- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.7
- 出版社: 角川書店
- サイズ:20cm/281p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-04-873238-2
紙の本
あやし 怪
著者 宮部 みゆき (著)
どうしたんだよ、震えてるじゃねえか。悪い夢でも見たのかい……。月夜の晩の、江戸にまつわる本当に恐い恐い怪談の数々を描いた江戸ふしぎ噺。その話がどういうふうに終わるのか、ち...
あやし 怪
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商品説明
どうしたんだよ、震えてるじゃねえか。悪い夢でも見たのかい……。月夜の晩の、江戸にまつわる本当に恐い恐い怪談の数々を描いた江戸ふしぎ噺。その話がどういうふうに終わるのか、ちゃんと聞いたのか?【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
居眠り心中 | 5-34 | |
---|---|---|
影牢 | 35-60 | |
布団部屋 | 61-88 |
著者紹介
宮部 みゆき
- 略歴
- 〈宮部みゆき〉1960年東京都生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞、「理由」で直木賞を受賞。他の著書に「蒲生邸事件」「チチンプイプイ」など。
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紙の本
怖いもの見たさでぐいぐい読みました
2002/01/16 15:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきさんの書く時代物は、その描写のうまさでするりと読まされてしまう。そして「もしかしたら、こういう事もあったのかもしれない」と思わせる凄さ、怖さがある。じわじわと忍び寄るような怖さは、刺激的な強さのある恐怖ではないものの、そこかしこに潜んでいそうで、ゾクッとくる。真っ暗な夜道を一人で歩いている時には思い出したくない話(蜆塚)などもあった。
紙の本
江戸情緒
2001/08/17 12:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kosaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸を舞台にした怪談話が9編収められている。怪談であるからには少々怖い話ばかりであるが、江戸の情緒があり暖かい話ばかりである。この時代の風流さ、人のやさしさが基本にある。東京の下町には今も人情があるとよく言われるが、いわゆる人情というのはこの本にあるような人の優しさなのだろう。人間同士の干渉をできるだけ避けるような町にいると、近所の人との会話ややり取りが懐かしくなる。また、怪談的にも夏の夜に友達同士が集まって話す怪談のような感じであり、スプラッター的な読後感の悪さは無いのがよい。逆にそういうホラーを求めて読まれる方には少し物足りないかもしれない。
紙の本
大江戸人情ホラー
2000/11/10 03:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藪下明博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきといえば“人情噺”である。しかも、江戸庶民の哀歓をベースにした、下町風情たっぷりの時代小説!
今や、ミステリーはもとより、SF、ホラー、時代小説と多彩なジャンルを我が物とする実力派作家であることは言うまでもないが、その醍醐味は何と言っても「江戸物」にある。これは、宮部お得意とするところの“人情噺”が、江戸という舞台設定に最も違和感なく嵌るためであって、ミステリー仕立てでもホラー仕立てでも、江戸を舞台とした作品は決してファンの期待を裏切ることがないのだ。本書は、その「江戸物」の最新短篇集である。しかも、全編ホラーの渾身作だ。…
宮部ホラーの特色は、ややもすればミステリー色が勝って、合理的解釈と超自然との狭間に立つ中間ホラーの印象が強かった。しかし、本書は収録作9篇中5篇が季刊誌『怪』に発表されたものなので、その性格上、かなり超自然を意識して書かれている。大店の若旦那に捨てられた女中の執念が、因縁深い染め手拭いの呪縛となって主人を相対死に追いやる『居眠り心中』、初代に殺された男の魂魄が奉公人の魂を奪うしきたりと化し、お店を呪う『布団部屋』、おみくじで引いた凶運を、他人へ肩代わりさせてしまった娘の末期を語る『梅の雨降る』などなど、どれもホラーとしては“意表を突く”ものでは決してないが、何故か読者を夢中にさせてしまうのは、その語り口の巧さと下町人情の哀惜がたっぷりと込められている為であろう。やはり、宮部みゆきにはスプラッターは似合わないのだ。家族に囲まれて安心して読める怪談噺をお探しの方や、涙もろいホラー好きの中年層に是非ともお薦めしたい一書である。
紙の本
なんて江戸の街って素晴らしいのだろう!
2004/06/30 17:26
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆき「あやし」です。「塙保己一」を読んで刺激を受けたかな? 江戸の町が恋しくて恋しくてさ。おいらは、ホントに宮部姐さんが描く江戸の町が大好きなんだな。芸が細かいというか、ちゃんとしていると云うか、まあ、正式な時代小説とでも云ったら良いのだろう。台詞の語り口は当たり前としてもト書き…じゃない、台詞以外の話しぶりも、江戸にあわせて違和感なく書かれていて、全てそつなく書いてある。読むと分かるけどちゃんとテンポがあるんだよ。しかし、なんだな相変わらず長屋やらおたなの習わしや江戸の道筋などがよ〜くわかっておいらも江戸通になれってなもんさ。
「あやし」はそんな江戸の町に起きた摩訶不思議なコワイお話を集めた本なんだなな。(1)居眠り心中(2)影牢(3)布団部屋(4)梅の雨降る(5)安達家の鬼(6)女の首(7)時雨鬼(8)灰神楽(9)蜆塚の9偏が収録、中身がいっぱい詰まってる。今じゃ祟りや怨念なんてありゃしないてぇのは科学の御陰か何か知れねぇが周知の事実らしいが、江戸の頃は当たり前にそこら中に有ったってわけさ。まあ、起きてもおかしくないような時代だったからねぇ。まあ、恐くて厠には度胸を出さないと行かれない事もあるけどさ。
ところで、これを書いている途中に「WOWOW」で上手い具合に山本周五郎作市川昆監督、主演岸恵子の「かあちゃん」がはじまっちまって、ついつい見入ってしまい、とうとう終わりまで見てしまったわけだ。これが何の因果か、仏のお恵みか、長屋話でさ〜…。おいら、泣けちまったぜ。こんな映画、有ったんだな〜。ますます江戸が好きになったじゃねぇか、こんちくしょう! グズッ(^_^;)
景気が悪くて海外旅行も行かれないし、車も買い換えられないってか? てやんでぃ、江戸を見ろってんだい。何か勘違いしてるんじゃねぇのか。…その内、コワイコワイ、バチが当たるぜい!
紙の本
本当に怖いです、この本!
2002/07/23 17:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラックティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代小説は作者の得意分野とあって、独特の世界観が広がる。
時代考証もしっかりしているし、若者にもとっつきやすい描写は
さすが宮部みゆき!
本当に怖いものは、霊や怪奇現象などではなく、そこにいる生身の
人間かもしれない。時には、人間の感情は不思議なパワーを発するようだ。
9編からなる短編で、一話、一話読み終えるごとにじわじわと怖さが
広がっていく。一人、暗い部屋で読むのも良し、またキャンプで、ろうそく
を前に朗読するのも良し。いろんな楽しみ方が出来そう。
紙の本
うちわに風鈴で幽霊話をどうぞ
2002/07/17 23:20
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投稿者:くにーた - この投稿者のレビュー一覧を見る
今で言う「ホラー」には該当しないのでは。幽霊話という表現がぴったりくる。江戸情緒たっぷりで人情味あふれる登場人物たち。それにこの「あやし」いものたちは科学で割り切れないがなぜか親しみを感じさせる。一つひとつの噺に光るものがある。
真夏の夜に夕涼みにふさわしい。うちわ片手に読んで欲しい。
紙の本
追体験トリップの醍醐味
2000/10/18 15:35
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投稿者:サチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古来、自分とは異なる共同体との「間」に巣食うモノを、人は“魔”として怖れた。
例えばそれは「村境」に巣食う。
そして奉公人や女中もまた、異なる共同体の「間」に生きる人々なのではないか?
働きに入っている「家」のメンバーとしては、彼らは存在出来ない。
そのためであろう…、彼らはその家々で様々な怪異を垣間見てしまう。
『怪〜あやし』は、そんな奉公人や女中の味わう奇妙な体験を集めたものだ。
宮部の筆致については今さら特筆することもないと思うが、
とりわけこの本では、奉公人らが作中で感じる「微妙な違和感」についての表現が冴えに冴えまくっている。
その冴えっぷりは、読んでいる私達に絶妙な追体験を喚起する。中でも「安達家の鬼」は秀逸。
ぜひご堪能あれ。