バナナブレッドのプディング （白泉社文庫）

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：owls　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

友人にすすめられて、読んでみました。甘いタイトルと、ほんわりした絵につつまれてますが、甘くない・・・。繊細で言葉にしづらいところが描かれていて、心のおく、忘れ去っていたことに触れたような感じがしました。多感な思春期の頃に読みたかった。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：Ｊyun　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトル作品はかわいらしくも壊れやすい女の子の話で、精神世界、それも狂気に近い心情を巧みに表現しています。はっきりと言葉にしたら消えてしまう、その感情に気がついてただ目を凝らしただけで跡形も無くなってしまうような感情を、大島弓子独特のタッチと文章でやさしくすくいあげた作品です。
また、同時収録の「パスカルたちの群れ」はひたむきな恋をする男の子たちの話で、こちらも秀逸です。　
とにかくふんわりとかわいくて、それでいてちょっとホモで、その辺も大島弓子らしいですね。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：イオ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

表題作を含めて、収録作品のすべてがよかったです。とくに「バナナブレッドのプディング」は、主人公・衣良ちゃんに共感できる部分がたくさんありました。「パスカルの群れ」、「草冠の姫」、「ヒー・ヒズ・ヒム」すべて大好きです。お姉さんのドレスのこともあるのか、結末部の衣良ちゃんのネグリジェもきっとまっしろだと思って、孤独って黒に限らないよね、ということをぼんやり考えたりしていました。まっしろなドレスのような、とっておきのブックカバーをかけて持ち歩いています。何度も何度も読み返しており、わたしの人生のお守りのような作品です。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：うたた寝　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

不朽の名作。
心の灯台。
少年少女の心が今も息づく幻の花園。
今は大人になった自分が読めば数十年を遡って当時に戻れる。
名作の持つ力。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：beni　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品、主人公の衣良と正に同年齢のときに読んだせいか
衣良の気持ちにダイレクトに共感した。

年降りたいま読み返すと、こういうテーマであの時代、
一つの作品に仕立てた大島弓子は天才だなと思う。

読むと相変わらず、衣良と一緒にどきりとしたりハラハラしたりするが
それはもう一歩も二歩も離れた、客観視できる大人の感覚なのが自分で分かる。
年を食ったことを感じるのも、また面白いが。