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紙の本
仏教の開祖・釈迦の生涯をえがいた大作
2001/06/13 15:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キーボー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ブッダ」は、巨匠・手塚治虫が釈迦の一生をえがいた大作だ。
釈迦はもちろん仏教の開祖である。だが、釈迦の生涯やその教えである仏教についてはあまり知られていないのが現状だ。
それどころか、仏教によって人々を救うべきお坊さんが、葬式でお金を稼ぐことにのみ情熱を燃やしているということが一般的になってしまっている。
非常に残念なことだ。仏教は人間が苦から解放され、心安らかに生きるための教えである。閉塞感が漂い、環境問題、戦争、経済などにおいて地球規模の問題を抱える現代社会においては特に、仏教が必要とされているのではないか。
とはいっても、仏教や釈迦の生涯についての親しみやすい本が少ないことも事実だ。
この「ブッダ」は、何よりも面白い。ストーリーをふくらませるためにフィクションも加えられているが、それがかえって釈迦という人物の魅力を高めていると思う。
そして、仏教のエッセンスがたくみに織り込まれている。「ブッダ」を読むことで、仏教が堅苦しくてつまらないものではなく、すべての人の生きる指針となる、実践的な教えであるということに気づくはずだ。
釈迦という宗教上の人物を題材にするには困難が伴ったはずだ。手塚治虫はそれを乗り越えて、エンターテインメント性を保ちつつ、釈迦の魅力を伝えるこの壮大な物語を生み出した。手塚さんの偉大さに感服するばかりだ。