紙の本
二つの環境の「接面」としての「人工物」
2007/11/03 12:56
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この手の本を読み慣れていないので最初はちょっと素朴すぎる議論のような気がしていまいちな印象だったのだが、中盤くらいからぐんぐん面白くなった。思ったよりも複雑なことが語られ、検討されている本である。「人工物」つまり人間が作った物や組織、システムなど(この場合「作った」というのは意識的であるかどうかは問題ではない)を、その「人工物」それ自体の内部環境とその「人工物」が属する環境である外部環境との「接面」として捉え、たとえば鳥と飛行機では内部環境は異なるが、同じように「空を飛ぶ」というふうに考えることで、人工物についての分析を進めることができる、とする。そのような考え方に沿って、経済学、心理学、コンピュータ・サイエンスなどに論を発展して行く手際は、とても啓蒙的で面白い。「目的合理性」や、記憶と学習、デザイン論、複雑性における階層の問題など、地味ではあるけれどもじっくり物を考える基盤となる論考が多くてとても勉強になった。
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だいぶ前に読んだので、ほとんど忘れてる。
ところどころ面白いところがあったが、全体としては非常に難しかったような印象がある。
第一世代システム理論の原点ということで、なんとか忍読した。
制約理論・認識の階層構造について書かれているところがあったような、、、
そこは、まあ、有名だし、読む前から知ってるし。
多分、読む前から知っている箇所しか理解できなかったのでは。
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20110110読了。
去年読み始めた。去年一年で最も影響を受けた本。
また何度も読み返したい。
システム論についての本。
人間の情報処理システムから、組織論、デザインプロセス、自然と人工物の違い、複雑系などから多面的にシステムについて語る。
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この本の価値は第6章「社会計画:進化する人工物のデザイン」にある。35ページに過ぎないが、神がかっている。
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自然と人工、システムがサブシステムを抱える話、集権分権、全体・還元、読みたいものが盛りだくさんに詰め込まれていた点では凄く面白かった。
ただ、結論としてこの本を通して何を伝えたかったのかが、自分には伝わってこなかったように思う。
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[ 内容 ]
「人工物の科学はいかに可能であるか」本書は必然性ではなく、環境依存性―「いかにあるか」ではなく「いかにあるべきか」―に関与するデザインの諸科学、すなわち人工物の科学(The Sciences of the Artificial)の本質を明らかにし、その可能性を問うものである。
[ 目次 ]
1 自然的世界と人工的世界の理解
2 経済的合理性:適応機構
3 思考の心理学:自然と人工との結合
4 記憶と学習:思考に対する環境としての記憶
5 デザインの科学:人工物の創造
6 社会計画:進化する人工物のデザイン
7 複雑性に関する諸見解
8 複雑性の構造―階層的システム
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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今読むと内容の古さと詰めの甘さは否めない。でも、この本を初版の頃に読んだら衝撃的だったろうな、と思う。
システムデザインに関連する話題を一通り読むことができる。各章での指摘はかなり本質的であり、今でも色褪せないものが多い。
登場する各分野の理論や研究等については概論レベルまでで、専門書のような具体論には踏み込まない。
なので、詳しい人には全く物足りないだろう。逆に知らない人には抽象的な話と、読みにくい文章が相まって難解かも。
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本当はとても良い著作なのかもしれないが、厳密さを重視した理系っぽい文章は非常に読みにくく、著者がどこに論を持って行こうとしているのか読み取りにくいため、ふだん哲学書なども読む私にとってさえ、非常に難解だった。
一般向けに書いたものかも知れないが科学読み物なんていうレベルでは全然なく、ハードな教科書ふうの文章だったと思う。
「人工物」のシステムを科学する、という目標を掲げているのだが、話はコンピュータ上のシステムの話から経済学に飛んだり経営学に飛んだりして、どうも妙だ。改めて著者のプロフィールを見ると、ノーベル経済学を受賞しており、政治学・社会学がもともとの専門らしい。だから、ふつうに「システムの科学」と言われると連想するような、自然界の食物連鎖や物理学のようなカテゴリに関しては、あまり言及が多くない。
それでも改訂の際に加えられたという後半の「複雑系」のテーマはなかなか面白かった。
本書はkindleで読んだのだが、私にとっては、こういう本は電子書籍で読むにはあまり適していないようだ。紙の本ならパラパラと前の方をめくって反芻するのが簡単なのに、電子書籍だと出来ないことはないが紙よりもちょっとやりにくい面がある。
少なくともこの本は、紙で買っておくべきだったなあ、と思う。
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wired・システム、ネットワークと情報・6位
mmsn01-
【要約】
・
【ノート】
(wired)
「人工物=Artificial」を科学することは可能かという問いから発する「システム論」の基礎文献。経済学、政治学、コンピューター工学を駆使し「システム」の本質に迫る。
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古典的名著とのことらしい。心理学、経済学、デザイン、複雑性などの視点から、人工物の化学について検討されている。いまだと違う点もあるが、含蓄深い本だった。
印象に残ったこと:
ホメオスタシスとフィードバック、探索と満足快、内部環境と外部環境、内部は単純であとは長期記憶と外部記憶により複雑性が生まれる。
組織にしろ人体にしろ会社にしろ社会にしろその仕組みにはどれも似た要素があり、それらをデザインしていく上でお互いに参考になる部分はたくさんある。複雑にみえても、本質はシンプルに描きうるなと改めて思った。複雑なものも階層展開していけばいい。
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自然における全てのシステムの解釈、人工物における仕組みの話。どちらも凄く深い内容で勉強になる。形而上学に辿り着いていたら、膨大な関数リストになるのだろうか?
たった一節読むのに数時間かかることもザラなので、長い時間をかけて読むべき本なのか。
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自然科学における物理法則や数学定理のように、
およそ一般的に正しいと言える規約が、
人工的なモノに対しても存在するのだろうか?
というのが本書の根源的な問いかけである。
これまでは、組織や建築デザインなどは、経験則だけが頼りで、
科学的に分析できない、というのが当たり前であったが、
今日のコンピュータの進歩によって、モデリングしてシミュレーション
することにより、科学の対象として扱える可能性が高まってきた。
デザインにおいては、モジュール化、自己組織化、などが
キーワードになってくる。
など、結論だけ書くとありきたりな感じだが、
本書の洞察は、30年以上前のものとは思えないほど新鮮で、
現代に通用する普遍的なものがある。
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・ものの見事にさっぱり判りませんでした^^;
・辛うじて理解できたのは、もともと知識があった箇所だけという体たらくで、まったくダメダメでした。
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階層構造だからこそ理解できるのか、
階層構造である部分しか理解できないのか。
人間の認識の限界はどこにあるのだろう。
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ノーベル経済学賞を78年に受賞したハーバートサイモンによる、人工物に対する科学のあり方についての著書である。率直に読後感としては難解で何をいいたいのかわかりずらかった点である。少なくともミクロ経済学をかじったことがあったため、経済学に関する記述は少しは理解できたものの、。。。
・自然科学(自然物) vs 人工物に対する科学、人工物=内部環境と外部環境のインタフェース
・記号システム:合理的な人工物