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紙の本
色あせた人生が少し鮮やかになるような読後感
2000/11/08 18:03
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投稿者:高崎真規子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビートルズや「俺たちに明日はない」が好きだというと、お前らに何がわかるかと上の世代に揶揄され、竹の子族で踊るには遅すぎた……1956年生まれの作者は、戦争体験もなければ、学生運動とも無縁な、いわゆる何もない世代と呼ばれる一人だ。この本には、そんな彼が心惹かれた17人の物語が描かれている。伝説の劇画作者あり、AV界の帝王と謳われたAV監督あり、臓器密売人から赤軍派議長だった中年革命家まで、だれの人生も、一般社会のものさしではかれば、一見いかがわしく、異端の匂いが漂う。そしてその多くが、遅れてきた作者には味わえない、ある種の激動の時代を生きた人たちだ。が、そうした異端のカリスマたちと出会う中で、作者は何もないと思っていた自分の中に積もっているさまざまなことに気づいていく。色あせた人生が少し鮮やかになるような読後感が残る。それはたぶん、既存の価値観によって封じ込められ、身動きのとれなかった、自分独自の感覚に気づくからなのかもしれない。