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商品説明
ローマでイタリア料理の技術を身につけた著者が肉類、畜肉加工品、乳製品、野菜、果物、菓子類などのレシピを紹介。イタリア各州の特徴と料理についても述べる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
吉川 敏明
- 略歴
- 〈吉川敏明〉1946年東京都生まれ。イタリアのENALC卒業後、ローマのリストランテ、ホテルで修業。77年「カピトリーノ」を開店。著書に「たのしくイタリア料理この一皿とこのワイン」などがある。
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紙の本
イタリア食の悦楽イタリア語に翻訳したらイタリア人シェフも飛びつくんじゃないの?後編
2001/02/15 14:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:保森 千枝 - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻は「肉」「畜肉加工品」「乳製品」「豆」「きのこ」「野菜」「香草」「スパイス」「果物と菓子類」について、上巻同様に詳しい解説が施されています。ひとくちに「肉」といっても、その種類と部位、成長の度合いによってもかなりの数で分類されますので、その料理のバリエーションは数え切れないほど。肉の歴史の部分では「えっ!」と驚くような動物の肉を食べていたりして、食文化の違いに驚いてしまいます。扱い方の注意点や付いた料理名の由来などの解説もあり、「肉」だけで100ページも割ていることからも、内容の密度の濃さがおわかりいただけるのではないでしょうか。巻末の「イタリア各州の特徴と料理」では、気候、風土、産物、料理の特長、代表的な料理、祭りなどの行事、ワインなど、イタリアの食文化を語る上で欠かせない詳しい資料もあります。
昨今、本国イタリアでは、優れた料理学校がない現状と、基本的な料理についての歴史を理解している料理人が少ないということから、レストランのレベルの低下に危機感を募らせています。イタリアで初めてミシュランの三ツ星を獲得したグァルティロ・マルケージは、雑誌のインアビューで「基本を学んでいないシェフの作る自分流の料理はとてもおかしな料理になっている。優れたプロの料理人達が創作に走り、ふわふわとした風船の様にどんどん高く飛んでいってしまうのを、たまにはひもをもって地上に下ろし、現実を見極めさせることが大切だ」と答えています。彼はイタリア料理界にヌオーヴァ・クチーナ・イタリアーナの一石を投じ、その高い評価の裏側ではイタリアの伝統料理をないがしろにしているとの批判も浴びていましたが、芯のところでは伝統料理を重んじる巨匠の真価が垣間見えます。
今、イタリアでは「クチーナ・クレアティーヴァ(創作料理)」から「クチーナ・ディ・テリトリーオ(地域料理)」へと移行しつつあります。これは、古典料理へ逆行しているのではなく、心あるプロの料理人達が新鮮な素材を求め地元に目を向けた結果、その土地に根ざした郷土料理にヒントを得て伝統を守りつつ新しいイタリア料理を構築しようというものです。
本書はイタリアン初心者の方にはレシピの部分がちょっと難しいところもあるかも知れませんが、調理技術面以外のところでも、ぎっしりと情報が詰まっていますので、これからイタリア料理を学びたい方にも是非持っていて損はないはずですし、イタリア料理にのめり込めば遅かれ早かれ欲しくなる本だと思います。本書はタイトル通り結構お堅い本です。値段も安くはありません。でも、何しろバイブルですから一生ものです。是非、上下巻合わせてお手元において頂きたいと思います。