紙の本
心とは物質の作用である。
2005/07/02 17:58
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:関東蒲公英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
我々は試験の前に不安にかられたり、恋愛で心臓が高鳴ったり、或いは夜に眠いと感じたり、対人関係で悲しみや怒りを感じたり、興奮したり、性的な欲求を感じたりと日々心を変化させる。怪我をすれば痛いと感じるし、料理を食べれば美味いと感じたり満腹であると感じたりする。これらは全て我々の心で感じる出来事である。
しかし、「心」とはそもそも何なのだろうか。科学的に考えてみれば心とは脳内の化学物質の変化と作用という結論になる。
ドーパミン等の興奮作用を有する物質が脳で上手に働けば興奮するし、鎮静物質が働けば心が落ち着く。逆に興奮物質にせよ鎮静物質にせよ、そのバランスを崩した状態に陥れば「精神病」という状態になる。
これら脳内物質を意図的に操作するのが「麻薬」や「覚醒剤」である。こうした薬品に拘わらず、我々が日々飲用する風邪薬や鎮痛剤とて広義の意味では心に大きな変化を与えている。
上記の様な種々の事例を、どの物質が脳のどの部分に作用し、どういう感情を作り出すか。どの物質のバランスが崩れるとどの様な精神疾患を来すのか等詳細にこの本には書かれている。
また日々の栄養状態や、食事等で改善できる手軽な脳内物質のコントロールの仕方等にも一部言及している。
「あとがき」が無く、淡々とした説明で最後まで突き進んでしまうのが少々残念な所だが、脳が心を生み出す仕組みと物質の関係について興味を持った人には手軽な一冊と言えるのではないだろうか。
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身近な物質などについても書いてあって、読んでいて楽しい。
脳科学に興味のある人はぜひぜひ☆
これを読んいたら、化学の基礎的な知識が欲しくなった。
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この本の裏表紙には,次のようなコピーが書かれています.
「脳と心に快感や恐怖をもたらす薬と食べ物−なぜだか頭の冴えるときとボケるときがある.なんだか心が晴れる日と憂うつな日がある.そのとき脳ではたらいている物質は,食べ物や大衆薬を通して日常的に摂取している.脳と心の「薬」と「毒」の正体を見る.」
内容には,脳の構造から神経伝達物質のことについて分かりやすく書かれている.ノルアドレナリン,セロトニンやドーパミン,依存と禁断症状など,精神疾患に関しても,詳しく書かれているのです.
ブルーバックスという本は,難しい科学に関する内容を分かりやすく読ませる本として定評があります.文系の人でも読みやすいですよ.精神疾患に関して,特に脳の働きと精神症状との関連性を理解するときには役立ちます.
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http://ameblo.jp/norun3sisters/entry-10015842675.html
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初心者にも判りやすくシナプスな専門書。欲しい知識のところだけ読んだ。わかりやすくて面白い!カフェインのところウッキウキで読みました。
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大学の生化学や解剖生理学で習った栄養素や物質と同じものが出てきてなじみやすかったです。知っているものもあったし、こんな効果があったなんて…というものもありました。
食べたものが健康状態にかかわるということはもうよく分かっていますが
食べたものがどうやって体に取り込まれ利用されるのか、ということはまだ知りませんでした。
血液‐脳関門を通り抜けられるイオンや脂溶性物質が脳で働くことができる、ということがわかりました。
心の病気を食べ物で改善することに興味があるのですが、いくら脳に良い物質を摂ってもここを通り抜けられなければ意味がないということですね。良く覚えておかなければ!
当たり前といえば当たり前ですが、見落としそうなポイントだなと思いました。
朝食効果について。
二つ実験が挙げられていますが、ひとつは一回の朝食がどれだけ集中力を上げるかという実験、もうひとつは普段朝食をとる学生ととらない学生の間で成績を比べる実験でした。
朝食そのものに効果があるのは確かなのだろうと思いますが、「朝食をとる」という習慣が成績に影響を与えているのかもしれないと思いました。
前者の実験で、子どもたちが普段朝食を食べているのかどうかも合わせてデータをとってみたらどうなるんだろう。
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女性の方が男性よりもうつ病になりやすい。
コーヒーに入っているカフェインは1杯に200mg 程度。
不安は薬で抑えることができる。
ジャンクフードの食べすぎは脳に良くない。
亜鉛が不足するとキレやすくなる。
不安を抑える薬を飲んでいる人は酒、たばこ、コーヒーを飲んではいけない。
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脳に影響をあたえる物質や食べ物が心に与える影響などについて。
章立ては以下の通り
第一章 生きている脳
第二章 脳内物質のアンバランス
第三章 心を変える身近な物質
第四章 食べ物で心が変わる
日常生活において身近に感じられるのはやはり第三章であろうか。カフェインやアスピリンなど日常でお世話になる可能性がある物質である。特にカフェインはナシではいられない、といった人もいるだろう。
そんなカフェインが脳でどのように働き影響を与えるかというのは気になるところである。気になる人はぜひ読んでみてくださいな。
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[ 内容 ]
脳と心に快楽や恐怖をもたらす薬と食べ物。
なぜだか頭の冴えるときとボケるときがある。
なんだか心が晴れる日と憂うつな日がある。
そのとき脳ではたらいている物質は、食べ物や大衆薬を通して日常的に摂取している。
脳と心の“薬”と“毒”の正体を見る。
[ 目次 ]
第1章 生きている脳(脳と心のしくみ 心をつくる物質 ほか)
第2章 脳内物質のアンバランス(神経シグナルの正体 モノアミンのはたらき ほか)
第3章 心を変える身近な物質(カフェイン プロスタグランジン ほか)
第4章 食べ物で心が変わる(アミノ酸糖類 ほか)
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[ 参考となる書評 ]
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心は脳の働きそのものである。
千数百億個の神経細胞が細かなネットワークを形成して情報を交換している。その現れが心である。
喜びや悲しみも、悩みや判断も脳の働きである。それを生み出しているのが様々な神経伝達物質である。そういう仕組がわかりやすく書いてありとても参考になった。
好きも嫌いも、合理的も理不尽もすべて脳の神経細胞の情報交換の現れである。それが様々な物質(向精神薬)で左右されちゃうのだから、心なんて全くいい加減なものである。
あまりこだわってもしかたがないのだが、苦しい人にとっては苦しくてたまらないのだからあんまりこんなことを言うと叱られちゃうだろう。
Mahalo
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脳の中で物理的にどういうことが起こっているのかを知るために有益な本。シナプス、シナプス間隙、神経伝達物質などについて書かれている。やさしく書かれているのと、ところどころに図による説明があるため理解しやすい。
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クラフトワークとか『銀河鉄道999』あたりで育った世代のもつ「機械のからだ」への憧れを思い起こさせる一冊。
薬学における「痛み」とは、「シグナル」としての痛みであり、その痛いと感じるためのシグナルがどのように脳において処理されるのか、なぜ「痛み」を感じるのかという「仕組み」よくわかる。
ほかにも「心(気分)を変える」というのは、シグナルのやりとりを外部から調整することであることで、結局のところ「感じ方」はシグナル化できる、外部から調整可能という感じでした。とくにストレスと化学物質との関係はほとんど知らなかったので勉強になった。
あとアセチルコリンについても記述もあって役立ったのだけど、できれば最新の情報で更新したものが読みたい。
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心は脳が作り出している。そして脳神経細胞どうしのやり取りで心が作られる。その心を平穏に保たせるためにはシナプス間でやり取りされる微量物質のバランスが重要である。その微量物質はアセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、ギャバなどが代表的なものである。
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実際に効果を実感することができる面を取り上げて書かれているので日常生活において理解復習ができる。素晴らしい。