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収録作品一覧
エロス欠乏症 | 河合隼雄 著 | 11-21 |
---|---|---|
こころは常に苦しんでいる | 小林康夫 著 | 22-28 |
「他力系」宣言 | 中沢新一 著 | 29-42 |
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紙の本
揺れる日本人の心を分析,「弱さの思想」が必要だと説く。超一流の心理学者が熱っぽく語る
2000/12/28 12:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:廣田 耕司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の4人はいずれも超一流の心理学や宗教学などの大家である。バブル崩壊以後混迷を続ける日本と日本人に,大転換に備えよと,新たな着想を提唱している。臨床心理学の河合隼雄が「20世紀はすべてがオペレーションに走り,反対の極にあるエロスを切り捨て過ぎたのではないか」と問題提起すれば,宗教学の中沢新一が,戦後忘れ去られた「他力・非力本願」を見直すべきだと,切り返す。哲学者の小林康夫は「人類の知のあり方は,自然の諸力を解放して量的拡大をはかることにあったが,その知の回路を切り替えなければならない」とし,経営学の田坂広志は「人類の死滅という危機感がなければ,人類の精神は進化しないのではないか」という。
特に第2章以下の座談会,対談は緊張感に満ちあふれたやりとりが続き,読みごたえがある。知的興味を持つ人たちにはぜひ薦めたい。新書版にしておくのがもったいないくらい,内容は豊富である。
(C) ブッククレビュー社 2000