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ターン(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.9 320件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2000/07/01
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/426p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-137322-1
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

ターン (新潮文庫)

著者 北村 薫 (著)

ターン (新潮文庫)

724(税込)

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みんなのレビュー320件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

あまりに爽やかな幕切れ

2000/09/27 15:09

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みさわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 北村薫が女性作家と思われる事が多いのには、当初覆面作家で正体不明だったことや、多くの主人公が女性であるばかりではない。
 北村薫の文章にとても繊細な女性らしさが感じられるからだ。

 さて、この「ターン」という小説、ネタバレしないで何処まで書く事ができるだろうか? しかし、この小説の魅力は“ネタ”にあるのでは決してないので、ネタが割れてから、再読・三読してもきっと物語の深みを充分に味わえるだろう。

 この小説の第一の特徴はそのスタイル。人称である。「私」が語り手となる一人称小説でもなく、“神の目”から描く三人称小説でもない《二人称小説》。主人公は「君」と呼ばれ、呼んでいる本人は「私」である。しかし「私」は作者でも読者でもない。
 これがこの小説の特徴であり、そしてカギである。計算され尽くした文体!

 物語中盤、思いがけない世界へ迷い込んだ主人公は元の世界へと通じる一本の線を手にする、そしてこの静かな二人称の文体に“ぶれ”が生じたときに物語り全体にもおおきな“ぶれ”が生まれ、ダイナミックに話が進展する。

 そして大団円を予測させて終わる結末の「瞬間」のなんと爽やかなことか。

 「女性らしい繊細さ」とはどういうものか?と聞きかえされれば答えに窮するが、この繊細な文章をもって北村薫が女性作家と間違えられることが多いことの証左とするのに異論は少ないのではないかと思う。

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紙の本

二人称小説の読み方

2001/02/12 12:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『スキップ』に続く、《時と人》シリーズの第二作である。本作品は以前に、直木賞の候補作にまでなった。残念ながらその時は『直木賞該当作なし』ということで決着してしまったのだが、この作品の先進性とレベルの高さはうかがい知る事ができる。ちなみにその時に候補作だった他の作品には、後に『柔らかな頬』で直木賞を受賞することになる桐野夏生の『アウト』や、日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『バガージマヌパナス』の著者・池上永一の『風車祭(カジマヤー)』などがあった。
 北村薫には『円紫師匠と私』のシリーズや、前作の『スキップ』など、一人称の作品が多い(覆面作家シリーズは一人称に見えるが、実際には「私は〜」という文章は出てこない。そこがまた素晴らしい)。だが、この作品は珍しくも何と二人称で語られるのだ。三人称の間違いではない。君は〜 という書き方には初めのうちこそ面食らってしまう読者も多いかもしれないが、読み進めるうち、その書き方こそがこの作品世界を構築するかけがえのない要素の一つである事に気がつくだろう。

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紙の本

優しくて透明感に満ちた作品

2001/05/24 19:54

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごろんちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「スキップ」に続く<時と人三部作>の第二作目。とはいえ、物語自体に関連性はないので、この作品から読み始めても何の問題もありません。

 ものすごい話題になったスキップは、個人的には平均点よりちょっと上程度の評価しかできなかったので、あまり評判にならなかった「ターン」のほうは、なかなか手を出すことができずに今日まで来てしまいました。けれど読み終わった今、2000年中に読んだ本の中では、三本の指に間違いなく入る作品となりました。

 時をテーマにした作品は、深く考え過ぎると、物理的迷路に陥って物語そのものを楽しめなくなってしまうことがあります。この作品も、あまり深く考えすぎると、じゃあこれはどうなるの、あれは??となってしまう部分がありそうな気がするのですが(←考えないで読んだので、確信はもてませんが)そういう重箱の隅的な読み方でなく、北村薫の世界にどっぷりと身を預けつつページを繰りました。

 冒頭部分、いきなりの「二人称」に一瞬戸惑いを覚えたのですが、なんとなんとここからすでに物語の伏線がはられていたのです。このあたりの構成の妙は、まさしくプロの技です。

 SFのような、純文学のような、それでいてミステリーでもあって、恋愛小説でもある……、なんとも分類の難しい小説ですが、相も変わらず優しくて、透明感に満ちた北村薫の世界がここには広がっています。終盤に登場する「柿崎」なる人物にやや難を感じなくもないのですが、そこを差し引いても十分に素敵な物語でした。どうしようかなぁと思っている人は、とにかく読んでみて下さい。

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紙の本

牧瀬里穂はイメージどおり

2001/11/07 20:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:がんりょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 映画化されたということで読み直してみた。
 同じ一日を繰り返すという、不思議な世界に入ってしまった主人公は、よく転ぶ20代後半の版画家。映画で主演している牧瀬里穂のイメージぴったり。映画も見たくなった。

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紙の本

別世界のようで実は...

2001/12/20 18:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポッケ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まったく別世界の話と思ってたんですが、読んでるうちに自分と重ね合わせるとこがでてくるような、不思議と没頭してしまう話でした。というのは、主人公のように同じところにもどされることはなくても、同じような毎日をなんとなくすごしている時が多々あるからです。昨日の風景なのか? もっと前のことだったのか? と思い出せないほど毎日おなじようにすごしてないですか?? 前に進もうとおもえばいつでも進めるし、新しいこともできる状態にあるくせにそれに気が付いてなかった...そんなことを考えさせられるような本でした。主人公と年齢が近いせいもあるかもしれなせんが。
 ただ1つ、最終的に恋愛の話になっていたような? というのはどうかと思ったので1つ減らしました。

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紙の本

ターン、ターン、またターン

2002/04/17 08:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公が善人すぎて物足りないと、前作「スキップ」の書評のところで文句をつけたのだが、本書もそれは同じ。少女マンガのヒロインみたいな主人公なのだ。ものすごく前向きで。だから今回はあえて、ファンタジーあるいは童話として読んだ。そう思って読めばそこそこ楽しめる。

同じ一日を何度も何度も繰り返すことになった主人公・真希。その世界には彼女ひとり。元の世界には戻れるのだろうか? 延々とターンする日常。自殺まで考えた。しかし150日目を過ぎたある日、突然電話が鳴った…… 

後半になって典型的な「悪人」が登場するのだが、これがすごくイヤなやつに見える。主人公がむちゃくちゃ善人だから、そいつの悪人ぶりがより際立つという仕組み。その辺は「スキップ」よりもリアルで良い。

「同じ一日が繰り返される」という話は他にもいくつかある(らしい)。僕が知っているのは西澤保彦の「七回死んだ男」ですね。これはミステリで(ドタバタコメディ要素もあり)、本書とは似ても似つかない。よく考えると「同じ一日が繰り返される」なんていう設定は、笑い話にしかならないはずなのに、それを美しい恋愛話にしてしまうんだから、北村薫はやはり凄い。

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紙の本

くるりんに取り残されたヒロインの行方は?

2002/07/01 20:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

時の流れから取り残されて、自分だけが同じ1日を延々と繰り返すことに
なったとしたら?
しかも、正常な時を過ごす人は、どんどん先に行ってしまうから、
この世界には、ただ自分1人だけ。
自分以外の生き物の気配すらない。
ある日突然、そんな世界に放り込まれたとしたら?
孤独と絶望。
やりきれない思い。

何をしても、何を作っても、持ち時間は24時間。
ごご3時15分には、前の日の状態に戻ってしまうなんて。
そんな状況で、何をする気になれるというのでしょう。
自暴自棄になって、生きる気力だってなくしちゃいます。
自ら命を絶つことだって考えるでしょう。
究極の最後の手段。
でも、それでも、また元に戻っていることに気付いたら?
それを考えたら、怖くて試して見る気になんてなれないんです。
だって、それで失敗したら、永遠に時の牢獄に閉じ込められてしまったことを
認めるしかないのですから。

そこへ、奇跡のようにつながった「本来の」世界からの1本の電話。
その電話の主が、そんな突拍子もない話を信じてくれる保証なんてなくても、
それにすがる以外に道はないんです。

そして、明かになっていく驚くべき事実。
それは運命なのか?
約束の人と、そんな形で出会ってしまったのか?

真実の想いは、すべての障害を越えて蜘蛛の糸のように2人を結んだのでしょうか?
信じても、いい、のかな…。

何より大事なのは、希望を持って前に進もうとすることだから。

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紙の本

まず何をすべきか

2002/07/02 09:55

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:HRKN - この投稿者のレビュー一覧を見る

単調な日常の繰り返しを打破するのは、結局はその人本人の気持ちの持ち様でしかない。そんなことを、読み終わった後に強烈に感じた。最後の急展開は、自分の気持ちを直視できれば全てはシンプルだというメッセージなのだろう。進むべき道、やるべきことを認識した人間は強く、勢いに満ち、美しい。

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紙の本

毎日が同じ日

2002/07/18 21:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 誰もいない世界で 同じ毎日を過ごす…想像すると気が狂いそうになる。だけど実際にそんなことが起きたらきっと 変わらない毎日を壊すことも出来ず ただただ惰性で生きていくんだろうなって思う。どんな日常でも それを変えるってことは案外 勇気がいるものですよね。同じ毎日でも 慣れてしまえば 心地いいものです。特にこの主人公である真希の場合は ダンプに衝突すると時間が飛び1日前にもどっていたんだから、なおさらですよね。もし時間が進んだら そこにあるのは自分の死かもしれないんです。
  一生このまま 退屈だけど穏やかな日々がつづくのかと思った151日目の午後 突然一本の電話が… 真希は一体どうなってしまうのでしょうか?  

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紙の本

本格推理ファンとして

2002/07/21 11:53

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:酸素 - この投稿者のレビュー一覧を見る

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
『空飛ぶ馬』でデビューしていらい、本格ファンだけではなく広いそうに支持を得てきた作家さん。時事批評や、評論、アンソロジーにも腕をふるっている作者の魅力はそのどれもを読んでも感じることができるはずです。
この話はなぜかすごく切なかった。切なさをねらっている文章ではないのに、理路整然として、淡々としているからこそ、グッとくるものがありました。

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紙の本

SFとしては破綻しているが、楽しく読めた

2002/07/31 23:43

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やすみつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある時刻で1日前に戻り同じ1日を繰り返す世界に一人取り残された主人公。
そもそもどうしてこんなことが起こったのかということだけではなく、最後まで解けない謎がいくつも残るのだけど、前作と同様作者はそんなことには頓着しないらしい。
あとがきで言い訳している「時間の重なり」の問題も、時間SFとしては致命的な欠点(全く破綻している)だが、それも強引に通してくるのだね。冒頭から登場している「声」についても、何だかその処理が中途半端だと思う。
しかし結局私は本作は素直に読んで十分満足できた。とんでもない目に遭っている主人公の行動、というのが本作の焦点だと思うし、その点でよくできていると思うのだ。
同じ北村薫の「覆面作家は二人いる」では主人公が全く好きになれなかったのだが、「スキップ」では一点を除き共感できた。本作では主人公に大いに感情移入し、応援できたのが何よりである。

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紙の本

幸福の情景を思い描いた時、そこに誰かの姿があるだろうか

2006/01/20 23:14

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この物語を読み終えて、私が第一に感じた想いだった。物質的な意味ではなく、精神的に人は一人で生きられるのか、という問いかけでもある。
 主人公の真希は、二十九歳の版画家。事故にあい、不思議な世界に落ち込んでしまう。真希のほか誰もいない世界、一日を過ごしても定刻がくると一日前に戻ってしまう世界。いつかは戻れるのか、一生このままなのか、真希は孤独に苦しみ、形あるものを残せないことに焦り、「くるりん」と名づけた、繰り返される時間の中を、あてもなく生き続ける。そんな日々に変化が訪れたのは百五十日を過ぎた午後。突然、外の世界と繋がる一本の電話が鳴ったのだ。真希は、電話の相手イラストレーターの泉と、絆を結び、迫り来る危険と闘い、やがて現実へと戻る一歩を踏み出す。
 繊細で豊かな真希の心、人と人の出会いと絆、生きることの勇気。清々しい読後感の作品だった。
だが、しかしである。私は最後まで、真希に共感できなかった。彼女が落ち込んだ時間の狭間が、私にはとてつもなく魅力的に思えたからだ。私ならば、図書館に通って片端から本を読む。車の運転を練習する。プールで泳ぎ、午睡する。歌を歌い、絵を描き、食事をする。穏やかで平和な日々が続くなら、一人でもかまわないと思うのは、私の貧しさかもしれない。つまり、私だったら現実に戻らなくていいと思ってしまうのだ。
 それでも、なんとか「くるりん」の世界を抜け出そうともがく真希を、私はいつしか本気で応援していた。世の中には色々な人がいる。自分と違う考え方、感じ方をする人と出会うことも、読書の醍醐味だ。
 同著者の「スキップ」「ターン」「リセット」は、「時」を描いた三部作だが、私の一推しは何と言っても本作である。

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紙の本

不思議な爽やかさ

2007/04/17 00:24

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る

正直、冒頭の数十ページは独り言を聞かされているようで退屈で、読み始めたことを後悔した程です。
途中から一気に引き込まれ、気が付いたら夢中でした。
まるで詩を読んでいるような爽やかな筆力に驚かされます。
主人公の気分になり、不安だったり恐怖だったりするのですが、最後には凄く心地良い気分に浸れます。
良作。

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紙の本

北村薫さんの魅力が素直に分かる作品です。でも,推理小説ではないんですね。

2017/05/30 21:12

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

時と人のシリーズ第二作。直木賞が取れそうで取れなかった時代の
代表的作品のうちの一冊である。ご本人は推理小説の原理主義者を
標榜されているが,私は推理ではないこの作品がお気に入りである。

もちろん日常の推理ものも好きであるが、お気に入りの理由は,
得意技の推理要素が控えめなこの作品は,気に入っている部分が
一番分かりやすいからではないかと思う。

時と人のシリーズは,「スキップ」「ターン」「リセット」の三部作である。
読む順番はあまり影響がないので,手に取った順に開いて
もらえればと思う。

北村作品は,素敵な女性が登場することが多い。
もちろん,人の好みは十人十色。女性像の雰囲気が鮮やかに
伝わるため,好き嫌いが分かれるみたいだ。
他のサイトで,北村さんの女性像が公然と批判されている事を
見つけ,このことを知った。
気に入らなかったら,読むのを止めればいいと思うのだが。

もう一つ,北村さんは色彩感覚が大変優れた作家である。
はっとするような,きらめく感覚を持たせてくれる。

本題に入る。時間の流れに一つだけ事件が発生する。
永遠に廻る時間の無限ループ。ターンは,そんな設定だ。
主人公の真希が、無限ループの中で見せる心の揺れに、
ぐいぐい引き込まれてしまう。

ターンは,謎を含んだまま終わる異彩を放つ作品だ。
本編の仕舞いはちゃんとしている。
しかし,主人公の真希を「君」と呼ぶ登場人物が,
最後まで誰なのか説明がない。

もちろん説明の必要はないのだけど,それを想像するのが
楽しくて二回目を読んだ。読書は,読む人が自由に想像を
膨らませて楽しむという面がある。
それが最大限盛り込まれた作品のように思う。

これは私の想像。
物語中の真希の孤独にばかり目がいくが,そもそもターンに
入る前から,普通の人に比べて真希は孤独なように見える。
お母さんは頑張っているけど,親子二人暮らしのようであるし。
だからこそ,出会いがとても光に溢れる。
君と呼ぶ人は,真希が生み出した心を守ってくれるものでは
ないだろうか。

これは、青春小説と言ってもいいかもしれない。
近くの図書館では、高校生お薦めの棚に整理されていた。

北村さんの武器を最後にもう一つ。冒頭の一行。
>君はスケッチブックを開いて,八角時計をいくつも描いていた。

出だしでガツンとやられる事が多い。
二人称で書かれているので、距離感の近さも魅力的な作品である。

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紙の本

清々しくロマンチック。

2010/11/14 01:30

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hachi - この投稿者のレビュー一覧を見る


売れない版画家の主人公は、ある日交通事故に遭う。
その日から、7月のある1日をひたすら繰り返す世界に
ただ一人迷い込んでしまう。


・・・というのが本書の前半までのあらすじである。
主人公は自分ひとりしかいない世界、それも次の日の午後3時15分に
なれば、きまって前日の午後3時15分に戻ってしまう世界で、
服を手に入れたり、食事をするのに金銭を支払ったり、
鍵が開いているからと言って、他人の家にむやみに進入したり
なんかはしない。生真面目で善人過ぎるくらいの彼女だが、
時々自分に酔ったようなことを、つぶやいたりする。

そんな主人公があまり好きになれず、
前半はこの本を購入したことを少し後悔した。
平穏な日常が淡々と、それも会話で進められているため
小説の世界にも入り込みづらい。
とりあえずさくさくと読めるし、文体は爽やかで下品さを
感じることはなかったので、なんとか続きを読むことにした。

主人公が迷い込んだ世界は電気、水道、ガスは使用可能。
しかしテレビは受信できない、電話は通じない。
生かされてはいるが、自分以外の誰とも通じることが
できない世界である。


そんな世界で一人で過ごし、気がおかしくなりそうになった頃に
ならないはずの電話がなる。
それは、元いた世界からとある男性がかけたものだった。


前半もある程度そういった部分はあったが、
後半は余計に先の展開が読めてしまった。
しかし、前半よりも爽やかで読んでいて気分が良い。
感情をぶつける相手が現れたせいか、
主人公もずいぶん人間らしくなったように感じた。

そして予想通りの恋愛小説になっていくのだが、
お互い実際にあったことがなく、受話器での会話のみ
だからか、恋愛の醜い部分はほぼ見えてこない。
ほんの少し嫉妬する、くらいである。

たまたまかかってきた1本の電話。
最初は元の世界へ帰る手がかり、くらいにしか思っていなかった
ものが、電話の回数を重ねるにつれて、
電話が楽しみ、でもあなたには迷惑をかけたくない、
あなたに会いたい・・・と変化して行く。
なんとロマンチックだろうか。


最初はSF小説だと思って読んでいた。
しかし本書はファンタジー少女漫画と思って読むほうが
しっくりくるようだ。


主人公が一人別の世界で暮らし、徐々に精神的に追い詰められていく
様子はさほど描かれていないし、犯罪的なこともほぼ行われない。
そういった描写を求めている人には物足りないが、
久しぶりに心地よいファンタジーでも、と思っている人には
進められる。中高生の読書感想文用の本にも良いだろう。

近頃は過激な描写や鬱屈した展開が、好まれることも
少なくない。本書のような、最初から最後まで前向きに
読める物語は大事にしていきたい。

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