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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1999.6
  • 出版社: 角川書店
  • レーベル: 角川文庫
  • サイズ:15cm/228p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-197006-7

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文庫

紙の本

みんないってしまう (角川文庫)

著者 山本 文緒 (著)

みんないってしまう (角川文庫)

税込 473 4pt

みんないってしまう

税込 454 4pt

みんないってしまう

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裸にネルのシャツ 5-22
表面張力 23-40
いつも心に裁ちバサミ 41-58

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みんなのレビュー118件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

最近、山本文緒の新作にお目にかかりません。だから読み落としていた旧作をポツリポツリと読み直しています。この人、本当に心を描くのが上手ですねえ、しかも今回のテーマは誰もがもつ「過去に捨てたもの」

2005/12/30 14:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「自分が捨てていってしまったものに向き合う12人の男女。最後に彼らが選ぶのは」現代小説。
単行本は1997年に出版され、私が手にした文庫は半年で六刷もしています。この時期、山本文緒の快進撃が続くんですが、2005年末では出版の噂もあまり聞くことがなくなってしまいました。こんなにも素晴らしい話を作っていた人は、今、どうしているのでしょうか?
さてこの話ですが、全十二話で、「月刊カドカワ」に連載されたものです。ともかく上手いです。読者としては、現代最高の語り部の一人が絶好調だった時期の物語に酔うしかありません。
五年前に自分を置いて出て行った男、忘れようとしても出来ない男から、会いたいと電話が「裸にネルのシャツ」。やっとのことで家賃を納めている団地が建て替えられるという。上がる家賃を支払う為に「表面張力」。いつも机の上が汚い、と女上司から注意を受けた。そのあくる日、彼女が必死で自分の机をかき回して「いつも心に裁ちバサミ」。思い切ってゼミの男子に声を掛けた助手の私。心に密かに決めたことが「不完全自殺マニュアル」。今日は、住居の契約をする大切な日。約束の時間ギリギリに家を飛び出し、タクシーに乗ったのはいいけれど「愛はお財布の中」。
僕の家は、妻も子供も大食漢。堂々と太って、結婚指輪も廻らない。そんな僕が通う喫茶店で「ドーナッツ・リング」。私も、母もいい加減な人間。妹が旅行中に面倒を見ることになっていた動物が死んでしまって「ハムスター」。偶然、街で出会った学生時代の友達。お茶を飲みながら昔の彼氏の話をしているうちに「みんないってしまう」。おしゃれで昔から憧れていた従妹と一緒に暮らすようになった私が知ったのは「イバラ咲くおしゃれ道」。素敵な結婚相手に恵まれた私、でもセックスだけは他の人と「まくらともだち」。何度も続けてベランダに干してあった下着を盗まれた私。でも、そんな私が「片恋症候群」。個人情報雑誌の友達募集コーナーに、どこか気の合いそうな年下の同性を見つけて「泣かずに眠れ」。
作者はあとがきで、”新しがりや”の自分を告白しています。そんな山本がふと思い出す、昔持っていたもの。かすかな感傷と共に、それらを手放してしまった自分。みんなもうどこにもない。物事は思った以上に早いスピードで流れていくことに気付いた作者の、急がなければ、今手の中にある物も、親しい人も明日にはいなくなってしまうという心。
解説で浜野雪江(どうにかならんのか、このわざとらしいタレントみたいな名前)は、この小説を書いている当時、山本が「短編がこんなに楽しいなんて」と語っていたことを明かします。それが『絶対泣かない』などの作品になって、山本が人気作家になっていく。それは楽屋落ちではあるのです、上手に紹介しているおかげで、よくある仲間褒めにならないところがいいです。浜野が書く「読み手に委ねる結末、答えは読み手の数だけ」はその通りと納得です。気になるのは、解説本体では部分。解説者のところに、せめて(編集者)とでも注記が欲しいと思うのは私だけ?

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紙の本

仲間といても、孤独。

2003/12/17 01:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 文緒さんの数々の作品の中でも、とりわけ印象深い一冊。友達に何か貸して、と言われる度に手が勝手に「ブルーもしくはブルー」「きっと君は泣く」「ブラックティ」「みんないってしまう」「シュガーレス・ラブ」の五冊に伸びる。どれも身近に感じられ、人事として読めないものを秘めている。そしてそれらを読破した友達から感想のメールが届く。
 そう、私の友達は文緒さんの文章に魅了されていきました。私自身、文緒さんの小説大好きですから、感動を共感できる友達ができて嬉しいです。

 本書の中でもストーカーの主人公の話を鮮明に覚えている。電話線引っこ抜かれたり、しまいには意中の人が出したゴミを漁る…。緊迫感が伝わってきました。本当に身近にありそうで、ヒヤヒヤします。

 このタイトルを見るといつも、自分から何かが去って行ってしまう恐怖を思い出す。いつの間にか、周囲にいない人だとかそれこそ糸が切れたみたいにぷっつりと連絡が途絶えた人。その人が大切な人であるとそれだけ襲い掛かる孤独感も大きくなる。もっと厄介なのは、去ってしまった後にならないとその人が自分にとって大切な人か気付けないことだ。なくして初めて知るその価値。また、自分も誰かから去ったのだと思うと不思議だ。別に去ろうと思って去ったわけではなく、ただ自然に、流れのように現状に至った。
 文緒さんの本を読むとなぜだか普段考えもしない事を熟考する。考えたって答えが出ないものだったり、実らないものだったり、時にはちょっと哲学入ったり。
 切れ味の良い文体、余韻に浸る暇もない小説。これからも友達に何か貸してと言われたら、私は無意識に本書を取り出すでしょう。寝る前に読むことはオススメしません。ストーリーがぐるりと覆される瞬間、睡魔だって敗北を認めます。

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紙の本

じぶんがどうするか

2002/07/28 18:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルどおり、何かが自分から行ってしまう、お話。キーワードは「去る」でしょうか。
行ってしまうのは、恋人だったり、片思いの相手だったり、自分の気持ちだったり、
ハムスターだったりする。自分のプライドを無くしてしまうお話もあった。(ストーカー
のようになってしまうのだ)そういったものを無くした時どうする?
無くして何かに気づくのだが、それは読者が自分で考えて気づかないとならないように
なっている。タイトルにもなっている「みんないってしまう」と言うお話の中で、
「ひとつ無くしたら、ひとつ貰える。」といった文章があったけれど、本当にそうなの
かもしれないなーと思った。この文は私の好きなフレーズになった。

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紙の本

喪失感と、それから

2002/02/13 18:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:旗幟  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 色んなものの喪失を書いていて、読んでいて何か「くる」ものがある小説でした。
 これは何もロマンチックなお話ではありません。身も蓋もない真摯さで書かれている感じで、ここでは恋愛も確かにあるけど、それは素敵とか何とかいうより、剥き出しの人間がかっこ悪い姿で一回一回、死にものぐるいでチャレンジしていく、そういうものです。
 その途中で、プライドとか優等生的な自分とか、色んなものを捨てていく。出来事は目の前にあればそれが全部に見えるけど、後に主人公の心に遺るのは、「それを捨てた」という事実の方でしょう。捨ててしまった後に残るのは、喪失感と、それから…

 きっと生きていくということは、そういうことなんでしょう。

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紙の本

先があると感じさせてくれる物語

2001/07/12 20:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現時点で読んだ彼女の小説は5冊。その中でこの短編集が一番好きです。何故なら、逃げがないから。一つ一つの物語の先に良くも悪くも未来が待ち構えていて、その存在を意識させてくれる。ハッピーエンドでめでたしめでたしじゃなくて、この先どうなっちゃうんだろうね、なんてもやっとした後引く気持ちが涌いてくるのです。現実や自分の感情から本当の意味で逃げる事はできない、でもなるようになるかも。と思わせてくれる。
 失った恋人の思い出を抱えて5年が過ぎ、再び彼と再開したその時を描いた『裸にネルのシャツ』、荒れた家庭環境から逃れようとする妹と、それを突き放した目で眺める姉の姿を描いた『ハムスター』。中でもこの二つが好きです。

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紙の本

気がつけば失っていたもの。

2001/05/25 14:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大人になるに従って、気がつけばいつのまにか手の内からこぼれ落ちてしまっていたものは沢山ある。普段は失ったことにさえ気づかずただ何かの拍子に、自分がたったひとりなことに気づく。
 この本に入っている短編の主人公たちも、なんだか漠然とした不幸せを抱えて生きている。「なんでこうなっちゃうのかなぁ…」という出来事の連続。うまくいかない。間が悪い。なんとなくそうなってしまった。そんな、どこか投げやりな脱力感を覚えながら生きていく人たち。
 読んで元気になるお話ではないけれど、幸せになれない人達が淡々と生活していく様子に共感する人も多いのではないでしょうか?

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紙の本

そしてみんなおいていかれるの

2001/01/28 12:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本に出てくる人はみんなさみしい。みんないってしまうからみんなおいていかれもする。この本に出てくる人がすごく寂しそうだから、元気がでる。さみしいのもさみしかったのもわたしだけではないのね、と思う。みんなさみしくて当たり前なのかも。さみしくてよかったのかも。

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紙の本

誰も私をわからない。だから私も誰もことも知らない。

2002/03/05 22:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にこ  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本で一番好きなのは『不完全自殺マニュアル』だ。死とか秘密とか、人が持てる最大の武器を持っているのは自分だけじゃない。いつか、それで傷つけようと思っていたら、先に自分が傷つけられ、そして人の表にでない傷を知る。このことをとても上手く表現してあると思った。
 この本全体としてもいえることだが、「みんな行ってしまう」のだ。実際に人がどこかへ行くだけではなく、心理的な、精神的な面でも、みんな自分を置いて進んでいったり、どこかへ行ってしまっていること、行けることを知るのだ。「こんな感じ」と自分の中で捕らえていた人の形はあくまで一面、思い出の1つに過ぎないのだ。
 みんな行ってしまって、そしてどうするのか。立ち止まるのか。それとも私も歩くのか。誰かを追いかけるのか。1人進むのか。戻るのか。『言いたくないが、知って欲しいの裏返しなら、死にたいは生きたいの裏返しなのだろうか』という文があったが、それと同じように、私はこの本で「寂しさを感じたくない」と思った。それはきっと、本当は寂しくて悲しくて、私も一緒にどこかにいってしまいたくてたまらない、ということなのだろう。

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紙の本

山本文緒の魅力

2001/12/18 12:56

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投稿者:かずの - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山本文緒さんの作品は、読んだ後いつも少し淋しくなる。楽しいだけの話ではなく、ハッピーエンドでもない。切なくて胸をつかまれるほどに苦しくなる時だってある。それはきっと読んでいる方も、話の中の登場人物と同様に、どうしようもなく淋しかったり惨めだったりした事があるからだ。思い出すと辛くなるのでフタをしてしまった記憶を、著者は無理矢理私に思い出させる。それでもその名前を見るとつい本を買ってしまう力が、山本文緒さんにはあるのだ。

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紙の本

何かを失うこと

2001/01/18 20:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:naka-m - この投稿者のレビュー一覧を見る

山本文緒の短編集はどの作品集も何かしらテーマを持ってますけど、
この「みんないってしまう」の場合は「何かを失うこと」をテーマに
全12編が収録されています。

といってもここで失うものは生半可なものじゃないです。
見た目上失うのもは小さくても、
実は「人間としてのプライド」とか「培ってきた信用」とか「人を信じる気持ち」とか
もの凄く大きなものを失っている人々がここでは描かれてます。

「ひとつ失くすと、ひとつ貰える。そうやってまた毎日は回っていく。」(本文より)
確かに我々は何かを失うことで別の何かを得ているのかも知れませんね。
12人の主人公達はいったい何を得たのでしょうか。

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2004/10/06 10:59

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2007/09/01 00:58

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2004/12/13 23:23

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2004/10/24 22:37

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2004/10/23 19:06

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