このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
収録作品一覧
虫の息 | 9-24 | |
---|---|---|
木枯し | 25-34 | |
物騒 | 35-52 |
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
隣の爺さんって、呼ばれていたって
2021/06/05 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が大好きな作家の一人、車谷長吉氏、「赤目四十八瀧心中未遂」に登場する尼崎のディープな世界に蠢く男と女、50才近い初婚同士の夫婦が飼っているカブトムシが横綱の武蔵丸に似ているという最後は悲しいお話の「武蔵丸」など魅力ある作品がたくさんある。今回読んだ作品集にも、作者そして主人公と同じようにせっかく就職しながら、失踪してしまった男(強烈な過去をこの男に聞かされてしまった主人公に同情)に出会った「漂流物」、作者の母が語る作者へのぼやき、囁き、叱責、励ましだけで綴られていく「抜髪」など面白い作品ばかりだが、とくに前述の「抜髪」が最高、作者がいじわるだからみんなから幼稚園のころ、はなさかじいさんの隣の家の爺さんにたとえられて、「隣の爺さん」と呼ばれていたというところなぞ、この人にしか書けないだろう