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商品説明
「人と社会とのかかわりの状況」を評価する「社会関連性指標」を、科学的な根拠にもとづいた1つの新しいケア指標として提案し、それをケア実践やケアマネジメントの場面で、実際にどのように活用するのかわかりやすく述べる。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
社会とのかかわりを指標化し,ケア・マネジメントへの活用を提唱
2000/12/28 12:15
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投稿者:藤森 敏雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高齢者の痴呆を防止したり,活動的な生活を送るためには,社会とのかかわりを持ちつづけることが必要であり,逆に社会とのかかわりを持ち続けている高齢者には活動的な人が多いということは,経験的には語られている。しかし,社会とのかかわりを客観的にあらわす数値化された指標が開発されていないし,さらに個人の社会とのかかわりと健康状況について長期間追跡した研究が少ないため,実際にこれを証明するのは難しかった。
本書は,長年この分野に活発に取り組んでいることで注目されている国立身体障害者リハビリテーションセンターのグループで,社会適応システム開発室の研究員である安梅勅江氏が書き下ろした著書である。
全体の構成は,「第1部 理論編:社会との関わりを指標化する意味」と「第2部 実践編:社会関連性指標の活用法」に分かれている。
第1部ではまず,ケアの実践において社会とのかかわりの状況を指標化することの意味,さらに発達理論やエイジングの理論からして社会的なかかわりについて検討することの重要性を強調している。
こうした前提となる理論的な記述に続き,人と社会のかかわりを指標化した社会関連性指標についての説明が始まる。同指標は,家族や家族以外と話をする機会についてや新聞やテレビなどの情報への関心の程度など,18項目からなる質問票に対象者または調査員が記入し,それを生活の主体性,社会への関心など5領域に分けて評価するもの。この指標を使って10年間のコホート研究を行った結果,社会関連性は健康状態の変化と関連し,将来の身体の活動能力や死亡率にも関連することが分かったという。
第2部では,社会関連性指標を実際の調査に使用する方法や,ケア・マネジメントのアセスメントやケア・プラン作成,介入,評価,フィードバックといった一連の流れに利用する方法といった実践での活用法を詳しく説明している。さらに,社会へのかかわりが少ない人に対してどのような介入を行うかについて,高齢者のおかれた状況別に作成した説明用の資料の実例や,地域住民を対象とした地域ケア・マネジメントへの活用事例も示しており,幅広い活用法を提示している。
クライアントに社会とのかかわりを広く持ってもらいたいと考えている福祉関係者に参考となろう。
(C) ブッククレビュー社 2000