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業苦・崖の下(講談社文芸文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.2 6件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1998.9
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社文芸文庫
  • サイズ:16cm/330p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-197630-3
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

業苦・崖の下 (講談社文芸文庫)

著者 嘉村 礒多 (著)

業苦・崖の下 (講談社文芸文庫)

1,188(税込)

ポイント :11pt

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みんなのレビュー6件

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評価内訳

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紙の本

私小説的業

2016/02/05 10:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩漬屋稼業 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私小説における自意識の動きというものがある、と思える、たとえば、
 私は最低のどうしようもない男である。あんなこともすれば、こんなこともして実にくだらない奴である。他人の目を気にして妙なところでエエカッコするくせに、手近なところで八つ当たる。それも八つ当たりを許してくれるとわかっているところで八つ当たりするのだ。実に甘えているではないか。しかし私はそうした諸々を自覚しているのだ。そしてそのことをこのように冷静に書くことさえ出来るのだ。無自覚にくだらない奴めらの愚かさと比べて、この私の自覚せる意識の高さは優れている。それは小賢しく卑怯でもある。しかしそう指摘されたところで、そんなことはわかっている。自覚している。
 わかってやっているという逃げ道。甘えていて、それを知っている。そして結局は許されることをアテにしている。
 なんという女々しさだろう。本書に収められた短編にみえる自意識の運動はこのようなものだ。しかし、そして読者は(少なくとも評者は)、同じ甘えた逃避願望を共有し、慰藉されるのだ。女々しさを自覚した上で、となくもがなの一文を付け加えることを忘れずに。
 しかし、この女々しさには、
「芸術は夫自身が目的で、人生の幸福を得るための手段と心得たら大間違いだ。成功するための手段ではなくて、実に此一道より他に道はないから結果は分らぬが、たとえ虎が口を開いていても、大蛇が口を開いていても、此一道を行かにゃならん、というのが私の信念なんだから」(p.271)。
 こうした大ぶりな悲壮感が伴っているのだ。
 しかし本当に「此一道」しかなかったのか。そうでもないのだ。やり直せる機会はあったし、未だあるのかもしれない。それでもやり直さず、やり直せず、自らを追い込んでしまう。それは、どうしようもなく瑣末な事柄に躓いてしまう、拘泥してしまう習性。
 これは業としかいえないような何ものかだ。これが上述のような自意識の運動を生み出し、そうして生み出された動きを当てどなく追いつつ、私は、あるいは私たちはその業に触れようとするのだろう、恐らく。それが業苦なのだ。

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紙の本

嘉村の劣等感

2016/03/30 07:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近昔の私小説と言われるものを、いくつか読んだ。葛西善蔵や田中英光などである。彼らに共通しているのは劣等感である。それと家庭の不和。嘉村においては、母親との関係が大きく影を落としている。確かに良い作品もあるが、もっと他の作品を読みたいと思うほどでもなかった。

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2011/07/21 17:39

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2010/05/14 18:44

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2013/03/21 22:57

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2015/02/23 21:05

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