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紙の本
人間は怪物になりえるのか?
2006/03/27 21:54
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kou - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の命は平等だ——
1986年。ドイツの病院で天才脳外科医と評価の高いDr.テンマは、ある事件をきっかけにそう信じられるようになった。そして頭部に銃撃を受けた少年・ヨハンの命を、遅れて運び込まれてきた市長より優先して救うが、その少年は、手術後すぐに双子の妹・アンナを連れて姿をくらましてしまう。
10年後、東西統一後のドイツでは奇妙な連続殺人事件が起きていた。その一連の事件を引き起こしているのがヨハンで、自分がモンスターを甦らせてしまったのだと知ったテンマは彼を追うが…?
これの感想は、なんだかとても難しいので飛ばしてしまおうかとも思ったのですが、紹介せずに済ませるのは勿体なさすぎる作品なので、つらつらと思ったことを書いてみました。
ヨハンを追ううちに、彼を生み出した旧東ドイツの孤児院511キンダーハイムで行われていた恐るべき実験や、その実験に関わっていた人間たち、またヨハンと同様に実験の被験者とされていたかつての子ども達のことが明らかになってきます。 実験で、子ども達は記憶を奪われ名前を奪われ、代わりに非人間性を植え付けられる。その最高傑作とも言うべき存在がヨハンだった訳です。
テンマをはじめとして、失っていた記憶を取り戻したアンナ(ニナ)や、511キンダーハイム出身のフリー記者・グリマー、ドイツ連邦捜査局のルンゲ警部らを中心に、道中に関わった様々な人々との出会いをも描きつつ物語は進んでいくのですが、この作者は、本当に人間を信じているんだなぁというのが、その端々から窺えます。
登場してくる人たちは、重要人物も脇役も、みんなそれぞれ悲惨な過去を背負っていたり、裏街道を突っ走ってきて非人道的なことも沢山行ってきていたりするのですが、それでも彼らはどこかに暖かいこころを持つ人間なのだということを度々手を変え品を変え描いているんです。その“人間的”な部分に光を与えて照らし出すのがテンマという存在なんですね。
そういう意味では、悲惨で恐ろしい過去が描かれていても、どこかで安心して読めるお話でもあります。
そして、そのテンマですら救いきれなかったのが、彼の双極に位置するモンスターとして造り上げられてしまったヨハンなのです。そのヨハンの絶望と、最後の最後で人間に立ち戻ることのできたグリマーの涙との対比が、静かに胸に響きました。
かなり長いし、お話も非常に複雑、しかもテーマも深い物語なので、時間のある時まずは一気に、その後じっくり読み返してみてください。
ちなみに物語の一番最後、あの読者のご想像にお任せします的な終わり方、結構好きだったりします。
紙の本
もうひとつのモンスター
2003/08/27 22:16
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:氷室駿河 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ、コミックは読んでいる途中ですが。
最終回を読むのが、怖いです。
ノンフィクションなのではないかと錯覚してしまったほど、
もうひとつのモンスターは、真に迫ったものです。
読み進むのが、怖いほど。
本当に、モンスターな作品です。
紙の本
やっぱ天才!?
2002/06/24 21:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひとみんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言えば浦沢直樹は天才です!! 本当に。楽しすぎるっ! 読んだら最後、もうどっぷりつかっちゃう。謎が謎をよび、すべての謎はつながっている!! 今まで読んできた漫画がとても低レベルに見えてきちゃう。それくらいに楽しいんです!! はめられたと思ってぜひ読んでみて! 少女漫画しか読まないという人も!
紙の本
モンスター
2001/06/24 04:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:maroni - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンスター。それは人の心に住みついた闇なのかもしれません。その闇はいつ生まれ、いつ消えるのか…。それは最後まで先が見えない…。
紙の本
なまえのないかいぶつ
2001/01/31 04:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よしひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツで働く医師Dr.テンマ。「人の命の重さに上下などあるのか?」ふとしたことからこの疑問にかられる。そして、市長より先に運ばれてきた子供を救ったことから彼の人生は狂い始める。そして次々と彼のまわりで起こる殺人事件。それによって利益を手に入れたのはただ一人。そうDr.テンマ。警察は彼を疑う。いったい誰が? なんのために? 自分の地位を捨て犯人を探すテンマ。犯人は意外にも… そしてその背景には…
読み始めたとき重い本だなぁと思い、自分には向かないかなと思った。しかし読んでいくとどんどん引き込まれていった。人として一番つらいことはなんなのか? それは自分という存在を知る人が誰もいなくなってしまうことではないか? 名前などかざりにすぎないということを思い知らされる。