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紙の本
ひも理論ってきいたことあります?ツイスターは?
2002/07/19 23:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:優樹O - この投稿者のレビュー一覧を見る
よくSF漫画を読むとでてくる「ひも理論」。簡単に言うと現代物理学の中心理論「相対性理論」と「量子力学」を統一する大研究-いわゆる大統一理論-の前段階にあるものだ。この研究が完成すれば「20世紀物理学」は完成するといえる。しかしこれは並大抵のことではない。あのアインシュタインは統一理論をつくるためにその学者として一番大切な何十年もの時間を費やした。つまり水と油を混ぜるほどむずかしい。相反するものを混ぜ合わせることが必要なのだ。
本書のテーマはその「ひも理論」の逆サイドからのアプローチである天才ペンローズの考えた「ツイスター理論=ねじれた四次元」だ。あまり一般には知られていないが「ひも理論」と同様に統一理論をつくりあげるうえで重要な部品になるこのツイスター理論。その内容は提案者ロジャー・ペンローズと同様に奇怪でエキサイティングだ。普通ならむずかしい内容が著者竹内薫にかかればまるで小説のように読める。一流のサイエンスライターにして小説家でもある竹内薫の実力あったこそだ。
大学生で物理を学ばなければならないひとには最適の入門書だ。またこれで現代物理学に興味をもったひとには姉妹書「場とはなんだろうも」おすすめだ。