紙の本
きちんと知りたい人に
2001/12/15 13:08
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いわし - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くのことがそうであるように、当事者になってみないと世間に出産や育児に関する本がこれほど出版されていることには気づかなかっただろうと思う。そのたくさんある本の中で、配偶者任せにするのではなくて、出産とは何ぞ? ということを知りたい人には最良の1冊。いわゆる自然分娩(著者は「あたりまえのお産」という言葉をつかっているが)を紹介する本ではあるけれど、赤ちゃんはどのように産まれてくるか、その時にどうしておくのが合理的なのかを本当にわかりやすく説明してくれています。実際に自然分娩を選択するかどうかは別としても、自分の子どもをどのように生みたいのかを考えるための手がかりとしてもおすすめの1冊です。
著者の大野明子氏は、もともとは東大の大学院を修了した地球化学の研究者。自身の出産体験(「こんなものが、人の出産であっていいはずがはない!」)を契機に、医者を目指したという産科医。さて、この経歴が何を意味するかというと、研究者だけあって論旨が明快でわかりやすい、というだけでは短絡的で、むしろ、研究者、産婦、医師、それぞれの経験が、当たり前の出産を難しくしている現状を冷静に観察し、考察することを可能にしているいう点を強調すべきでしょう。
「分娩台よさようなら」というタイトルには、一般に常識とされている、産科の病棟で分娩台の上で、しばしば陣痛誘発剤や帝王切開により出産するというルーチンの様な流れが、いかにヒトという種の出産に不合理なものかを象徴しています。読んでもらえば分かるけれど、分娩台は医療者の処置には便利であっても、出産そのものには不要なもののようなのです、本来はね。いわれてみると、確かに何か不自然な感じしません?あの体勢って。
ヒトも動物なんだから、そんなに不自然なことをしなくても子どもを生むことは出来るはず、それに出産は極めてプライベートで、かつ素晴らしい体験に違いないのだから、あたりまえの出産をする権利が(それも僕らにはない特権的な権利が)あるというのが筆者の哲学なのです。
ただし、その為の努力は必要だということもよく分かります。大野さんがいかに努力しているかもよく分かります。太っちゃダメ! たくさん歩きなさい! といわれている妊婦さんはたくさんいるでしょうが、その理由はこの本を読むとホントによく分かる。理由を理解して歩くのと、いわれてるから歩くのでは、モチベーションが違うものね。
さて、このように書いてみると、何だか性急な告発的な論調? と思われそうですが、文章はとても冷静で、読んでて心地よいです。ぜひお二人で読んでみてください。特に、何か読もうと思うけど、可愛らしい装丁で中に意味なくしょーもないマンガなんか載ってて読む気がなえた、という人には特にお勧めです。
ところで、この本は妻が漫画家の桜沢エリカ氏の本で知って購入したのですが、本を読んであらたによい本に出会うというは読書の至福の一つでしょうね。
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産科医(1児?の母)の著書。出産経験者にさえよく知られていない、出産時の母子がどういう処置をされているのかなど、病院での出産の裏事情なんかがよくわかる。安産のためにはどうすればよいか。勉強になりました。おもしろかった。
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14/100
「お産はやり方ではなく、あり方」って本当にそうだと思う。私は分娩台で会陰切開ありのお産だったけど、本当にあたたかいよいお産が出来た。産後も桶谷式など適切な指導があれば、必ず赤ちゃんを自分のお乳で育てられるというところも、うんうんと納得。こだわりすぎず頑張ることが大切なのだなーと思いながら読んだ。
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自然なお産を考えているご夫婦にぜひ読んでほしい一冊です。俗的なお産情報に振り回されないために絶対に役立ちます。
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自宅出産してみたいかも!と思わせる。まあ分娩って見てても産科の先生のやりやすいようにできているから。よく「もっとさがってくれないと」とか言ってるもん。そうではなくて妊婦さんがどうしたいかを一番に考えてくれる助産士さんとの出産も素敵だなあと。
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産科医である著者が自分の苦い経験を踏まえ、本来のお産の「あり方」を提唱されています。お産全般に関する専門的内容ながら素人にも非常に分かり易い語り口なので、かなりのボリュームでもどんどん読み進めました。
分娩台での出産・会陰切開・陣痛促進剤・吸引分娩・帝王切開などの大半が医療事情により施術されている現状に驚くと同時に、自分の力を信じて「産む」という自然の営みを最大限生かした出産を経験することができたら幸せこの上ないことだろう。。。
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妊娠した時に助産師の友達から「お産のバイブル」としてもらった本。
この本との出会いが私に自分の力でお産をすることの大切さを教えてくれ、後に産婦人科を志したきっかけとなりました。
著者のゆるぎない信念のもと、厳しいことも書いてありますが、妊婦さんにはぜひ読んでもらいたいと思います。
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だいぶ前からなんとなく内容は知っていたけど、知識がリアルに必要になったら読もうと思っていて、出産を3ヶ月後に控えた今、ようやく読みました。
お産における医療介入の意味と、それをできるだけ排除して自然なお産を目指すための方法について固い信念のもとにわかりやすく語ってあり、できるだけ自然なお産を目指したい身としては本当にありがたい指南書。
ただ、いくら万策尽くしてもやはり結果が伴わない場合だってあるだろうし、本意ではないのに医療介入が伴うこともあるだろう。
信念が固いゆえにだろうが、そうなってしまった場合への配慮がやや薄くて、読んで辛い気持になる人も多いのではないかと思った。
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図書館で借りて(2010.7)
良いデス。こういうことたくさんの妊婦さん、これから生む人に伝えて行きたい。
どうして、こういうことが伝わらないのか不思議。
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2度目のお産の前に、もういちど読んでおきたくなって
買いました。
とても分厚くて読むのに時間がかかるけど、
一行一行に驚きや関心がつまった一冊。
どうして「分娩台」に「さようなら」なのか。
問題は分娩台そのものではなくて、
どうして分娩台で生まなくてはいけなくなったのか。
お産が日常と切り離されてしまったこと、
産む人の思いよりも医療が優先されてしまったこと、
そして産む人自身の、自分の力で産もうという決意が
薄れてしまったこと…
「あたりまえに産みたい」というあたりまえの思いを
もっともっと強く持ちたい、持ってほしいと思う。
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この本には10年前に出会いました。
私の助産の原点です。
著者の大野先生は産科医で「世の中にはこんな医師もいるんだなぁ」と驚きました。
10年前と言えば、ちょうど助産院に勤め始めた頃です。
病院のお産に嫌気がさし、自然分娩の神秘に目覚めた頃だったので、この本にハマりました。
何人かの妊婦さんにプレゼントしたのを覚えています。
この本を読んで、どうしても大野先生に会いたくなり、友人と『お産の家』まで行きました。
『お産の家』は東京とは思えない静かさで、緑の多い住宅街の中にある木造建築の温かい産院でした。
忙しい中、大野先生と少しの時間ですが、お話しできたことは私の貴重な体験であり、忘れられない大切な思い出です。
大野先生の本を手にした日から「私もいつかこんなお産と子育てをしてみたい」という夢を持っていました。
そして待望の妊娠。
今まで何百人という方のお産に立ち合わせていただいてきたものの、自分の事となると、細かいことが不安だったりしました。
そんな時は何度もこの本を開きました。
「産む人のための産科学」の章は、助産師であっても深い知識が得られ、分かりやすい内容です。
この本は女性として「あたりまえって何?」ということを私に教えてくれました。
助産院でお会いするママ達が「あたりまえのお産と子育て」ができるようにお手伝いができたらいいなぁ、と日々思っています。
1人でも多くの女性が女として母として輝けますように。
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情報はあふれているようにみえて
そのひとつひとつの質は様々で
本当に望んでいるものに近づくことの難しさを
いい意味でも悪い意味でも認識させられる一冊
妊娠、出産という直接的テーマを越えて
様々な示唆、問題提起がわかりやすく提示されている
著者の強い思い入れは気づきと励ましに満ちた言葉として
多々、直感的に共感させられる。
・・・だが、著者はタイトル通り、分娩台での出産を
強烈に否定していて、あまりの強烈ぶりに
何かを批判したり否定したり・・というのは
お産という極めてポジティブなテーマにはそぐわないなぁ
と素朴に思うんだ。
ある機会に、何人かの産科医から話を聞いたのだが
助産院や自宅出産といった脱病院的風潮に対して
攻撃的といっていいほど否定的なコメントが多くて困惑した
ことがあるが、どっちもなんか似てるなぁ・・・と。
せっかく素晴らしい内容なだけに残念
でも、それくらい出産とか病気とかってのは
わからないことだらけなんだから
生命のあり方はそれくらい多様で
自由でいいんだと思うことにしよう
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出産後に読んだ本。
読後、言いようのない罪悪感に苛まれた。読後感最悪。
お産に一番必要なのは『母子ともに無事であること』と思う。
個人的に過度な自然出産希望や母乳重視は宗教に近いものさえあると思う。正直、ヘドが出そうになる。
思想は不要、無事であることが一番だと思う。
私自身、緊急帝切での出産で、生後すぐ息子は病気で入院し、それに伴い母乳を断念せざるをえなかった。
そのことに私は罪悪感に苛まれた。でも、「どんな形であれ母子とも健康で、すくすく育てばそれでいい。方法は問わない」という看護師さんの言葉に救われた。
出産に携わる人は母子を不安に陥れるのが仕事ではない、と切に思う。
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助産院出産した友人から贈られた本。
女性の生む力、ということは確かにあると思うし、それを意識しない妊婦ってそういないと思う。
病院での処置について、批判的に書かれていて、でも、それで助かる命もある。どうも、それらの処置を、その後も引きずって生きていくことになると言うことを脅迫的に書かれると、読む側は非常な不安になる。
賛同するところもあるが、やはり自宅出産や助産院出産を選ばない、選べない人が読むと、結構きつい本だと思う。
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自分の、生む力を最大限引き出し、信じられるようになりたい。
一日三時間のウォーキングは難しいけれど、がんばろう
分娩の写真がすごくリアルで、初産の私にはとても参考になった。
しかし自分でさえぎょぎょーとおもってしまったのに、
夫は立ち会えるのか??と不安に感じてしまった。笑