らえるようにしか観念は秋幸の内部へ存在出来ず、そしてその一瞬で弟・秀雄を殺してしまったのだ!

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2009/09/07 20:53

投稿元:ブクログ

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