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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 87件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1999.9
  • 出版社: 角川書店
  • サイズ:20cm/271p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-873176-9

紙の本

冷静と情熱のあいだ Rosso

著者 江国 香織 (著)

はかなくてせつない、永遠に忘れられぬ想い。江国香織が女の視点から、辻仁成は男の視点から紡いだ、かつてない共作恋愛小説。『月刊カドカワ』『feature』に連載された作品を...

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冷静と情熱のあいだ Rosso

税込 1,540 14pt

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商品説明

はかなくてせつない、永遠に忘れられぬ想い。江国香織が女の視点から、辻仁成は男の視点から紡いだ、かつてない共作恋愛小説。『月刊カドカワ』『feature』に連載された作品を加筆、訂正。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

江国 香織

略歴
〈江国香織〉1964年東京都生まれ。目白学園女子短期大学卒業。児童文学作家、小説家。89年「409ラドクリフ」でフェミナ賞を受賞。著書に「きらきらひかる」「なつのひかり」「落下する夕方」ほか。

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みんなのレビュー87件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

ビックリしました

2002/10/07 17:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トシポン - この投稿者のレビュー一覧を見る

読みふけりました。もっともっと読み深めたくて、イタリアに行って来ました。ミラノのドオーモ、フィレンツエのドオーモ…。大好きなのはやはりカエルの庭です。すごく落ち着きます。しかし読書は教養を深めるもの、実戦可能な自己改革の手段と言われると、この本はそれには当てはまらないのかもしれません。でも、そんなものよりも深いものがこの本には含まれています。

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紙の本

記憶のすみっこ

2002/02/03 22:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:akko - この投稿者のレビュー一覧を見る

 静かな女性の静かな生活。そんな静寂の中にこんなに激しい記憶があったなんて!

 衝撃的でした…涙が出る程に。

 だれでも大人になっていく中で 恋愛にかかわらず ふと忘れてしまっている激しい出来事があると思います。私にはそんなのない平凡な生活してきたって 思っている方も忘れてしまっているだけで あるはずですって言いたいけれども あるかもしれませんとしておきます。

 この物語を読んで、忘れていた出来事を思い出して、私の人生だって、とってもドラマチックかもしれないって
おもった。自分自身があえてその道を選ばなかっただけで 気持ちのままに行動していれば 凄く予想もしなかった様なドラマを手にしてたかもしれない…何故かそう思えました。

 でも実はこの冷静と情熱の間の赤の物語を先に読み終えて 青の物語に入る前は、結末にショックを受けて呆然としました。読まなきゃよかったって思った位! 青の物語も読みたくなくて、少し間をおきました。しかし、やはり、2冊でセットです。
 やられたって感じ! 青をよんでやっとわかった主人公あおいの1面もありました。

 男女それぞれの記憶をたどった物語です。私にもこんな衝撃的な出来事が起こるかもしれない。

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紙の本

しめつけられました

2001/12/19 22:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:フユ  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 順正とあおい。この二人の間で流れる十年間を胸を締め付けられる思いで読みました。過去に忘れられない恋愛をしたことのある人なら、多かれ少なかれ、共感するところがあると思います。順正の視点から書かれているブルーと、あおいの視点から書かれているロッソがありますが、微妙に結末が違うので、ロッソから読むことをお勧めします。個人的には、ロッソの出だしで、胸をわしづかみにされ、ブルーの終わりで、一筋の光が見えたような気がしました。

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紙の本

最高のラブストーリー

2001/03/31 00:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あすま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ひとつの恋を男性の側辻仁成著『冷静と情熱のあいだBlu』と女性の側の両方から表現した面白い試みの小説。
 ロッソとブリュのどちらから読んでもいいのだけれど、私のおすすめはロッソ→ブリュの順番かな。同じ順で、一章ごとに交替しながら読むのも面白そう。
 わたしは女なので、ロッソの方がより感情移入出来て面白かったです。江國さんの心情表現は非常に巧みで、すんなりと簡単に物語世界に入っていけました。読んでいても全然ストレスがなくて、ページをめくるのがもどかしいくらい。
 約束の日が近づくにつれて、忘れたはずの忘れるつもりだった、あるいは忘れなくてはならない、その人の存在がだんだんと大きくなっていく過程の描き方もすごく巧くて、本当に息を飲むと言うか、時間が経つのも忘れました。
 こんな、自分の人生までをも左右してしまうような熱い恋をしてみたいと思ってしまいました。

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紙の本

映画を観るより前に読みたい。

2003/07/30 10:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 イタリアに行った事がなくても、その風景を思い描く事ができた、なんとも不思議な本と出会った。「イタリアを憧憬する私にとってはこれ以上の本はないと言っても過言ではない!」でも、それは映画を観る前に読んでいたら断言できた事だというのが悔しい…。

 十年後にフィレンツェのドゥオモに登ろう…。

 この約束を胸に秘め、ミラノで華やかに暮らすあおい。優しくて紳士で、完璧な人なのにどうしても受け入れられないもどかしさ。お風呂にお湯をはり、静かに本を読み耽る日…。あおいの想いが、痛い程伝わってくる。

 順正との想い出、めくるめく日々。あおいの順正への想いをひしひしと感じつつ自分はまだそこまで想える人と出会っていない事に気付く…。過去を振り返りそれでも愛しいと想える、そんな想い出があおいの中に満ちているのに、少しばかり嫉妬した。

 それでも、読了した直後に「なんで映画を先に観たんだろう!」と頭を掻き毟った。映画を先に観てしまったためにフィレンツェやミラノ、梅ヶ丘の風景は映画のまま脳を過り、キャスティングまで映画のまま。映画を最初に観ると、あおいの人物像が理解し難い。小説を読んでから映画を観れば、あおいの心情を深く理解できて数倍は楽しめただろう。小説が映画化したら、絶対に原作を先に読む事を強固に決意した。
 
 最後は想いが通じて本当に良かった。お風呂につかりながらストーリーを思い返す。

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紙の本

約束の時間(とき)まで

2002/04/24 21:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岡野義高 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アオイはイタリアで育った。
大学は日本に帰って、阿形順正と運命の恋をする。
けれども、いま、アオイはイタリアにいる。
アメリカ人の恋人マーヴと暮らす静かな日々。
それでも心に焼きついた気持ちは時折フラッシュバックしてしまう……。

アオイはマイペースでとても静かに穏やかに暮らしている。
ジュエリー店で働き、子どものころからの親友、そしてよくできた恋人など、友だちや関わる人間は少ないけれど、けっして孤独ではない。
あとは、図書館で本を借り、散歩して、お風呂に入る。
毎日は、とてもゆったりと満ち足りているように見える。
それでも、「想い」というものは、とても強いもので、そのまま暮らしていくことを許さない。

著者は、前作「ウェハースの椅子」でも、いなくなってしまった男を想い続けながら暮らす母親とその娘についての話を書いた。
恋人を信じながら毎日を過ごすことは、とても素晴らしいし、美しいことだ。
けれども、あまりにも報われない想いに殉じようとする人は、平凡な人間にとっては、ときに狂気をもった人間のように見えてしまうことがある。
自分は、「ウェハースの椅子」を読んでいて、少しだけ怖くなったような気がした。

本書の主人公アオイは、それと比べれば、ずいぶんとバランス感覚があって、しっかりとしたオトナの女なように見える。
それでも、運命の恋人と過ごした記憶は、彼女をそのまま静かに暮らせてはいかない。
それだけ、想い、というのは強くてやっかいなものなのだ。
これは、もう、受け入れていくしかないものだ。
ひょっとしたら、著者は、そんなことがいいたかったんだろうか?

本書は、辻仁成さんも同タイトルで、男の視点から書いていることで話題を読んだ。
こちらはまだ読んでいない。
なんでも、ラストも違っているらしい。
読むのが楽しみだ。
きっと、その後は、もう一度、本書を読み返してしまうんだろうな。

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紙の本

冷静と情熱のあいだについて

2001/02/22 16:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:QOO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「もしもどこかで順正が死んだら、私にはきっとそれがわかると思う。どんなに遠く離れていても。二度と合うことはなくても。」この本の最初にある文章です。人は生涯のうちで何度このような恋ができるのだろう。時を超えて思い続ける恋、忘れられない恋を胸に別々の人生を生きる二人の約束は叶えられるのだろうか。辻仁成版の「blu」と両方読むのをおすすめします。


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紙の本

十年越しの恋の必然が感じられない

2002/07/09 20:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミケランジェラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

一ページ目の告白が最後まで裏付けられることはなかった。辻仁成と調整しながら書くというプロセスが江國香織の才能にブレーキをかけてしまったのだろうか。だけど「恋の持分はいつも二分の一」なのだとすれば、その不完全さやギャップも含めて、よくできた小説よりもリアルなのかもしれない。いずれにせよ、この小説のよさは恋の展開ではない。江國香織は無関心のベールでおおわれていた風景や空気の記憶に、はっとするほど的確な形容詞を与えてくれる。Rossoではアメリカ人の体温と、その理路整然とした行動に感じる距離に、ナイーヴな感性への懐かしさ、傷つきやすすぎる男性のうっとうしさに。うっとうしいほど暑いBluとは対照的に、冷静がRossoとあおいのキャラクターを貫いており、涼しくて心地よい。いっぽうで、言葉のわからない外国にいるときのように、軽くて、薄くて、ぎこちない単語を羅列した日常の描写は、ひとつの主題のメロディーをかなでるまでにはいたっておらず、そのクールな都会的情緒と無責任さは彼女のよさでもあるけれど、この幼稚なプロットからは特に浮いており、読み終わったあとには中途半端な印象だけが残る。

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