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流通が新時代のリードオフマンとなり、生活者に納得されるクオリティを提供し、マーケティングのプラットホームとして新業態開発のイニシアティブを握るためのポイントを、人間を基本とした視点からわかりやすく解説。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
商いの心を忘れず創造的に対処せよ!という商人道の原点と創造的心構えを説く
2000/12/08 21:15
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投稿者:三鍋 謙作 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは「商人道…」となっているが,説かれている内容は必ずしも商人に対するものだけではない。「組織を支えてきた人生を白紙に戻し,もう一度,生活者としての原点に立ち戻り,そこからストラクチャーを再構成しよう」という提言などは,すべての人に当てはまる。リストラという名の首切りが大流行りだが,会社という組織に依存してきたサラリーマン的生き方に対しても,鋭いひと言ではないだろうか。
「お金を稼ぐのは悪いことではないが,問題は,稼いだお金をどう使うかである。お金を操作することでお金を生み出したり,お金を貯めることがゲームになるとお金は道具ではなく,オールマイティーな切り札となる。人の心さえ,お金で買えると思い込む」は,もはや文明批評である。
半面「バブルで踊らされた企業の多くが,後始末に追われることで,何をやるべきかわからなくなっている。これは大きなチャンスである」と述べ,「自社を社会的ストラクチャーとして捉えれば,活動の範囲は大きく広がり。影響を及ぼすカルチャーも見えてくる」と述べている。「自社」を「自分」と読み替えれば,サラリーマンの目覚めを促しているようにも思える。つまりリストラされたサラリーマンにとっても,現在はチャンスの時代なのだ。会社に属していても個人事業主のつもりで仕事をとらえて自分のスキルを高めれば,たかだか身分の移行程度のことにあわてふためかなくても済む。
もちろんコンサルタントとしての著者は「商人道」として,やれ「飽食の時代」とか,「モノ余りの時代」という評論家の御託にあわてふためいたり,インターネット・ショッピングを必要以上に恐れたりする必要はない,と説いている。そのことがこの本の主題である。
「人間は,商品を買うことで生きられる。それ以外の生き方としては,完全なる自給自足しかないのだから,社会的存在として世間と関わっていくには,商売というコミュニケーションは必要不可欠である」のだから,「傲らず高ぶらず,謙虚な姿勢で生活者の役に立とうと振る舞えば,地域コミュニケーションは流通を中心に据えるだろう」という。
つまり「商いの心を忘れずに」創造的に対処せよ! ということが,本書の教えである。
(C) ブッククレビュー社 2000