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商品説明
雅な古典音楽や三線に彩られた島唄が歌いつがれ、新しいウチナー・ポップが誕生する島・沖縄。赤犬子、普久原朝喜、りんけんバンド、安室奈美恵…あらゆる芸能が咲き誇る、未だかつて書かれなかったウチナー音楽の真実。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
藤田 正
- 略歴
- 〈藤田正〉1953年富山県生まれ。明治大学卒業。『ミュージック・マガジン』編集者などを経て、現在、評論家・音楽プロデューサー。編著書に「ウチナーのうた」「Rap」など。
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紙の本
沖縄は歌の島
2000/12/01 16:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大谷能生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
石垣島から船で、だいたいビールを一本飲みおわる位のところにある竹富島には、立派な水牛が島の名所を曳いて回る乗合牛車がのんびりと走って(というか、歩いて)いて、御者さんは牛を歩かせながら、観光客のために三線で「安里屋ユンタ」を唄ってくれる。
面白かったのは、どの御者も唄が上手いわけでは決してなくて、これは音痴だなあって思わせる唄の車とも何度かすれ違ったことだ。当たり前のことだけど、八重山のすべての人が無条件に唄が上手いわけではないみたいだ。
けれども、自分の土地の歌を心から愛していることは確かだったように感じた。
江戸時代には薩摩藩に搾取され、前の戦争では上陸戦の犠牲となり、現在でもアメリカ軍基地に土地の多くを占拠されている沖縄。「沖縄は歌の島」は、そうした沖縄の歴史を唄われ続けてきた歌でつなぎながら、ウチナー音楽が持っている強さとやさしさを解き明かしてゆく。
著者が行う歌の分析は、安易な思い込みや偏見を徹底して退け、ウチナーの複雑な歴史をきちんと捉えながら「美しい沖縄、胸を張る沖縄は、1980年代という10年に熟成された」、「かつて、三線を抱えたボーカリストが、顔を見せて舞台に立つことはなかった」というような、新鮮な事実を僕たちに教えてくれる。サミットの結果なんて放っておいても構わないけど、この本は読んどいた方がいいと思うよ。
(大谷能生・フリーライター)