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紙の本
愛は宇宙の歴史も変える
2002/07/26 17:15
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投稿者:迦鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
姿を隠していたジェイブリオルの生存が知られ、ユーブの手でさらわれる。
夫を奪われたソズはスコーリア王に登極。ジェイブリオルを傀儡の皇帝に仕立てたユーブ帝圏に「笑わせるんじゃないわよ、くずども」とタンカをきる。(このシーン、「極妻」の岩下志麻さんを思わせる格好良さです)
引き裂かれた夫婦の代わりにロマンスを演じるのは、捕虜にされ拷問を受けるオルソー王子と提供者として虐待されている奴隷のシラス。
この2人を通じてハイトン士の傲慢さと残虐さが描写されますが、ユーブ側のキャラクターもただのサディストとして書かれるのではなく、ハイトン士の中にあらわれはじめた己の嗜虐的な本能に疑いを抱き始める人々や、蔑むべき奴隷であるはずの偽りの息子への感情に惑う皇太后の心の動きなどがていねいに語られます。
夫を取り戻すための戦いは銀河の趨勢まで左右するほどになる・・・スケール、大きいです。
紙の本
大波乱の大混乱
2001/11/10 19:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うつほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1冊目の主役だったソースコニー再び。
ジェイブリオルとの逃避行を成功させ、辺境の惑星で子供たちとともに静かに暮らしていたソズ。そこにある日宇宙船がやってきて、ジェイブリオルを連れ星を破壊していった。首謀者はユーブ帝国、ジェイブリオルの母だ。ユーブ側はスコーリアの技術を手に入れ、スコーリア王クージを狙う。次から次へと危機の訪れるスコーリアは、そしてユーブ帝国の手に落ちたジェイブリオルはユーブの手先となってしまうのか!?
もともと展開の激しい話を書く著者だったが、今回はいつにも増して事態は激しく駆け巡り、混乱し、いろんな意味で目が離せない。しかし、これだけの状況の中でも中心となるべきは戦争でも国の覇権でもなんでもなく、恋愛なんだからこれまたすごい。
<スコーリア戦史>としては3つ目の邦訳だが、話的には1作目の『飛翔せよ、閃光の虚空へ!』を下敷きにしているので、2作目の『稲妻よ、聖なる星をめざせ!』を読んでなくてもかまわない。というか、必要なかった。
いやはやディーアの息子のオルソーが全く出てこないんでちょっとがっかりした…。ジャグ戦士なんだから今回の話への関わりどころは結構有ると思ったんだけれど。でもこのシリーズはまだまだ未邦訳のものがたくさんあるので目が離せない。