- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.9
- 出版社: 朝日新聞社
- サイズ:19cm/225,7p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-02-257532-8
紙の本
医療事故 なぜ起こるのか、どうすれば防げるのか
医療事故はなぜ起こるのか。現場の個人の追及だけでは解決しない。組織・システムとしての問題と考えよう。「誤りは人の常、安全は組織の知恵」をキーワードに、「安全な医療」を達成...
医療事故 なぜ起こるのか、どうすれば防げるのか
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商品説明
医療事故はなぜ起こるのか。現場の個人の追及だけでは解決しない。組織・システムとしての問題と考えよう。「誤りは人の常、安全は組織の知恵」をキーワードに、「安全な医療」を達成するため、何をすべきかを示す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山内 桂子
- 略歴
- 〈桂子〉国立小倉病院附属看護助産学校講師、産業医科大学医学部医療科学講座訪問研究員。
〈隆久〉北九州大学文学部教授。著書に「偏見解消の心理」など。
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紙の本
個人と組織が絡み合う医療事故の原因と対策
2000/12/01 21:16
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投稿者:斉藤 律子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日のように医療ミスのニュースが飛び交う昨近である。報道が多いため急に増えたかのように思われるが,過去のものもあれば近日起こったものもあり時期はまちまちだ。しかし一点において状況は共通している。それは小規模な病院よりも,大学病院や総合病院などの「組織」の中で起きているということである。
通常人々は何かのときには大きな病院へ,の思いがある。設備が整い,治療技術や研究も進んでいることから,病という自己解決できないものへの不安を総合病院・大学病院へ託すのである。その中で現在の報道を見ると,出鼻をくじかれた思いがしている人々も多いことだろう。
本書は,個人が引き起こす心理的要因から組織の盲点まで,何が原因でミスが起こるのか,どうしたらミスが起こらなくなるのかを,きめ細かく検証したものである。これまでの医療事故に関する書籍は医学,看護学,法律学など特定の学問分野の立場で書かれたものか,もしくはある一つの事例に基づいた被害者側の立場にたったものが主だった。しかし本書はあくまで「医療事故」というタームを中心に,事故調査のあり方,被害者救済,事故を起こした側のサポートなどを分析している。特に医療事故をどの組織にも起こりうるものとし,事故防止の研究成果事例を豊富に掲載している部分からは,今後の対策がクリアに浮かび上がってくる。原因の構造モデルも多く図式化されており,専門家だけでなく,一般読者にもわかりやすい。
誤診,手術や処置の誤り,薬剤誤投与,血液型誤認,麻酔事故,患者取り違え,院内感染など,枚挙に暇がない医療事故だが,構造を根本的に解明し,医療スタッフの側をサポートしながら事故を起こさないよう克服した医療施設もある。ただ病院を責めるのではなく,論理的に対策を練るために非常に有効な一冊である。
(C) ブッククレビュー社 2000