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レジス・ドブレ著作選 1 メディオロジー宣言
著者 レジス・ドブレ (著),西垣 通 (監修),嶋崎 正樹 (訳)
従来のメディア論の枠を超え、象徴やイメージに着目し、イデオロギー・宗教・芸術などを伝達作用から分析する、まったく新しい学問・メディオロジーを提唱する。【「TRC MARC...
レジス・ドブレ著作選 1 メディオロジー宣言
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商品説明
従来のメディア論の枠を超え、象徴やイメージに着目し、イデオロギー・宗教・芸術などを伝達作用から分析する、まったく新しい学問・メディオロジーを提唱する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
レジス・ドブレ
- 略歴
- 〈ドブレ〉1940年生まれ。フランスの思想家。ソルボンヌで博士号取得。70年代に「左翼連合」結成。ミッテラン政権で要職に就く。著書に「革命の中の革命」がある。
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メディオロジーの誕生
2000/09/04 19:39
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投稿者:サブルテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
レジス・ドゥブレ本人によるメディオロジーの最適の入門書である。読書対象は「学術書」となっているが、本書は陳腐で退屈な研究書ではない。闘う男ドゥブレによる新たな「マニフェスト」である。高等師範学校のエリートは哲学教授となる道を放棄し、ゲバラの下での南米革命運動に身を投じ、さまざまな政治的曲折を経てミッテラン政権下での外交顧問となってまたこれを放棄、ふたたびアカデミズムの世界に戻ってきた。ただし凡庸な学者としてではなく、毒に充ちた爆弾を抱えてである。
メディオロジーは、いわゆる情報社会の波に乗る流行の学問などではない。人間的事象の歴史を「メディアシオン」(媒介)や「トランスミッシオン」(伝達)の視点から包括的にとらえようという革命的思想である。初期キリスト教の形成から社会主義革命や精神分析学の設立まで、またマス・メディアやインターネットの問題まで、歴史を縦横にかけめぐる学問である。70年代末から80年代初頭にかけての『フランスの知識権力』や『書記』や『政治理性批判』の《前メディオロジー三部作》ですでにメディオロジーの問題系は提起されていたものの、そこで扱われていたのは歴史のなかで制度がいかに権力を得るにいたるかという問題であった。
その後90年代にはいって国際哲学院でブーニューとの共同セミナーを行うにあたって、メディオロジーは「技術」の問題を考え始める。メディオロジーは、政治や文化などの象徴次元の上部構造を規定する下部構造は経済ではなくて伝達の「技術」の様式であると主張するのである。『一般メディオロジー講義』や『誘惑する国家』や『イマージュの生と死』の《メディオロジー三部作》で研究される以上の問題を平明に解説するのが本書である。
ソルボンヌでの博士学位論文審査会および指導資格審査会で読まれたふたつのテクストを収める。前者(第一部)はパリに壮絶なメディオロジー論争をひきおこすきっかけとなった。ソルボンヌの哲学科と政治学科を舞台に論争が繰り広げられ、なかにはマシュレーのようにパリを去ったものもある。論争はフランス全土に広がり、最近では情報・コミュニケーション科学の側の重鎮であるマイケル・パーマーたちがメディオロジーに与するようになったことでふたたび目が離せない状況にある。
嶋崎氏による翻訳は読みやすさを重視した簡明な日本語となっている。まずはこの本でメディオロジーを知って欲しい。