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紙の本
日本情緒あふれる官能の世界
2002/06/14 00:35
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
官能小説というものは、えてして下品だったりえげつなかったりす
るところが好みではなく、あまり親しんではいないのである。しか
し、女流作家藍川京の処女作『華宴』は、その風情のある雰囲気に
おいて稀有な存在だとの話をネットで目にして興味を持ち、手に取っ
てみたのだった。
解説の題名に「典雅なエロティシズム漂う官能絵巻」とある。これ
はまさにその通りの作品で、日本情緒あふれる伝統美の世界に、妖
しい官能の世界が繰り広げられる物語である。かなり直接的な描写
もあるのだが、品のある言葉を用いて卑俗なところを排し、あくま
でも優雅で上品な、雅やかな耽美と官能の世界を作り上げている。
女性的な作品——と言ってしまって良いのだろうか、女性作家の藍
川女史が自分のためだけに書きつづった作品だとのこと、女性に親
和性が高いかもしれない。官能小説に接することのない人にもおす
すめしたい秀逸な作品である。