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蒲生邸事件(文春文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 334件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.10
  • 出版社: 文芸春秋
  • レーベル: 文春文庫
  • サイズ:16cm/686p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-754903-9
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

蒲生邸事件 (文春文庫)

著者 宮部 みゆき (著)

【日本SF大賞(第18回)】【「TRC MARC」の商品解説】

蒲生邸事件 (文春文庫)

994(税込)

ポイント :9pt

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著者/著名人のレビュー

昭和11年2月25日...

ジュンク堂

昭和11年2月25日、帝都東京には雪が深々と降り積もっていました。
実に30年ぶりもの大雪、おそらく静かな静かな夜だったことでしょう。
日付が変わって26日の未明、銃声が響き渡るまでは・・・

時代は変わって現代。
予備校試験のために上京した浪人生が、2月25日、旧・陸軍予備役大将の
屋敷跡に立つホテルに泊まる。
ホテルは火災に見舞われ、逃げた先がなんと昭和11年2月26日、
蒲生陸軍大将の屋敷だった――

宮部みゆきの手によるこの傑作SFには、もうひとつの2・26事件が描かれています。

【折々のHON 2011年2月25日の1冊】

みんなのレビュー334件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

SFミステリの傑作です

2006/02/15 22:42

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

平成六年、大学受験に失敗、予備校受験のために再び上京してきた尾崎孝史は、二月二十五日の夜、宿泊していたホテルで火災に遭う。危ないところを同じホテルに泊まっていた不思議な男に助け出されるが、気付くとそこは昭和十二年の二月二十六日、二・二六事件の起こった日、陸軍大将蒲生憲之の邸宅の庭だった。そこで起こる大将の殺人事件。家の外では兵隊たちがバリケードをつくり道路を封鎖、家の中では遺産を巡っての醜い争い、どちらにも不穏な空気の流れる中、果たして孝史は現代へと帰ってこれるのか?
物語の全体に暗い影を落とし、重要なカギともなっている二・二六事件、学校では近・現代史をあまり詳しくは教えないので名前だけしか知らない、どんな事件だったのかよくわからないという人も多いことでしょう。かく言う私もその一人。そんなほとんど知らないような事件が物語の中で大きな意味を持っているということで、読むのをためらっていたのですが、そこは稀代のストリーテラー宮部女史、話の中で易しく詳しく上手に事件の発端とその顛末について説明してくれていますので、心配はいりません。
現代から過去へのタイムトリップと殺人事件の謎への興味ばかりでなく、大学受験に失敗、劣等感に苛まれていた一人の青年の成長の物語としても十分におもしろく読み応えのある、SFミステリの傑作です。

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紙の本

タイムトラベラー

2008/06/26 20:18

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

蒲生邸事件 宮部みゆき 文春文庫

読み終えて、なんだろう。この感覚は。
自分自身も主人公と同様に昭和11年2月26日を見てきた記憶を有するようになりました。
宮部さんという人は、作家になるべくして生まれてきた人で、作家以外の職業には就けない、一億何千万人のなかのひとり、選ばれた人なのでしょう。
宝くじみたい。
678ページ。長い。2週間かかって読み終えました。
中盤にさしかかってやっと事件が発生する。
種明かしがわかるとなんだかがっかりする。
手品みたい。
後半は不思議な恋愛小説化する。
不思議です。この読後感は。

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紙の本

どんな時代のなかでも人々は懸命に生きるのだ

2002/01/29 19:15

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:吉野桃花 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 予備校受験のために状況した孝史は、宿泊先のホテルで火災に遭い、すんでのところでタイムトラベラーの男に救出される。男が孝史とともにとんだ先は、昭和11年。2・26事件がまさに起きようとしていた。時間をとぶのは非常に体力を消耗するらしく、男の回復を待ち、孝史はしばらくの間、昭和11年を生きる青年として過ごすことになる。

 歴史を振り返れば、なんでそんなことになっちゃったんだろう、という時代がある。日本では、大日本帝国時代。第2次世界大戦での日本の振るまい方は、(今の世界常識、価値観で見れば)間違っていたと言わざるを得ないだろう。しかし、その事実を前提に、その時代を生きた人々の生活、生きざまを否定することは、果たして意味のあることなのか。
 苦い思いが込み上げる。小学校、中学校で軍国主義の悪を教えられ、「国民みんなで反対すれば、あんなことにはならなかったはずだ」という青臭い教師の言葉を鵜呑みにして、戦中を生きぬいたおばあちゃんを罵ってしまったこと。おばあちゃんは私に反論もしなかったが、子供だましに「おばあちゃんたちは馬鹿だったよ」なんてことも言わなかった。ただ、黙っていた。
 ものを知らなかったから言えたことだけど、やはり思い出すたびに、なんであんなこと言っておばあちゃんを責めてしまったんだろう、と激しい後悔に襲われる。黙っていたおばあちゃんの気持ちを思うと、切ない。
 この本を読んで、それと同質の切なさを感じた。物語が収束していくラスト部分では、泣きそうな気持ちになった。

 私たちの後ろには、きちんと記録された歴史が残っている。数年間におよぶ大きな歴史の転換点も、そうして俯瞰してみれば、原因も結果も分かる。どうしてこの時点でこうできなかったんだ、と言うことは容易い。歴史を教訓にして、物事の良し悪し、進むべき方向を考えるのは有効だとも思う。ただやはり、結果を知っているという圧倒的な有利な立場から、渦中の人々を責めるのは、作者の言葉で言えば「ずるい」のだ。
 私は、将来子供から「お母さんたちが食い潰したから、俺たちが苦労しなきゃならない」と責められることだろう。だけれども、ほんとに実感として言えば、バブルで景気が良かったこともはじけて景気が悪くなったことも「え? そういうことがあったの?」って気持ちだ。
 年月が経って総括された評価つきの「歴史」を知ることと、実際その時代その時点での「今」を生きることは、全くの別物だ。歴史を知っているから分かることもあるが、その流れのなかにいなかったら分からないこともある。
 近い未来、遠い未来、私たちは予測をするが、予測はあくまで予測。河をそろそろと渡っていくときのように、予想しなかったくぼみに足をとられ、流れに飲まれてしこたま水を飲んだりしながら、生きているのが現在なのだ。だからこそ。生きるということに尊さを感じるのだろう。泣きたいような切なさを感じるのだろう。
 小さなことであっても、時代に足跡をのこした人々の営みを愛おしく思うのだろう。歴史という客観視されたものとは別の、ある人がその時やるべきことを懸命にやって生きていた、ただそれだけのことが、何故か心にきゅっとくる(NHK「プロジェクトX」を見ると何故か泣きたくなることが多いが、そんな感じの気持ち)。
 私は、今を流れる小さな個体にすぎないけれど、今踏みしめていく一歩一歩を誠実に踏み出したい、と思う。そんな、爽やか切ない読後感だった。

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紙の本

SFタッチの傑作!

2016/01/25 09:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は、宮部作品の中でも少し気色の違った作品です。ある受験生が宿泊していたホテルが火災に見舞われ、その時、謎の男とタイムスリップしてしまうというストーリーです。そのタイムスリップした時代が昭和の初期、戦争の前の厳しい時代でした。この作品には、その当時の生活や社会が非常によく描かれています。そして、現代人である主人公のの目からその時代を見ているという視点が非常にわかりやすい物語にしてくれていると思います。ぜひ、多くの皆さんに読みんでいただきたい一冊です。

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紙の本

さすが!

2015/02/03 13:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る

2.26事件って何だっけ?な人にもきっと楽しんで読める本。タイムトラベラーと恋愛と、ミステリーと…色々盛り沢山ですが、さすがの宮部みゆき!引き込まれるように読了。最後は切ないですが、それでも爽やかでスッキリした読了感なのはさすがとしか言いようがありません。

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壮大なドラマに希望が…

2004/07/16 18:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宮部みゆき「蒲生邸事件」です。のめり込むように読み切ってしまいました。タイムトラベルですからジャンルはSFになるのでしょうけど、そんな枠を越えた感動の一編に出会ってしまいました。

 地方から大学受験に失敗し、今度は予備校受験の為ホテルへ泊まりに来た尾崎孝史は火災に遭遇します。煙に巻かれ、非常階段の扉も開かず逃げ道を失い危機一髪のところで一人の中年男に救われます。しかし、助け出された所は50年前の二.二六事件勃発時の東京、陸軍蒲生大将邸。タイムトリップをする中年男の正体は、蒲生邸で起きる殺人事件の真相は、元の世界に戻れるのか…歴史の流れの中で尾崎孝史が得たものは…。

 …と、あらすじを書いてしまうとSF推理小説のようですが、そんな枠なんて越えてしまう文学的ですらある作品です。勿論、筋立ても面白いしタイムスリップした過去からどの様に戻れるのかという最大の問題だけでも引っ張られてしまうのですが、タイムスリップした先が歴史的事実である二.二六事件の真っ直中で殺人事件に出会ってしまうのですから、もう目が離せません。蒲生邸の住み込み女中の「ふき」との出会いは恋愛小説でもあり、ラストの現在での約束の再会は感動さえ覚えます。壮大な歴史ドラマを体感したような錯覚に陥るでしょう。そして、その中で歴史の流れの中で過去とは? 未来とは? と大きなテーマが検証されます。タイムトラベルと言えば誰もが頭をよぎる「変えたい自分の過去」は果たして希望の未来へと続くのか。解答がちゃんと用意されています。読み終えたとき誰もが大きな希望を肌で感じる事でしょう。 第一級のミステリーだ!

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後知恵の虚しさ

2001/07/09 13:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:てら - この投稿者のレビュー一覧を見る

 誰かにこの小説を説明する時になんて伝えますか? SF? 密室ミステリ? それとも、歴史小説? でも、この三つのジャンルを自在に書き分けるゴッドハンドの作者にとって、この作品ではジャンルのカテゴリは単なるツールでしかないのですね。
 一個の人間がどれほど力を、心血を注いで見ても、どうにも抗い様の無い、時間の流れ、運命の行く末の中で、如何に真摯に自分自身と正直に、偽り無く向き合えるか。これは、「火車」や「理由」、近刊の「模倣犯」など、他の作品でも共通して流れる、著者の一貫したテーマのようです。
 個人的にこの物語の中で好きなのはラスト近くの蒲生陸軍大将と実在の人物である「東条英機」を対比させて、歴史に向き合う姿勢を問い質しているくだりでしょうか。この辺り、社民党的な主義、思想を持つ人には拒否反応を起こされそうですが、何事も、済んだ後から、後知恵でとやかく言うのは簡単です。戦争から政治、はたまた、恋愛やサッカーの試合結果に至るまで。しかし、自分がその場に当事者として居合わせた時、その御託通りに行動出来るかどうか、それを厳しく、かつ、温かく、読者一人一人に問いかけてくる、シミュレーションノベルなのです。

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若さ、か…

2001/05/08 00:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三段跳びウサギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 以前「バックトゥー〇フューチャー」なんて映画が流行りましたね。この作品もまぁその要素はあるのですが(汗)…さすがは宮部センセ、全く異なる作品を作り上げてしまいました(笑)。常に逃げ腰な主人公が逃げ場を失った時、一体彼はどんな答えを導き出すのだろうか?といった内容です。後味良し、一度ご覧あれ。

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単なるSFにあらず

2001/03/19 07:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごろんちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 文庫として発売されるとほぼ同時に買ってあったのですが、手に取るまでにずいぶんと時間がかかってしまいました。この作品は、時間旅行者が登場するために「SFミステリー」といった言われ方をすることがあるのですが、元々SFがあまり好きでない私は、この部分で躊躇してしまっていたのです。

 それでも、読み始めてみれば何のことはない。確かに時を遡るのだからその部分ではSFだし、蒲生大将の死因を云々する部分は、ミステリーとも言えるでしょう。しかしこの作品は、そういうカテゴリーを突き抜けてしまった、もっと良質の小説だということを知りました。

 宮部みゆきの物語構成力や文章力の素晴らしさは前々から知ってはいました。けれども「歴史」という大きなものを取り扱ったにもかかわらず、それらが最後まで破綻することなくきっちりとひとつに収束している様は、まさに圧巻でした。ラストシーンは涙なしには読めないですし、読み終えた後は、しばらくぼーっとしてしまうほど。

 生きることの意味、人生の大切さ、懸命に前を向いて歩いて行くことは時として辛いけれど、それに立ち向かって行く勇気……。そういった諸々のことが(本文中で押しつけがましく書かれているわけではないのに)ふと頭の中を過ぎったりもしました。こういう作品を読んでしまうと、純文学なんてもういらないなぁ、なんてついつい思ってしまいます。

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その時代に生きること

2013/11/06 17:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

過去、現在、未来は同じ延長線上にあるのですかね。
未来予測は、そう考えるのが一番正当なのでしょうね。
この小説は、歴史観、ミステリー、敵討、恋心、といろいろあります。
もし、現在と過去をタイムトリップできたら、自分の人生をどう変えようかと
思ったり、あの時あそこでこうしていれば良かったと思ったり、
未来のために今をどう生きようかと思ったりしましたが、
未来を見にいく勇気はないものですね。
その時代を精一杯いきることが一番ですね。

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2.26事件

2015/08/31 23:45

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投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る

この著者なので、ミステリとしてもちろん面白い。初めて読んだ当時はまだ中学生で、2.26事件については授業で聞いたことがあるかないか、くらいだったけれど、その時代の空気感が感じられたことを憶えている。

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長い。

2002/07/19 15:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:董丞 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ニ.ニ六事件のおこった時代に主人公がタイムスリップしてしまい、蒲生大将の自決の真相を暴いて行くというストーリー。
私はこの本はちょっと読みづらかったです。その時代の風景やようすを書きすぎて長くなってしまったように思えました。
でも最後まで分からない犯人や謎に惹かれて読むことができたし、それぞれの登場人物の思いには心惹かれるものがありました。

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蒲生邸事件

2002/05/11 07:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

ニ・ニ六事件の日に自決した蒲生大将の屋敷は、今ではホテルに変わっていた。受験勉強のためにそのホテルに泊まることとなった主人公・孝史。そこで孝史は、不思議な男と出会う。そしてその夜、ホテルで火災が発生。孝史は死にそうになるが、その男に助けられる。しかし、連れて来られたそこは現代ではなく、昭和十一年二月二十六日の蒲生家。ニ・ニ六事件当日、孝史は昭和時代にタイム・スリップしてしまったのだ……

とりたてて派手な展開があるわけではないのだけれど、話にぐいぐい引き込まれる。タイムスリップに関する説明がないからSFとしてはダメだとか、ニ・ニ六事件を使った意味がよくわからないとかいう欠点はあるものの、充分楽しめる作品。ラストで感動してください。

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SFの設定で語られる青春ミステリの傑作

2002/05/26 14:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

大学の受験に失敗し、予備校の試験を受けるために、上京した孝史。
折りしも、それは2月25日。
翌朝未明にはかの2.26事件が起こるというその日。
彼の泊まったホテルで火災が起きます。
絶対絶命、逃げ場を失った彼を救ったのは「時間旅行者」。
そして、一命を取りとめた孝志がいたのは、なんと、2.26事件の、
その渦中の中。

なんて、まぁ、奇抜な設定。
宮部みゆきさんの作品でなければ、手を出しそうにもない作品でした。
実際、宮部さんの作品であるのに、ここまで手を出さずにいたのは、
ちょっと、「引いて」しまっていたからですし。
でも、それが、もったいなくなるような面白さ。

それにしても、2.26事件といえば、私にとっては、単なる歴史上の出来事。
それをきっかけに、日本が大きく進路を変えたことは知ってはいても、
それが、ほんの60年ぐらい前の出来事で、当時を知っている方が、
充分存命である時代の出来事だということ、それが、なんとなく不思議な感じでした。
それは、でも、18歳の受験生である孝史にとっても同じこと。
その詳しい内容なんて、知りもしないのですし。

そんな時代にいきなり、心の準備もなく飛び込んでしまった孝史。
彼を助けた男の、「その時代での」名前は平田。
その甥ということにして、平田の勤める蒲生邸に匿われることになった孝史。

蒲生邸の当主は、陸軍の退役した大将。
主人筋にその存在がばれては困るはずなのに、体調が少しよくなると、
あちこちかぎまわるのに余念のない孝史。
無理もないですよね。
そんな戦前の時代に来たって言われても、いきなり、信じきれるわけがありません。
ようやっと、自分の置かれた時代に得心がいった時の心中は…。
とにかく、一刻も早く元の、自分の属する時代に帰りたいですよね。

なのに、何を考えているのか、すぐにはそれを許してくれない平田。
のらり、くらり。
この孝史って、時代的な知識は足りないものの、本能的なものなのでしょうか、
驚くべき冴えを見せてくれたりするんですよね。
それは、その後の事件の展開においても発揮されます。
そう、恐ろしい事件に巻き込まれるのです。
大将の自決という。
「自決」と誰もが思った事件。

それにしても、人の生業というのは、時代が変わっても、
そう変わるものでもないのですね。
大将の事件も、もちろん、軍国主義へ向う流れの中にはありますが、
そこに、その根底にあるのは、どんな時代にも人間と人間の中にあるもの。
家族への思い。
妬み。
憎しみ。
欲望。

そして、そんな非常事態においても、孝史に芽生える淡い恋心。
それゆえ、大将の息子である貴之に、必要以上に感じる反発の理由に、
なかなか孝史は気付かないようですが(笑)

この蒲生家のかかりつけの医師である葛城医師。
なんとも飄々としていて、それでいて鋭い。
とても魅力的なキャラクターでした。
彼を探偵役にした連作短編など書いもらえると嬉しいかも。

大胆で奇抜な設定なのに、昭和初期を舞台にしたミステリと、
SFチックなところが見事に溶け合っていてなんの違和感もない。
それどころか、2つの要素が合わさっているからこその面白さ。
孝史の成長物語にもなっている素晴らしい作品。
こういう作品に出会える時こそ、本読みの幸せ。

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2004/10/12 14:56

投稿元:ブクログ

二・二六事件そのものに関しての興味は全くなかったけど小説として素直に楽しめた。
場面が手に取るように伝わる・・・というか、情景がまるで現場にいるように伝わってくる卓越した描写力に戦慄さえおぼえる。
この時代に生まれてなくてよかった・・・。オンナの社会的立場とか厳しすぎ。ぶっちゃけ奴隷じゃん。
今に比べて昔はいい時代なんてこれっぽっちも思えない。