紙の本
ただの推理小説じゃない。「女の本音」で著者を想像
2001/05/19 08:08
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投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わった後、しみじみと表紙を眺めてしまいました。『木曜組曲』ねぇ…。
女五人がひとつ所に集まって、告発大会ってのはひどく興味をそそられるネタでありました。しかも全員がもの書きに携わっている職業だっていうのが。これ書いているのも当然ながらもの書きさんなわけで、様々な描写を読むにつけ、「これって著者のお仕事に対する本音なのかな」と。その他もろもろ、登場人物の日常的会話の部分も楽しい。「ハードボイルド」「トマトソースパスタを得意料理に挙げる男」についての記述にはくすっと笑ってしまいました。読みながら女同士の雑談に加わっているような気分に。
…なんて思っていたら、最後のあたりでは背筋のあたりがぞくぞくっと。自分の中でキャラクターの人物像が少しずつ変貌していくのがわかって怖かった。
時子の死に関する謎というミステリの部分も存分に、さらに予想していなかった部分までしっかり楽しませてくれた一冊でした。
紙の本
木曜組曲
2001/09/13 23:36
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「うぐいす館」。そこでは亡くなったある作家の知り合いが、毎年のように集まっていた。その作家は毒を飲んで自殺したことになっていた。そして今年、館に集まった5人の女性たちは、作家の死は殺人ではなかったのかと疑問を持つ。殺人だとすれば、ここにいる全員が怪しい。いったいその真相は……。
舞台は「うぐいす館」だけで話は進むのに、最後まで一気に読ませるのはさすが。ただ登場人物全員が女性なので(死んだ作家も含めて)、いまいち感情移入できなかった。もう少し人物像を細かく書いても良かったと思う。そうすればあのラストがもっと効いてくるだろうし。女の人が読めばそんなことはないのかもしれませんが。
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耽美派女流作家の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、すでに四年。彼女と縁の深い女たちが、今年もうぐいす館に集まり、時子を偲ぶ宴が催された。なごやかなはずの五人の会話は、謎のメッセージをきっかけにいつしか告発と告白の嵐に飲み込まれ、うぐいす館の夜は疑心暗鬼のまま、更けてゆく。やがて明らかになる、時子の死の真相とは?期待の新鋭、待望の長篇ミステリー
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200409110000/
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映画も見たい。この、じわじわ追い詰められるような会話を繰り返して秘密を暴いてく展開が恩田さんの持ち味ですよね。これ、キャストを考えてくと楽しいかも…つかさを鈴木沙里奈とかにしてみたい。んーちょっと知性に欠ける、か?(失敬)
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二転三転するストーリー。
登場人物はすべて女性ですが、ひとりひとりしっかり役割付けされており、話に引き込まれました。
たしか映画化されていたはず。それも気になる。(2003.6.3)
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映画化もされた作品です。
個人的に、恩田陸作品の中では割と万人受けしやすい作品ではないかな、と思います。恩田作品は時々とても幻想的で、少女趣味というか、そういう部分が強いんですが(私はそこがとても好きなんですが)、これはそれほど強くないかと思います。
この本を読むと女性のしたたかさというか、そういうものを感じます。これが男の人だったらこういう話にはならないよな、と思う。
そんでもって、物凄くお腹が空く小説でもあります。
ポトフを始めとしたディナーと美味しいお酒たち。
デザートに紅茶。
時子を殺した犯人も気になるんですが、出てくる料理も気になる。
ポトフとか本当においしそうなんですよ。
読み終わった後、思わずスパゲティを食べてしまいました(笑)
機会があったら映画も見てみたいなあと思う。
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四年前のある木曜日に毒物死した女流作家重松時子。
その時その場に居合わせた 五人の女性達。
その木曜日を挟む三日間 毎年その場に集う彼女達 それぞれの胸に秘められたものとは_。
結局 時子の死のわけは何だったのか。
ぐるぐる巡る 意識の底の殺意と必然かもしれない偶然の帯は 先へ先へと進むだけだ。
死のわけが解かれなくても
個性の違う五人の女性達の心の動き様が興味深く 引きずりこまれた。
高まる期待を 次々に裏切ってくれるのも 恩田さん流か。
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耽美派女流作家の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてからすでに4年。彼女と縁の深い女達が、今年もうぐいす館に集まり、時子を偲ぶ宴が催された。なごやかなはずの五人の会話は、謎のメッセージをきっかけにいつしか告発と告白の嵐に飲み込まれ、うぐいす館の夜は疑心暗鬼のまま、更けてゆく。
やがて明らかになる、時子の死の深層とは?
確か映画化もされていたと思います。女の闘いという感じ。頭の良い女達のかけひきの空気に酔います。
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恩田作品によく登場する美少年たちを描いたときとはまた違う、女だけの生々しい世界に新鮮さを感じた。屋敷を舞台にした話としては「ネバーランド」の数倍は面白い。前半ちょっとテンポの悪さを感じたが、後半にかかるにつれ止まらなくなった。
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映画化もされた作品。出ている女優さんたちがすごく豪華。
恩田作品は初めてだったのだけれど、面白かったです。本作は登場人物が皆女性なので、女性の描かれ方を楽しむのもまた面白みのひとつかも。あと読んでるとお腹が空いてくるのは自分だけでしょうか?(笑)
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ある有名女流作家がなくなった後、彼女を慕っていた女性5人が毎年集まる「うぐいす館」
女流作家の「本当の」死因は?・・
と物語が進んでいくのですが、なにより彼女達の食べっぷり・飲みっぷり・生き様。それぞれがすごくかっこいい。
ミステリーが苦手な人にもおすすめだし、なにより女の人に向いている本だと思う。女性特有のドライな感じが楽しめる。
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登場人物全員が物書きというのが面白い。それぞれの台詞から作家の考える"作家"の姿が窺えてそれが興味深いです。恩田ミステリの中では地味ですが好きな作品。
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ある大女流作家が死んだ。彼女が死んだ時、そばにいたのは4人の女たち。妹、姪、いとこ、彼女の編集者。彼女を殺したのは一体誰だ!犯人は見つからないまま、数年の時がすぎる。そして、再び彼女の死んだ屋敷に集まり、女たち4人だけの犯人探しが始まる。
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今は存在しない。けれど、類稀な影響力を以って舞台に大きく影を落としている人。この作品の重松時子であったり、理瀬の祖母であったり、はたまた「サヨコ」であったり。恩田さんはそういう「影の支配者」(?)を描くのが上手いと思う。 希代の作家「重松時子」の亡くなった館で、毎年木曜日をはさんだ数日間をすごす5人の女。彼女らはみな文章を書くのを生業にしており、また5人中4人が時子の親戚だ。 この因縁ある舞台で明かされるのは過去の真相。今何かが起きているわけではない。なのにこの緊張感は何故だろう? 味のある人物と美味しそうな料理(重要)、そして時子の死の真相。極上のミステリ。■関連作■「木曜組曲」(映画)DVD絶賛発売&レンタル中。
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全員なんらかの形で物書きに携わる女性達なので
腹の探り合い・心理戦が一味違ってます。
ずけずけものを言っても嫌みでないキャラクターたちのやりとりが
なんと言っても楽しいし、気持ちいい。
女って怖いよねぇ(笑)