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紙の本
これは!「巨人の星」以来のスポ根劇画だ!!
2003/10/20 12:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:爪子姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
客観的に言えばバレエマンガです。宮本すばるという少女がダンサーとして成長していく過程を描いた大河ドラマです。これを書いている現在11巻が最新刊ですが、そこまでの構成をおおまかに書いておきます。本文中に「××編 完」という記述がときどきありますが、章立ては柔軟なようなので、作中の記述を参考に独自に書きました。
●1巻〜3巻 第一部
子供時代からバレエダンサーとして技術を習得する過程。
●4巻〜5巻 第一部
ローザンヌ・バレエ・コンクール出場。
●6巻〜7巻 第二部 「職業舞踊手編」
奨学金を得てバレエ学校に入学する資格を蹴ってニューヨークに渡り、システロン・バレエカンパニーという小さなバレエ団に入り、そこに居場所を得る。刑務所の慰問公演という過酷な場(なぜ過酷かは本編を読まれたし)で公演を行い、プロとして観客にバレエを見せることの意義を掴み取っていく過程。
●8巻 第二部 「職業舞踊手編」
世界を代表するダンサー、プリシラ・ロバーツとの出会い。
●9巻〜11巻前半 第二部 「職業舞踊手編」 「ボレロ編」
「ボレロ」という作品の公演を同じ日時に別の劇場でプリシラと行う(対決)ことになる。その過程。
●11巻後半 「イノセント・ワールド」
すばる初めての恋愛。そして合衆国を去る。
総論。
1.絵の迫力に圧倒されます。荒っぽいという印象が残らないでもないですが、私はこのくらい荒いほうがよいと思いました。なぜならバレエ(ダンス)は踊り手にとって決して奇麗事ではないことが、ダンスを知らない読者にもこれで伝わって効果的なのではないかと思うからです。
2.よく取材されています。たとえば、バレエ「ドン・キホーテ」を「ドンキ」と略すのはバレエ関係者および愛好者しか知らないことだと思います。
3.登場人物の心理・行動に説得力があります。善人は奇麗事だけ行ってるわけではない、敵役にも行動に必然性がある、それがドラマをより良質なものにしています。
4.そして、つまるところは漫画、もっといえばおとぎばなしです。
16歳で世界的に有名な作品の主役の振りつけをあらかたマスターする才能が実在し得るかどうかは疑わしいところですし、本人の努力の過程は最小限しか描かれていないとしても、成長の早さ、ストーリー展開の、描かれている時間に対する速さが、速過ぎます。だからこそ興奮して読める物語だともいえます。「普通なら1年半」とか「普通なら一ヶ月」とかいう言葉が、すばるの会話の相手からときどき言われますが、「そんなに待っていられない!」という激しさで、実際に一年を半年に、一ヶ月を一週間に縮めて生きている、そういうキャラクターです。
個々のエピソードに関する評は、それぞれの終わった巻のところに順次書いていこうと思います。
ひとつ心配事があります。11巻の終わり方が、そこで完了しても文句は言えない形になってます。そしてスピリッツでは休載中。アメリカを制覇したんだから次はヨーロッパに行くしかないですよ。
作者が取材中であること、そしてさらにスケールの大きな展開を見せてくれることを願ってやみません。
紙の本
ひとつの究極。ひとつの本物。
2003/06/06 18:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清華 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、主人公の少女「昴」は、強く強く人の心をひきつける。
この物語に嵌ってはいけないのではないか、そういう危機感を孕ませて、でも、私の心を捕らえて離してはくれない。魅という激しい力がここにある。
どのような人間にも、自分が本当に生きる「道」というものが必ずある。それを教えてくれる作品である。しかし、その「道」を行くことが幸せに見えるか、不幸せに見えるかは、あなたが見るべきだ。
彼女は自分の「道」を選び出したとき、まだ小学生であった。
「道」を見出す事ができる人生からして稀である。さらにその道を歩くかどうかを決意するには大人でもかなりの恐怖心を覚える。決断できず、見ないふりをして通り過ぎる人がほとんどだ。
「道」を歩いていたとしてもその先が見えなくなる、いや、「道」の激しさに人はたいてい耐え切れずに自分を先に見失う。ただ、「道」は続く。
なのに彼女は、さっさとそちらへ行ってしまった。たった、九つの歳で。
人生のとある究極は、かように激しく、ただ自分を見失わずにそれを歩いていく人間は、これほどまでに美しい。そう! この作品は魅せつけてくれる。
ひとつの究極、ひとつの本物。あなたには、それが観られますか?
紙の本
光と影の絶妙なコントラスト!
2001/10/07 02:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
病床に伏す双子の弟・かずまの前で、日々の出来事を踊り続ける少女・すばる。かずまは、脳が腫瘍で圧迫され、記憶が薄れ、言葉も満足にしゃべれず、体も動かすことができない状態だ。もし、私のことがわからなくなったら、かずまは明日までもたないと考えているすばるは、そんなかずまのために、今日の出来事やいろいろなことを体をめいいっぱいつかって、全身全霊で表現する。そんな中、友達の真奈からバレエのレッスンの誘いを受ける。そこで初めてバレエと出会ったすばるは・・
まさに全身から鳥肌が立つような内容だった。これほどのまでの恐怖に立ち向かって、はじめて、表現することができるすばるのバレエにとても感動した。その半面、自分の周りにいろいろな不幸が訪れようとも、踊り続ける彼女を観ていると、すごく切なくもあった。絵はラフだが、そのためにうまく舞台シーンでの光と影のコントラストが絶妙に表現できている。特にかずまの病室でねこのまねをしているシーンは身の毛がよだつ程だった。
ある一コマで「きみはまさに今がピークだ。しかも、そのピークの期間は長くはないだろう。きみはそんな時期をバレエ学校のレッスン場で鏡の前でムダに過ごすのか。」というセリフがでてくる。彼女の踊りはまさにロウソクの炎のように自分の命を削っていくみたいに、短く一瞬で燃え尽きてしまうように。そんな彼女のバレエだからこそ、惹きつけられるのかもしれない。
紙の本
fun!
2001/05/31 06:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまえだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の宮本すばるは現在15歳の女の子。ストーリーはすばるの幼年期から始まる。まだ9歳のすばるは脳腫瘍で苦しみ意志の疎通すらままならなくなった病室で寝たきりの双子の弟・和馬を励ます為の唯一のコミュニケーション手段として体をめいっぱい使った演技で、その日の出来事などを毎日欠かさず伝えるようになっていた。この不幸な境遇が彼女のダンサーとしての原点となり、やがてプロのダンサーを目指すことを決意する。
「すべてを捨てて傷つき傷つけながら夢に生きるか、己を偽りそこそこの人生を送るか」この作品は壮絶な幼少期を送り、その類い希な才能を開花させたバレエ・ダンサーの物語である。本作品はバレエを中心にストーリーが展開されているのではなく、一人の少女の壮絶な人生を追った結果、バレエは彼女と一体だと自然に理解させる説得力をも持ち合わせている。
そのため、主人公のすばるのみでなく、バレエという芸術そのものを容易に受け入れさせる親しみが得られる。負の想いを乗り越えながら、快進撃を続けるすばるは読者を強烈に引き込み、深い感動と爽快感を与えてくれる。