- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.10
- 出版社: 美術出版社
- サイズ:26cm/229p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-568-50198-9
紙の本
マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論
アメリカのコミック・アーティストがマンガをマンガとして真面目に分析した、洞察力に富む漫画論。メディア論としても日本論としても深読みできる、漫画をより深く理解するための完全...
マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論
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商品説明
アメリカのコミック・アーティストがマンガをマンガとして真面目に分析した、洞察力に富む漫画論。メディア論としても日本論としても深読みできる、漫画をより深く理解するための完全攻略本。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
マンガを語る時のスタンダードにもなり得る本だと思います
2005/08/24 23:14
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
これこそマンガ学だと思います。タイトルがそうだからというわけでなく、マンガで表現されているからでもなく、マンガをマンガとして捉えようとしているところが何より素晴しいと思います。
従来からあるマンガ評論はどうしてもストーリーないしテーマに重点が置かれていました。キャラクターが論じられることもありましたが、それもあくまでもストーリーの中の登場人物という見方が多かったと思います。
確かにマンガ、特に日本のマンガの特徴はそのストーリー性にあります。他のメディアでは取り上げられていなかったテーマやストーリーを積極的に取り上げて、ただのお笑いマンガを大きなメディアに成長させたのは確かなことです。そこには、やはり手塚治虫の存在が大きかったのだと言わざるを得ないでしょう。それ故に、マンガを語ることはそのストーリー性を語ることだと思われてしまっている面が否めません。
しかし、マンガはあくまでもストーリーを絵で表現することで何らかのテーマを訴えるものだと思うのです。だから、ストーリーだけでなく絵についてもきちんと評論することが大切なのだと思っていました。日本のマンガ評論にもそのような立場から語られているものが見受けられるようにもなっていました。
ところが、この『マンガ学』です。最初から絵としてのマンガをいかに捉えるべきかというところから語られています。目次を見てみましょう。「マンガの記号論」「コマの隙間に何がある?」「時間と空間の認知科学」「描線の生態観察」といった章が並んでいます。あくまでもマンガを「描かれたもの」として捉えようとしているわけです。もちろん、後半にストーリーの話も出てきますが。
こうしたマンガ評論は、やはりアメリカ人だから出来たのかなあと思います。それでも、日本のマンガ評論にも必ず応用できることだと思います。この本で語られているような視点を持ったマンガ評論が出てくるのを待ちたいと思います。