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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.10
- 出版社: 飛鳥新社
- サイズ:20cm/279,7p 図版16p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87031-345-6
紙の本
限りなき魂の成長 人間・松下幸之助の研究
お決まりの賛辞で厚く覆われた「人間・松下幸之助」を世界標準の視点で捉え直した、日本人には書けなかった斬新な幸之助像。生涯にわたる驚くべき成長と、一連の苦難を再検討し、松下...
限りなき魂の成長 人間・松下幸之助の研究
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商品説明
お決まりの賛辞で厚く覆われた「人間・松下幸之助」を世界標準の視点で捉え直した、日本人には書けなかった斬新な幸之助像。生涯にわたる驚くべき成長と、一連の苦難を再検討し、松下幸之助の尋常ならざる業績を理解する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョン・P・コッター
- 略歴
- 〈コッター〉ハーバード大学ビジネス・スクールの教授。現代アメリカを代表する企業経営論者の一人。著書に「変革するリーダーシップ」「21世紀の経営リーダーシップ」など。
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紙の本
海外発の幸之助論
2001/01/21 17:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
松下幸之助については、これまで本当に多くのことが書かれてきました。しかし、海外からどう見られているのかということに関しては、あまり言われてきませんでした。
本書は、ハーバード・ビジネス・スクールでリーダーシップ論を教えているコッター教授による「松下幸之助論」です。
松下幸之助の誕生から、生涯を閉じるまでのプロセスを、膨大なインタビューと資料から大変興味深く描いています。松下幸之助のライフヒストリー研究あるいはキャリア・ダイナミックスという観点からも読めるでしょう。
松下電器、松下幸之助のことをあまり知らない人に、最初の1冊としてお勧めできる1冊です。
紙の本
日経ビジネス1998/12/7
2000/10/26 00:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:矢内 裕幸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
終身雇用や年功賃金などの日本的経営を体現する経営者──。本書はそんな手あかにまみれた松下幸之助像を払拭ふっしょくし、幸之助に日本的経営の模範を求める人々に対して反省と再考を迫る。
日本でも幸之助を知らない世代が増えてきたが、海外ではもともと無名に近い。本書の著者である米ハーバード・ビジネス・スクールのコッター教授でさえ、同校の「松下幸之助講座」の職を最初は嫌々ながら引き受けたくらいである。ところが幸之助の足跡をつぶさにたどるうちに、彼に魅了されていく。そんな軌跡が米国経営論の泰斗の目を通して綴られている。
著者が注目するのは幸之助の先見性と指導力だ。
1921年、米ゼネラル・モーターズ(GM)の伝説的な名経営者、スローンが開発した「事業部制」を、幸之助は33年に創設した。同年、「安価な製品と収益の重要性」などの近代的経営理念を原則化した世界初の「遵奉じゅんぽうすべき精神」を発表。これは米ジョンソン・エンド・ジョンソンの有名な「信条(Credo)」より10年先行している。
著者によれば、幸之助は戦後も「5年間で売上高を4倍に」「週労働を5日に」「従業員報酬を米国の大企業並みに」という目標を掲げ、技術革新、コスト削減、生産性向上、利益率の改善などによって実現した。
実際、幸之助の先見性と指導力は、時代を超えた普遍性を持っている。29年に始まった世界大恐慌のさなかのことだ。多くの日本企業が従業員の解雇に踏み切ったのに対して、幸之助は、従業員を解雇せず工場労働者を販売部門へ転換することで苦境を乗り切った。当時、従業員の解雇は日本企業にとって常識的な雇用調整手段だったが、幸之助は誰も真似のできなかった配置転換という前代未聞のリストラ策を講じたのである。
幸之助にとって、配置転換による雇用の維持は企業を守るために苦心惨憺さんたん編み出した手法だった。それがいつの間にか「従業員の雇用は聖域」という通念が定着し、幸之助はその守護者に祭り上げられてしまった。むろん、幸之助は株主価値の極大化を企業の目的に置く英米流の経営者ではない。しかし、日本的経営の破壊者だった一面も持っていたのである。
本書へ不満は、“起業家・幸之助”の軌跡——特に幼年時代の描写と指導力の分析のユニークなのにに比べて、“人間・幸之助”が「成長に成長を重ねて」たどり着いた境地、PHP、松下政経塾時代の記述に精彩を欠き、表面的であることだ。続編には社会思想家としての幸之助への批評を期待したい。
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