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悪魔と詐欺師 (講談社ノベルス 薬屋探偵妖綺談)
著者 高里 椎奈 (著)
喫茶室で毒死した男、マンションから飛び下りた会社員、列車事故で死んだプログラマー。これらの事件には全て「共通点」があった…。深山木薬店の3人組が活躍する「薬屋探偵妖綺談」...
悪魔と詐欺師 (講談社ノベルス 薬屋探偵妖綺談)
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商品説明
喫茶室で毒死した男、マンションから飛び下りた会社員、列車事故で死んだプログラマー。これらの事件には全て「共通点」があった…。深山木薬店の3人組が活躍する「薬屋探偵妖綺談」シリーズ第3弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
高里 椎奈
- 略歴
- 〈高里椎奈〉1976年茨城県生まれ。芝浦工業大学機械工学科卒業。「銀の檻を溶かして」で第11回メフィスト賞受賞。他の著書に「黄色い目をした猫の幸せ」がある。
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紙の本
じっくり読みたい…
2003/11/25 08:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
——「当ててごらん。これらの事件には、共通点がある」喫茶室で毒死した男。マンションから飛び降りた会社員。プログラマーは列車事故で死に、書店員の娘は手首を切った。だが、それらはすべて解決したはずの事件だったのだ。そこに「なにか」の意志が働いていたというのか——?
人気シリーズ第四弾です。
今回は前の事件で知り合った寺の息子や、彼のペット(イグアナ?)、レギュラーになりつつある刑事たちがふんだんに活躍していて、とても楽しい。
このシリーズの魅力はリベザルの成長と、秋の機知に溢れるセリフだと思うのです。
『先生、生徒、校舎、校則、これらが同集合であるルールは? 「この集合は学校である」ニ値論理です』
二値論理とは、真偽が確定している0か1かの論理である。ここから校舎、校則が外されると塾や習い事の教室であるかはっきりしなくなるけれど、答えは確実にあるわけで、これは多値論理…軽く読み流すことができなくて、読むほうの頭もフル回転です。
また
『見て分からない?』
『ヘラ、そこまで馬鹿じゃないもん』
ただの生意気なセリフのようですが、この場合は
見れば分かることをわざわざ訊いて時間を費やすほど馬鹿ではない、という意味。己の至らなさを認めたうえでの、自尊心に満ちたせりふとなっています。
状況に応じて、言葉の意味ってまるで違ってくるのですね。
こんな風に、せりふの一つ一つまで気が抜けない。
秋の夜長にじっくりと読みたいミステリです。
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シリーズの本質的作品……か?
2002/06/07 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりまともなミステリだった前作に比べ、この第三弾は一転して娯楽小説的な展開をする。主人公ら妖怪に、悪魔に、夢魔に、幽霊までもが総出演。例えるなら『ゲゲゲの鬼太郎』のよう(もちろん褒め言葉である)。
ミステリ色が薄くなった分キャラクター達がかなり自由に動き回っていて、ラストも前二作に比べれば強引さも薄れて納得しやすい。非常に切ないラストは心地よいくらいだ。
本格ミステリを期待していた人には気の毒だが、本作は見事な妖怪小説。もしかすると、本作こそがシリーズの本質を表しているのかも知れない。
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知らなければよかった
2002/04/03 12:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:冴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
薬屋探偵妖綺談シリーズ、第3弾です。
痴情が原因で毒殺された外科医、地下鉄で事故死したプログラマー、自宅で自殺したツアーコンダクター、昼食を喉に詰まらせて事故死した総合病院院長、躁鬱病が原因で自殺した書店員復讐で殺害された介護福祉士。すべて解決している6件の事件。
警察官・高遠の元に届いた不可解なメール。「当ててごらん、これらの事件には共通点がある」。「…お前、誰だ?」渇いた喉から発した声。
これらの事件に隠されていた、驚くべき事実。すべてが明かになったとき大きな衝撃があなたを襲います。知らなければ良かったと『彼』が思ったとしても、すでに起こってしまった事をなかったことには出来ない。
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ミステリ色が薄くなったような…
2002/05/08 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずね - この投稿者のレビュー一覧を見る
薬屋探偵シリーズの3作目です。今作品は、前の2作に比べて、少し趣が違うなと感じました。もう解決済みの6つの殺人事件が実は、何らかの共通点があった…
今回は、主人公達3人の活躍よりもちょっとした縁で知り合った警察の人達の活躍の方が目立ったような気がします。途中からは、別路線でのストーリーも進行し、どういう展開になるのかつかめなかったのですが、最後で納得。でもこれは、妖怪達だから出来る事なのでは??と ちょっと思ってみたり。ミステリだと思わなければ楽しめるんじゃないかな?と思いました。
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読者層が限定された気がする
2001/09/19 13:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:梶原那穂子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ターゲットとする読者層が限定された気がする、というのは穿った見方なのでこれ以上言及しないが、一部の読者が異常に喜んだのは事実。
9月10日、刑事・高遠三次がお見合いの為にやってきた京都のホテルの喫茶室で、暇つぶしにコーヒーでも飲もうとした高遠の目の前で一人の男が毒死した。10月6日、大小寺の長男・高橋総和が海外旅行を前にいろいろ相談しようと、旅行代理店に就職した先輩・三木有介に会う為に彼のマンションを訪れた時、総和はマンションの屋上から落下する三木の姿を目撃する。10月24日、「妖怪雑事相談所」でもある深山木薬店に、サクバスのヘラが相談を持ち掛けてくる。彼女の現在のエサ場は相模原にある永康総合病院だが、先日、院長が亡くなってから、患者の眠りが深くなってしまい、夢を見なくなってしまった。11月28日、久我山で15年前の殺人事件と同じ手口で一人の女性が殺された。——一見無関係に見えるこれらの事件に、実は共通点があると警察にタレコミがあった。全て解決したはずの事件ばかりだが、それらの影にどんな意志が蠢いているのか。
これまでの作品に比べ、ミステリ的にかなり面白かった。これなら、何処に出しても恥かしくないだろうし、こういうミステリがあっても良いと言わしめられよう。オチはある意味、二重の衝撃。伏線があった方が良かったのか、無くて良かったのかは、フェアでないかもしれないが、無くて良かったと思う。キャラの動かし方は相変わらず巧い。これからもどんどん掘り下げていって欲しい。