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商品説明
脳に取りついて人間を自由に操る宇宙人と戦う表題作の他全5編を収録。うち4編が単行本初収録。1965年から66年に発表された少年向け小説−ジュブナイルの冒険SF傑作集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
細菌人間 | 3-82 | |
---|---|---|
10万光年の追跡者 | 83-110 | |
四枚のジャック | 111-136 |
著者紹介
筒井 康隆
- 略歴
- 〈筒井康隆〉1934年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。81年「虚人たち」で泉鏡花賞受賞。93年次々と用語を規制していく風潮に抗議して断筆。近著に「エンガッツィオ司令塔」「私のグランパ」等。
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紙の本
あの筒井康隆だって、こんな小説を書いていた時代がある。そう手塚治虫の古い漫画を見ているような
2003/02/27 20:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
夫が宝物のようにして触らせてくれないのが、新潮社から出た筒井康隆全集。手を伸ばそうとすると、「畏れ多い、穢れる」と罵声が跳んでくる。しかし、そんな全集にだって収められていない作品がこれだ。ははは、いい気味だ、と思うが読んでみて驚いた。このレトロな感覚は私の誕生以前の世界。夫はともかく、私には結構辛い。
隕石が庭に落ちてからというもの、家族の様子がおかしい。誰も自分の言うことを信じてくれないことに苛立ちながら、一人怯える少年の背後に忍び寄る影「細菌人間」、オリオン星人に誘拐されたサチを追うヒロシとスパイダーの友情「10万光年の追跡者」宇宙海賊の謎「4枚目のジャック」、パラレルワールド「W世界の少年」、超能力「闇に告げる少年」、昔懐かしい昭和30年代の少年漫画の世界。
解説にある、手塚治虫の漫画が無許可で「ミクロの決死圏」として映画化されていたことは知らなかった。アシモフ原作とばかり思っていたが、主張には説得力がある。まだ、著作権が声高に議論されていない時代ということで割り切れないものを感じる。名作『時をかける少女』の原型のような作品もある。
SFを色々読み飽きた大人が回想にふけるために読むよりは、まだSFなんて読んでいない少年少女にこそ相応しい本。若書きの限界がはっきり見えていて、どちらかと言うと、手塚治虫の漫画を見ているような感じ。現在の筒井の姿ばかり見ているような解説程には感心しないけれど、出版当時の日本SF界の水準が分る点は貴重。でも、今の漫画はもっと進んでいる、そういう思いを抱かせる。天才筒井だって若書きはあるんだ、安心、安心。