紙の本
短い短編が10編
2017/08/01 19:44
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
薄い文庫本に短編が10編。 ということはそれぞれかなり短いということ。
最初は昔よく読んだファンタジー系の小説だな。。。と少し好感を持って読んでいたのだけど 短いから話が先にいかないし、だんだんどろどろした部分が出てきて なんかね。。。。
と思った。 人間の暗くドロドロした部分が描かれているといっても 怪奇小説とはまた
違って なんか生々しい。
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短篇集。残酷物語とか書いてあったんだけど、そんなに怖くはない。全部「うわー、いいとこで終わるなー!」て感心してしまいます。雰囲気はとてもやさしい。「森の奥で燃えるもの」というお話がファンタジックで気に入りました。
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彼女は虫を殺すように刺繍し、僕は彼女のぜんまい線を取り出す。彼女の飼い犬は死んで、私は寄生虫のように。
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「博士の愛した数式」で有名な小川氏ですが、こういう話も書けるのは意外に思えました。しかし良いです。これは短編集で、ハウスクリーニングの世界がおすすめ。
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こちらも大好きな小川さんの短編
日常に潜む狂気というか、異常というか、そういうのを淡々と書くのがうまい
なんでもないことのように当たり前のことのように書くから、文体がすごい好き
阪神ファンと知ってからすごい親近感を覚える(笑
デイリーに手記連載したりとほんま好き
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登場人物に若い女性がいたら、きっと黒髪でロングまたはセミロングで、色が透き通るように白く、ほっそりとして、目には力がなく、表情が乏しい、怪しいおとぎ話またはホラーに出てくるような、昭和の美女じゃなかろうか。引きこまれる~。
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もうすぐ『博士の愛した数式』の映画が公開される。とてもユニークで変に甘ったるくなくて嫌味のない作品だった。でも、この作者、とても可愛らしい雰囲気なのに、毒を書くのがお上手です。短編集となるとその中で当たり外れや好き嫌いが出てくると思うが、この1冊は作者の技量が満遍なく納められてるのではなかろうか。毒の部分になると登場人物の表情が無くなるんだな。のっぺらぼうみたいになる。それが怖い。比喩や形容が上手いよね。
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小川洋子は優しい小説ばかりではないとこの本で知った。ある意味優しいけど、どこか一部の怖さが果て無しなく恐ろしい・・・!
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「まぶた」同様、小川洋子のブラックな短編集。「博士の〜」「ミーナの行進」とは全く違う作風で驚きです。06.5
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静かな本のはずなのに、所々に冷たい恐怖のようなモノを感じました。凄い心の暖まる訳でも、怖すぎる訳でも無いのにいつの間にか読み進めていました。
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つねっても痛がらなさそうな登場人物。触るとひんやりしていそうな小説。同じ題材で乙一さんあたりに書いて貰ったら全然違ったものになりそうだなーと思いました。残酷さより色々なものを排除して作り上げられた美しさが目につきます。「キリンの解剖」が一番好きです。タイトルまでも美しい。
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ひんやりしてて、綺麗で、やさしくて、ちょっとダークな感じの短編集。個人的には「森の奥で燃えるもの」が気に入った。
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10の物語からなる短編集です。
命あるものには、逃れられない定めがあります。いつか必ず終わりを迎えること。老いてゆくこと。そして、生きなければならないこと。本書では、日常の中の非日常、ちょっとした日常の綻びを描きつつ、密やかに死や、老いや、生について語られています。穏やかで静かな語り口が、かえって穏やかならざる、不安な心持ちを呼び起こします。
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療養所に入院した母の看護をしていると、ボランティアをしている女の人を見かける。それは、小さい頃、別荘の隣にいた少女で、当時と同じく刺繍をしている。ベッドカバーを作っているという。母が安静にしているとき、二人で会って、昔の思い出話をしている。いよいよ、母が最後というときに、その少女のベッドカバーが完成して...
「博士の愛した数式」を読んでなかなかいい本だと思ったので、同じテイストのものがないかと紀伊国屋に行ったら、書店お薦めの本だったようなので買ってみました。短編が10作品載っているのですがどれもおどろおどろしい内容で、思惑はずれでした。他の作品もこんな感じなんだろうか。
2006.5.16読了
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この方の暗黒系のお話は、読んだ後に何も残らないとわかっているのだけれど、その雰囲気を堪能するために、どうしても読んでしまう。
何の意味もない所作を取り上げて、丁寧に丁寧に描写していく。
それは物語ではなく断片的なスケッチのようなもので、目に付いた所作が終わってしまうと、そこで文章はふっつりと終わってしまう。
限りなく透明な文章でありながら、時折覗かせる穢れがあまりにもリアルを含む。
それは真っ白いシーツについた一点の染みのように、鮮やかに鮮明に浮かび上がる。
物語に歪みをきたすよう、効果的な一点にのみ与えられる穢れ。
それが、深い静謐を含んだ世界に、逃れようのない現実を呼び込んでいる。