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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.12
- 出版社: 青土社
- サイズ:20cm/246p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7917-5679-7
紙の本
安全学
著者 村上 陽一郎 (著)
原発事故、医療ミス、環境汚染…。現代文明が追求する価値が、恩恵だけでなく危険をも孕む。文明そのものの脅威に対し、われわれはいかに生き延びるか。新たな知、倫理としての「安全...
安全学
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商品説明
原発事故、医療ミス、環境汚染…。現代文明が追求する価値が、恩恵だけでなく危険をも孕む。文明そのものの脅威に対し、われわれはいかに生き延びるか。新たな知、倫理としての「安全学」を模索する全く新しい文明論。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
村上 陽一郎
- 略歴
- 〈村上陽一郎〉1936年東京生まれ。国際基督教大学教授。専門は科学史・科学哲学。著書に「近代科学を超えて」「近代科学と聖俗革命」「ペスト大流行」「生と死への眼差し」など多数。
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紙の本
<安全はやみくもに危険をもみ消したり、危険、危険とただ叫んでいるだけでは実現できない>
2003/05/20 18:23
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投稿者:まんでりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機事故でなくなった機長が、出発前に「やっこらしょ・どっこいしょ」と言っていたことが、ボイス・レコーダーの記録からわかった。
マスコミはこぞってコックピット内のたるんだ空気を「道義的に」非難した。
後に、これは機長が気合を入れるときの学生時代からの癖であったとわかる。
まあ、マスコミは引っ込みがつかんわな。
一を聞いて十のことがわかったようなつもりで仕事をするのはマスコミというものの性(さが)であるから、これをとやかく言っても始まらないが、「道徳的に」いくら非難してみても危険は去りはしないという当たり前のことを当たり前に主張するのがこの本の趣旨である。
この手の失策をしでかしたマスコミもまた「道徳的に」非難されるのはテレビ朝日だったかが、坂本弁護士一家惨殺事件に責任の一端があると指摘されて自粛したのを挙げれば十分だろう。
また、引っ込みがつかないと、開き直ってあくまで非を認めないという態度に出るか、さもなければ自粛と称して萎縮してみせるしかないのかもしれない。
いずれにしても本来の問題の解決にはつながらない。
世の中は危険に充ちているということは「火宅」のたとえの昔より自明のことであるにしても、今は余りにも余計な危険を抱え込んでしまって、もう後戻りもきかないところにまで来てしまっているかのようである。
著者は、この危険を広く具体的に取り上げて吟味し、真の安全を目指すにはどのような方向性や可能性が考えられるだろうか、あるいは回避不能な危険についてどう考えるのが妥当であるのかについて総合的に考察していく「安全学」なる新たな学問を提唱しようとしている。
奇妙なタイトルに惹かれて手にとってみたのだが、広い学問分野を包摂する一つの卓見ではある。