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ウィダの総督
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  • 発行年月:1989.6
  • 出版社: めるくまーる
  • サイズ:19cm/230p
  • ISBN:4-8397-0047-8
  • 国内送料無料

ウィダの総督

1,404(税込)

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評価内訳

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紙の本

10余年の作家活動、5冊の本——小さな数字にして足ることを教えるゴージャスなフィクション。奴隷商人一族の200年を搾り取った濃厚な小説。

2004/07/05 17:55

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ドイツの鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が「英語圏の文壇の最も重要な人物だとも…」と絶賛し、この本を原作として「コブラ・ヴェルデ」なる映画を撮っている。怪優クラウス・キンスキーの狂気の表現と、圧倒的なアフリカの風景がせめぎ合って特異な雰囲気を漂わせる好きな作品だ。
 そこでは、ウィダという領地に着任したところから奴隷商人ダ・シルヴァの後半生が描かれていた。彼のビジネスが彼の地にもたらした「断絶」や「歪み」という視点には欠けるものの、奴隷の身に負けず劣らぬ悲しみに浸されているのがダ・シルヴァの生き方という把握である。その両者の悲しみを突き抜くようにして、彼と彼が教練した半裸のアマゾネスたちが雄叫びを上げる。

 原作であるこの小説においては、ダ・シルヴァのウィダの総督としての半生は、200年という長い時間の流れのなかにひとつのピースとして組み込まれている。ダ・シルヴァがウィダに上陸する第三章、79ページのところに至るまで、彼がアフリカの地に残した種の生育がさまざまに語られている。おびただしい数の彼の遺伝子が、時の流れに乗せられたのである。生活圏も拡散していく。
 上陸したことは書かれているが第三章も総督としての半生ではなく、そこに至るまでの生地ブラジルでの幼少時代から物語は書き起こされている。つまり、ヘルツォーク監督が映像として引き受けたダ・シルヴァの悲しみは、本の半ば過ぎまでお預けなのである。

 奴隷積み出し港ウィダがあったのはダオメー王国、これは架空の国ではなく現在のペナン人民共和国であり、ナイジェリアの西隣に当たる。もともと旅のジャーナリストとして知られた作家ブルース・チャトウィンは、まったくのフィクションとして物語を構築したのではなく、王が女兵士たちの軍隊を保有していたことも本当なら、1800年代はじめにブラジル出身の白人奴隷商人がウィダに駐屯し、1830年代まで西アフリカで最も裕福な男として生きたことも歴史的事実だということだ。
 ただ、再三の取材にもかかわらず、奴隷商人の子孫や、彼を起用した王の子孫からも大した情報は得られなかったということで、そのような作品成り立ちの経緯は序文として起こされている。

 話の流れとしては「つわものどもが夢のあと」に通じる堂々の大河ドラマやサーガなのだが、ページ数が多くて重い大きな1巻ではなく、字詰めの少ないページが本文わずかに210ページ程度。
 読み終わると、一体自分はどのような仕掛けで一族の200年と、強烈なダ・シルヴァの生にめくるめく思いをさせられたのかと不思議でならない。文体は淡々としたもので、「○○は〜した」という調子でもって、どんどん記述は進んで行く。精緻に、あるいは「これでもか」の必死の勢いで書かれた文章ではないのに、イメージをわぁっと喚起させる力がある。饒舌を省けば、これほどの濃密な物語が描き得るということなのだろうか。
「あっという間の時間に、夢のあとさきをよくもゴージャスな気分で堪能させてくれたものよ」と深い満足に浸された。

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