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- カテゴリ:一般
- 発売日:2000/09/01
- 出版社: 有斐閣
- サイズ:19cm/285p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-641-07631-6
紙の本
消費社会論 (有斐閣コンパクト)
著者 間々田 孝夫 (著)
消費社会の基本的構造、消費社会における人間性や文化の変化、環境問題との関わりなど、消費社会についてさまざまな観点から社会学的検討を加え、平明な記述でその全体像を描き出す。...
消費社会論 (有斐閣コンパクト)
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商品説明
消費社会の基本的構造、消費社会における人間性や文化の変化、環境問題との関わりなど、消費社会についてさまざまな観点から社会学的検討を加え、平明な記述でその全体像を描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
間々田 孝夫
- 略歴
- 〈間々田孝夫〉1952年富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。立教大学社会学部教授。著書に「行動理論の再構成」などがある。
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紙の本
史上最も豊かで,消費が人々の生きがいと化した現代の消費社会の特質と問題点を,幅広い視点から解明
2000/12/28 12:17
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投稿者:武藤 博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「消費社会」とは,著者によれば「人々が消費に対して強い関心を持ち,高い水準の消費が行われ,それにともなってさまざまな社会的変化が生じるような社会」である。これはいうまでもなく,われわれの多くが現在体験している社会そのものであり,従って,本書の内容を理解することがそのまま現在の社会を理解することにつながるであろう。
全体は大きく3部に分けられ,第1部「消費社会の基本構造」では,消費社会と資本主義の関わりが論じられる。そこでは消費社会が飢えと貧困を克服してきた資本主義によってもたらされる一方,資本主義も消費社会の欲求肥大化に依存する面が大きく,そのことが社会的消費の相対的な立ち遅れ,消費者問題の多発,消費の階級間格差,発展途上国の生活破壊,人間性や物質文化への悪影響,資源枯渇の危険性や環境問題の深刻化,といった問題の一因になったことが指摘される。
このうち,人間性や文化への影響,環境への影響が本書のその後のテーマとなり,まず第2部「消費社会の人間と文化」では,消費志向へのシフトが経済の健全性を損ね,人々の社会への関心を薄めさせ,犯罪などの社会病理現象に結びつく可能性など,人間性へに影響が吟味される。また文化面での影響では,快楽の追求が娯楽的消費を高め,健康・安全・身体的安楽さが自己目的化し,さらに教育や芸術などの文化的消費が促進されるといった点があげられる。
第3部「消費社会と環境問題」では,消費社会が資源の枯渇と環境汚染をもたらす一方,影響の表面化が遅れがちになることによって,事態が深刻化するという。問題は対応策だが,著者は「(課税や補助金などの)経済的動機づけだけでなく,環境保護のモラル教育が必要だ」という立場をとる。全体に文章は平易だが,深みを感じさせる好著である。
(C) ブッククレビュー社 2000