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俺たちの日(ハヤカワ・ミステリ文庫)
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紙の本

俺たちの日 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者 ジョージ・P・ペレケーノス (著),佐藤 耕士 (訳)

俺たちの日 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1,058(税込)

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紙の本

きょうはおれの死ぬ日じゃない

2003/05/17 11:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まんでりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

よろしかったら少しばかりお付き合いいただこうか。

 ピート・カラスは、子供のころから足をつぶされて生きていくなら死んだほうがましだと想っていた。
 
 子供のころ、ギリシャ移民、イタリア移民、中国移民、黒人、みんな貧しさに囲まれていた。

「とりあえず寝床はあるし、友だちもいるし、腹が減ったときにはなにかしら食べ物がある。病気や死など、笑い話のネタにすることしか知らなかった。人生の深い闇は、まだ遥か彼方にしか感じられなかったのである」。

 戦場では、

「きょうはおれの死ぬ日じゃない」。

 と、思っていた。

 無事帰国した。

 移民社会はあいかわらず貧しかった。

 「移民連中ときた日には、この国の言葉を覚えようともしない。…家族を養うために働きづめで、覚えているひまがないのさ」

 「戦争から生きて帰ってきたからって、…思いどおりになるわけじゃないのよ…生きて帰ってきたからには、自分はもう死なないんだと思い込んでる。…あなたたちが手に入れたのは、ただの執行猶予」。

「呑気に遊んで暮らすのもいいが、今は地道な仕事を考えるときだぞ」

「若いもんは、どうしたって遊びが先になるんだよな」

 そして友に裏切られ、足がつぶされた。

 カラスは、以前カラスに忠告をしてくれたニックの店でコックをやることになった。

「ニックが欲しいのは金じゃない。仕事なんだ」。

 そのニックの店に、かつての友ジョー・レセボがやってきた。
 
「たとえて言えば、子どものときに無くしたものを何年かぶりに見つけたと思ったら、それが自分にとってはもはや何の意味ももたないものだとわかってしまったような、そんな気分だった」。

 失踪した姉・ローラを探しにフローレックがワシントンにでてきたころ、売春婦が連続殺害されていた。ニックの店で働くことになったこの若者のためにカラスは、一肌脱ぐことにした。

「男をぶちのめしたり、やくざ者とつるんだり、悪い道に走ったりするのには、頭は使わない。頭は使わないかわりに、最高の気分にもなれないのさ」

 そんなカラスにニックは言う。

「そろそろ古いバスを降りなくちゃいけない時機なんだ」


 殺人犯を突き止めたカラスはレセボに言う。

「たしかにおまえとおれも、悪さをしなかったわけじゃない。だが…常軌を逸している。人間のやることじゃない」

 殺人犯逮捕で、やくざになった旧友レセボの協力を得て、幼友達のジミー・ボイルに手柄を立てさせてやるものの、しかし、とうとうレセボのボスにニックの店が狙われることになった。

 レセボの車を借りたカラスは思う。

「この車はたしかにすばらしい。だがこんなものがどうして必要なんだ。こんな箱に閉じこもっていると、なにもかも逃してしまうぞ」

 そして「俺たちの日」がきた。

 それから10年後。
 ニックは言う。

「あくせくしたってはじまらんさ。それより、少しは人生を楽しもうぜ」

 かくして、ペレケーノスは、語り継がれるべき自分たち移民の物語をきちんと書き残した。

 ついでながら、
  
 今もパレスチナでは、死んでもかまわないと思いつめた人間がごまんといる。毎日が「俺たちの日」なのである。こういうことは日本にはまったく伝わってこない。報道記者が足を現地に踏み入れてもそのことがおそらくわからない。
 北朝鮮では、「死ぬための」戦いもできないまでに人々は貧窮を極めている。そして日本人のほとんどはそういうことが皆目わからなくなるまでに精神が貧窮してしまった。どちらにも「俺たちの日」はついにやってこないのかもしれない。
 日本は、豊かにはなった。
 が、語り継がれるべき物語を消し去り「俺たちの日」を失った。
 それがその代償なのかもしれない。



<きょうはおれの死ぬ日じゃない>

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2014/04/07 09:03

投稿元:ブクログ

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