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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.6
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:20cm/279,8p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-309-25128-5
紙の本
円の歴史 数と自然の不思議な関係 (Kawade new science)
著者 アーネスト・ゼブロウスキー (著),松浦 俊輔 (訳)
丸いタイヤの車に乗り、100円玉を使い、ビンの丸いふたを開ける。丸いものは思い浮かんでも、本当の「円」は実際には存在しない! 身近な丸いものがなぜ大きな役割を担っているか...
円の歴史 数と自然の不思議な関係 (Kawade new science)
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商品説明
丸いタイヤの車に乗り、100円玉を使い、ビンの丸いふたを開ける。丸いものは思い浮かんでも、本当の「円」は実際には存在しない! 身近な丸いものがなぜ大きな役割を担っているかを、様々な事例で解明。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アーネスト・ゼブロウスキー
- 略歴
- 〈ゼブロウスキー〉バトン・ルージュにあるサザン大学の数学・科学教育の教授及びペンシルバニア州立ペンシルバニア工科大学の物理学教授。
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紙の本
たまにはこういう本を読んで賢くなった気分を味わおう
2001/11/18 09:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニッポンには「文系/理系」という「性別」とか「人種」,「宗教」や「偏差値」に負けず劣らず強固に根付いた人類分類の方法がある。いやもしかしたらニッポンだけではないのかも知れないが,少なくとも私の見聞した範囲の諸外国では,ヒトが自分や他人をそういう風に分類するのをついぞ聞かない。数学には興味がない,とか文学が趣味ですとかいうのはあっても,例えば小説を読まないことや計算が苦手なことに「ボクは理系だから」「あたしは文系なのよ」みたいなエクスキューズが存在するのはニッポンだけではなかろうか。便利だろうけどね,実際にはバカであることの婉曲な表現だろうが。
ともかく,私の意見では,この「文系/理系」というのは「まだ年端もいかぬ16,7の子供が深い考えもないままどっちを選べば楽に大学に入れそうかな,と考えて決めただけの帰属意識」である。そんなもの振り捨てて,例えばこの本を読んで欲しい。
もちろんこの本には……えっと,ここに書き写すのはフォントとかの問題で大変なのでやらないけど「数式」というのが沢山出てくる。が,著者はまえがきで「それは飛ばして読んでもかまわない」と書いているし,かく言う私も第10章のハイゼルベルグの原理あたりになると式を見てもチンプンカンプンなんだが,説明の方はよく分かる。最初の方の,円とコロ,車輪の話など,小学校で円周率を教える時にこう教えてくれていれば,と思うような名講義だ。なかでも第7章,プトレマイオスの周転円がその合理性を問われ,コペルニクス,ケプラー,ガレリイらによって正されて行くその過程では,目から落ちるウロコの音を確かに聞いた。そりゃ妙なる調べでっせ。
「わたしは文系,そういうことは分からない」と食わず嫌いをしないで,たまにはこういう本を読んで賢くなった気分を味わおう。昔と違って,ほんとに分かったかどうか,テストされることはないのだし(笑)。
紙の本
円をめぐる数学と物理と技術についての歴史の本
2000/07/13 00:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学時代にやった数学や物理がちんぷんかんぷんで楽しめなかったという人でもこの本ならその意義を楽しみながら理解できるだろう。例えば、プトレマイオスの周転円は惑星の運動のフーリエ変換だ、という指摘なんかはなるほどと思う。
本書は「円」という図形をめぐる数学と物理と技術についての歴史の本だが、トピックス的に面白い話を並べているので読みやすい。また、随所に数式が出てくるが、数式がダメな読者でも著者が科学史家としての本領を発揮している部分を十分楽しめるだろう。古代文明ではコロはよくあるのになぜ車輪は少ないのか、というのが純粋に技術的な理由だ、なんていう指摘とかは思わず納得してしまう。
WEB情報によれば(*)著者は災害による市民社会の成立なんかを研究している研究者らしく、そっちの方の本(**)も一冊書いているらしい。是非、そっちも読みたいものだ。また、訳者は「科学がきらわれる理由」(***)の翻訳者である。訳は快調で、読みやすい。
(*) http://www.psu.edu/sts/people/z/zebrowski.html
(**) Perils of a Restless Planet (Cambridge Univ Press, 1997)
(***) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01451371&volno=0000