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紙の本
あの時の「好き」はなんやったんやろう
2001/06/11 11:55
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投稿者:吉野桃花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「つきあう」って、どういうことじゃろう? うちは何をしたいんじゃろう?いつも、なんでやろう?、なんなんじゃろう?、と思いつつ、過ぎていった高校生の日々。
「かよちゃん」とおんなじように、うちも、家から電車で20分、という田舎のなかの田舎という町から高校に通いよった。高校のある街は、その半径20km圏内じゃあ一番の街で、自分の、そして家族の田舎臭さに、嫌気がさしちちょった。
高校に入って、はじめて男の子をかっこいいと思うた(それまでは軽蔑の対象)。すぐに、同じクラスの男の子を好きになった。「紺野くん」みたいな髪型で、ぼそぼそ喋って、目つきがわりぃでこえぇ、と女の子から言われるような男の子やった。
目がおうただけで嬉しかった。一日、一言もしゃべれんかっただけで、この世の終わりみたいに悲しかった。あの時の「好き」は、なんやったんやろう。
今の状態が、つきおうとるちゅうことなんかようわからんまま、「もうだめじゃ。嫌われた。別れた。」と思うたり。その日、いっぱい話せたことが嬉しくて、帰ってから母親に「お母様あ〜」とか呼びかけてみたり。あの、高校の校舎が、放課後の教室が、よみがえってくる。
今、冷静に考えれば、アホくせーんやけど、あの時のリアルな気持ちがここにある。つまらんことで、嫌われちょーと思うたり、好かれちょーと思うたりする、ジェットコースターみたいな、あの気持ちの動き。
私は、あのどうしようもない気持ちを抱えた時期を、田んぼばっかりのあの景色の中で過ごせたことを幸せに思う。夕暮れの山を見て「綺麗やなあ」と思うたり、どんよりした天気のグレーの海を見て「なんもいいことねえ。つまらん」と思うたりしたことを、忘れない。今、それがとても愛しい。
全編、ばり山口弁のこのマンガを読んで、里心がついてしまった。私は大分で、微妙に違うけど、「そうっちゃ。こん気持ちは、こん言葉でしかあらわせん!」というところが多々あって(ちゅーかほとんどと言っても過言ではない)、ラスト2巻は泣きながら読んだ。
紙の本
方言が絶妙な味わい!
2001/11/02 22:54
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投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎の高校生の純朴で、時にせつないストーリー。方言がそのまま使われていて味わい深く、読み終わった直後は、方言を使って考え事をしていたぐらいハマってしまっていた。