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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1998.9
  • 出版社: 中央公論社
  • レーベル: 中公文庫
  • サイズ:16cm/279p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-12-203241-5
文庫

紙の本

遍照の海 (中公文庫)

著者 沢田 ふじ子 (著)

遍照の海 (中公文庫)

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評価内訳

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紙の本

「遍路行」と「袈裟がけ」のもう一つの貌

2003/07/22 21:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

冒頭、句を詠みながら四国遍路を続けている女性として、
主人公・以茶(いさ)は私達の前に現れる。
白木綿を脱げば、24才の目鼻立ちが整った顔が現れる。この女性が携えた
書状には、こう書かれていた。

行き倒れてしまったら、その地の作法に従い埋めてしまうように。
死んだ時は親元への届けも無用。

いったい彼女は、このような厳しい定めの遍路を
課せられるような、何をしたのか?
青ざめた彼女の表情に胸騒ぎを覚え、ページをめくった。

物語は一転過去に遡り、前章とは別人のような以茶が現れる。
彼女を通じて「子供に貸家札を書いてもらうならわし」
「端切れの紙のリサイクル法」など江戸時代の京に住む人々の
暮らしが紹介されるのも興味深い。
私は本書で「袈裟がけ」のもう一つの意味を知って大変驚いた。
知っている意味とは全く逆の方向に、命を向ける術である。
「理」詰めの幕府のお裁きを、「情」を前面に出した民の訴えに
よって変えられる、こんな制度があったとは。

おそらく本書では、ヒロインにどっぷり感情移入するのが一般的な
読み方なのだろう。けれど私は、
澤田さんの人物の書き込みが巧みだったせいか、婿となる男・
栄次郎の言い分にも、頷ける所大であった。
裕福な紙屋の家付き娘・以茶は、貧に窮する暮らしをした事がない。
だから鷹揚さが身についているし、気前がいい。
「暮らしがたてていければ少々貧しくてもいい」という結婚の発想が、
家を背負って立つべき娘の認識と、かけ離れている。
一方、元手代だった栄次郎は、農家の次男坊。小さい頃からの奉公には
口減らしの意味もあったはず。家でも邪魔者。では、第二の家である店はと
いうと、今までの同僚や上司達の自分を見る目は、妬みと嫉み。
一番近い味方である妻は、「女事(おんなごと)=当主でも勝手に
できない女の領分・検益」を盾に干渉を厭う。外見では自分を立てていても、
心を許していない。なのに、町人が愛し尊敬するのは、けちな自分ではなく、
気前のいい妻。苛立ちを妻の体にぶつけて嫌われ、悪循環のループ。
どこにも逃げ場のない彼が、外部の人間である目明かし・島蔵にすり寄りたく
なる気持ちもわかる。栄次郎に責められる点があるとすれば、最後に
ついた嘘と、組んだ島蔵がイアーゴーだった事。
根っからの旦那衆を貰い商売が傾く事を危惧していた以茶の父だが、
こうなるならば、いっそ同じ鷹揚さの中で育った旦那を婿に選び、
しっかりした番頭に輔佐させれば良かったのではないか。
一つでも、運命の歯車が別方向にまわっていたら。或いは、どちらかが
もう少し大人だったら。
言っても詮無い事なれど、言わずにはいられない。
冒頭の彼女の表情。そして絶えず俳句に登場する「黄泉」「一つ」という言葉。
全てから引き離された末に、彼女がこの先味わう孤独の厳しさが十分に見て
とれるから。

現在の巡礼ツアーとは昔日の感がある、結願なき遍路の彼女が最後に
見るのは、ある場所。死後彼女が書き留めた句帳は燃やされ、ただ一句のみが
ある場所に向かって飛んでゆく。寄せては返す波により、清濁あわせ呑み、
いずこを終わりとも、始めともしない場所。
そうだ、海。
海こそが、彼女の生の証の落ち着き場所に、ふさわしい。

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