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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1998.8
  • 出版社: 扶桑社
  • レーベル: 扶桑社ミステリー
  • サイズ:16cm/442p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-594-02544-7
文庫

紙の本

キラー・オン・ザ・ロード (扶桑社ミステリー)

著者 ジェイムズ・エルロイ (著),小林 宏明 (訳)

キラー・オン・ザ・ロード (扶桑社ミステリー)

税込 755 6pt

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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (0件)
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  • 星 3 (2件)
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  • 星 1 (0件)

紙の本

良くも悪くもエルロイ

2001/10/09 02:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ころび - この投稿者のレビュー一覧を見る

「かわいそうな」幼児期を送った主人公があちこち旅をしながら人を殺しまくるお話。もう一人の連続殺人鬼との交流があり逮捕されるまで。実は........エルロイって好きじゃないとつくづく思う。暗黒小説家といわれるが、実際犯罪の暗黒部を楽しんで書いている節あり。嬉々として殺しまくる主人公に興味より嫌悪感が先に立つ。ひとつの節目であろうもう一人の連続殺人鬼との交流にしても、アレは愛だろうか友情だろうか。単にナルシスト二人の自己満足ではないか?が、勢いで買った文庫が山となすエルロイ。少しは心躍るお話があればいが。.....心温まる小説が読みたいわけではない、ただ、こんなのはいやだ、ということ。

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紙の本

あまりにも暗黒…

2002/07/27 00:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ものすごいシリアル・キラー登場!
エルロイの登場以後に「ノワール」という分野が確立したのを納得させられる怪作です!
9年間にわたり"連続殺人のクロスカントリー"を続けた、マーティン・変態私刑執行人・プランケットの
手記と言う形をとった、シリアルキラーもの。
とにかく自らを「殺人者」と定めた、マーティンの暗黒に引きずり込まれます。エルロイ自身の少年時代を
彷佛とさせる、「母親の殺人事件」のエピソードはかなり恐いです。人間の闇というのは、ここまで、
深くなるのでしょうか?あまりの暗黒に読んでいて、心がグラグラさせられました。

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紙の本

マーテインはきっと、この世のどこかに存在する

2000/10/11 13:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本作は、その作品としての出来の善し悪しは別にして、読んでいて「疲れる」作品である。途中、疲労感に負けて、ページを捲る手を止めることが再々だった。ただし、あえて強調するが、本作は決してつまらない作品ではない。いや、サイコ物、シリアル・キラー物の中でも出色の出来である。それでも「疲れる」程、この作品を「重く」感じてしまうのは、なぜか?
 恐らく、その源はリアリティーだと思う。つまり、本作の主人公であるマーティン・ブランケットのような奴が、本当にこの世に存在していたと感じてしまうからだ。所詮、レクター博士はお話の中の存在だ。しかし、このマーティンは、きっとこの世に存在する。だから、この「獄中手記」が奏でる底音が、重く、粘っこいのである。
 本作を読もうという方は、この点覚悟して取りかかられたい。

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紙の本

シリアルキラーの視点による戦慄の一人称小説

2000/08/17 12:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:OK - この投稿者のレビュー一覧を見る

 連続殺人犯マーティン・プランケットの獄中回想録、という書式で語られるシリアル・キラーの一人称小説。ロイド・ホプキンズ連作の三作目『自殺の丘』(1986)の直後に出されている。追いつめる警察がわの視点を介してではなく、真正面からサイコキラーを描いてみたくなったというかんじだろうか。

 さすがに迫真の筆致で、とりわけ前半で語られる殺人者の孤独で歪んだ視野には惹き込まれる。その生い立ちや青春時代の疎外感は、作者エルロイ自身の心の遍歴をいわば身を削って投影させた私小説的な趣きもあり。シリアル・キラーの回想記をこうして切実な青春小説として書くことのできる作家なんて、彼くらいのものではないだろうか。また殺人者が少なくともレクター博士みたいな超人的存在ではなくて、覗きや窃盗を繰り返したりと結構卑しい行動からはじまるのも妙に説得力がある(まあ、彼の描く殺人犯はだいたいそんなかんじなんだけど)。最初の殺人場面なんて、読んでいて思わず顔を歪めてしまった。たとえばジム・トンプスンとくらべると、エルロイの描く殺人場面はほんとに血の匂いがたちこめていると思う。しかしなんだか、妙に「透明な存在」という言葉を強調するので、ついあの事件を思い出してしまった。

 そのまま進むのかと思いきや後半はやけに意外な展開で、ある意味びっくりさせられた。いきなりそっちの方向へ行ってしまうとは。それから終盤になって事件に介入してくるFBI捜査官の視点は、この異様な物語をひもとく「読者」の立場にほぼ重ね合わせてあるようで、皮肉な結末と合わせてなかなか興味深い。ただ、捜査官の手記が何度も挿入されてくる手法は、どうも一人称では構成を支えきれなくなったのかな、とも思えたけど。

 ちなみに、エルロイといえば殺伐とした作風とばかり思われがちかもしれないけど、実は随所に毒気たっぷりの独特のユーモアが仕込まれていて、そのあたりを結構好きだったりする。ついでに、実在の有名人を登場させたうえ思いきり小馬鹿にする、というお得意の手法も健在。誰が出てくるかは書かないけど。

 総じてLAカルテットのような緻密さは感じないけれども、これはこれで魅力的。もうエルロイはこういう路線では書かないのだろうな。

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2008/04/27 04:12

投稿元:ブクログ

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