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商品説明
人の寿命はどこまでのびるのか、崩れはじめた生態系を守ることはできるのか、南極の氷床は後退しているのか…。自然科学にテーマを限定し、人類が自分たちを取り巻く自然や宇宙をどこまで理解しているのかという疑問に答える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
飛岡 健
- 略歴
- 〈飛岡健〉1944年東京都生まれ。東京大学工学系大学院博士課程修了。現在、現代人間科学研究所所長。金沢工業大学客員教授。著書に「ニュークライシス」「先見力をつける」など。
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紙の本
生活の視点からやさしく語る最新科学,やや食い足りない感も。生半可な疑似科学知識に振り回されがちな人に
2000/12/28 12:17
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投稿者:松浦 晋也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
21世紀を迎えて科学はどこへ向かうのだろう,それで私たちは幸福になるのか不幸になるのか,でも自分には科学の知識などないし,ましてや先端科学など——と思う人が最初の取っかかりとして読むのに良い本だ。
21世紀に向けて現代科学が抱えている問題を,医療,環境,地球科学,宇宙,身の回りの技術,人間,などにわけて,それぞれ5〜7の短いコラムで解説している。
エイズ,がん,アルツハイマーから始まって,オゾン層破壊,石油枯渇,地球温暖化,地球外知性,バーチャル・リアリティー,ロボット,遺伝子組み替え——と挙げていくと分かるように,視点があくまで身近な「ニュースでよく聞くけれども分からない」ことを,一つずつ解きほぐすように説明している。読み終わった時には,身近な科学に関する,決して詳細ではないが正確な概観図が頭に入っていることだろう。
実際問題,科学の理解というのはやっかいなもので,「科学」ときただけですぐに「自分には分からない」と決めつけてしまう人があまりに多い。理解しようとしないものが理解できるはずもなく,結果として「自分には分かりっこないものは怖い」となって,やみくもな科学恐怖へと結びついてしまう傾向がある。科学を理解することは,自分の生きる世界を理解することでもある。「科学恐怖」から脱して理解のための第一歩を踏み出すための本として,本書は好適だ。
ただし,理解しやすさの代償として「つっこみが浅い」という欠点もある。本書は出発点だ。続けて自分の興味を持った分野の一般向け科学書を読むと,より充実した読書体験になると思う。
余談だが,10年以上前に広瀬正『危険な話』に触発されて,霞ヶ関で反原発デモをブチかましていたオバチャン達は,今どこで何をしているのだろう。往時の反原発オバチャンのような,生半可な疑似科学知識に振り回されがちな生活人に,本書をお薦めする。
(C) ブッククレビュー社 2000