紙の本
アリスの迷路へようこそ
2001/09/04 00:45
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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不倫を清算して、会社を辞め、マンションを引っ越した紗季。夜の公園で、男の死体と「不思議の国のアリス」の三月ウサギを見たのをきっかけに、レディースローンアリス、ホスピスのアリスホーム、マッドハッター、などなど奇妙な暗号のように「アリス」をモチーフにした出来事が…。
夢と現実が交錯する中、紗季は15年前の友人のことを思い出すが…。誰が、なんのために紗季にメッセージを送っているのか? はたして真意は?
あとがきに「遊園地の迷路から出られなくなった子供のような気持ち、を体験していただけたら」と書かれているとおり、アリスの世界に踏み込んでしまったような気分になるミステリーです。
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柴田よしきホントいい作品。なんかミステリーなのになんかミステリーぽくないっていうかすんごい引き込まれる!!ミステリーだったら柴田よしきがダントツでいい!!本当におもしろかった。怖いけど、面白い!
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あとがきで迷子になった時の不安感ような読後感を意識して書いたような事が書かれていますが、作者の思惑通り、なんともいえないザワザワとした気分が残る作品だと思います。
個人的には好きな終わり方ではないですが、ストーリーに引き込まれました。
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長年勤めた会社を辞め、その退職金で中古マンションを購入。
不倫の清算と相手の自殺。
気持ちが不安定な為に飲みだした安定剤。
そのせいか、ときどき記憶が飛ぶようになった。
そんな時に目撃した男の死体と「不思議の国のアリス」のウサギ。
次々に現れる「不思議の国のアリス」の登場人物に
夢と現実の境界線がわからなくなる―
いい加減な記憶の主人公ながらも、
犯人&展開がわかりました。
記憶の忘却とペンダント。
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この作者の作品は何ともいえない読後感をくれる。好き嫌いが別れるかもしれないが、私はこのざわざわと胸に残る感覚がたまらなく好きだ。
真相に迫り、迫らせるために、それぞれが打って出る最後の一手。すべて終わって振り返ればそれは哀しい。記憶がつながるラストへの流れがなんとも言えない気持ちをくれました。
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柴田よしきが描く、アリスの世界へようこそ。
現実がかくも儚く崩壊し、幻想がかくも鮮やかに世界を満たす。
3月兎に導かれ、アリスの世界を彷徨ってください。
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不倫を清算し会社を辞めた紗希は、夜の公園で男の死体と「不思議の国のアリス」のウサギを見る。果たして幻覚か?15年前のある事件の記憶が蘇る・・・。
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不思議の国にでてくるウサギがでてくる。
ちょっとしたホラー的な感じ。
「WELCOME TO THE ALICE HOME」
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「不思議の国のアリス」をモチーフに、
主人公が殺人事件に巻き込まれていく。
いや、巻き込まれたのではなく、
真相が明らかになってゆくだけなのだ。
しかし、果たして本当のことなのか、
それとも主人公の妄想なのか?
読み終わってもわからない。
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伏線や真相はかなり解り易いけど…
「記憶」をキーとした、ある種主人公の自分探しのような話
としてはおもしろいんじゃないかと思う。
アリスの世界観好きとしても、奇妙な世界が味わえて楽しかったです。
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ふと顔を上げると、暗がりの中にいたのは白いウサギ。
さながら不思議の国のウサギのような…。
不思議の国のアリス、をベースにしている? と思いきや…でした。
アリスを軸にして思い出される、断片的な記憶。
学生の頃、最近の事。
不安定な主人公ゆえに、不安定な全て。
それは幻覚なのか、本当なのか。
夢なのか幻なのか…と考えつつ読みましたが
ちょっとすごいものがありました。
きれいさっぱり回収された感があります。
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再読。すっごく好きな作品……のはずなのに、案外内容忘れていたのにびっくり(苦笑)。この作品、てっきりサイコホラーだと思ってたもんなあ。
たしかに、雰囲気はサイコホラー的。ヒロインの精神状態が非常に危ういこともあって、世界が歪み、次第にひび割れてゆく印象を受ける。「アリス」をモチーフとした世界観がかなり美しく、そして不気味でインパクト強いので、その部分だけが記憶にしっかりと残っていたみたい。
でも実はしっかりとミステリで、きちんとした解決あり。解決編でもあるラスト「お茶会」の場面はまさに圧巻。そしてその後に続く論理的な「妄想」……。とても哀切な後味の作品。やっぱり柴田さんの作品ではいまのところ、これが一番好きだな。
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物語「不思議の国のアリス」を下敷きにしたような、ファンタジックでホラーなミステリー。
読み手に、手の内をたくさん読ませておきながら、それでも後半のシーンで、予想外だった真相がたくさんあり、ワサワサした気持ちで読み進め、ミステリー小説として読み応えがあり楽しめました。
菊子さんが最後に残した仕掛け・・・、いろいろな解釈があると思うのですが、考える程に、重くて怖くて、ちょっと悲しい・・。
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不倫を清算し会社を辞めた紗季は、夜の公園で男の死体と「不思議の国のアリス」のウサギを見る。果たして幻覚か?引越したマンションで、隣人の老婦人のお節介に悩む紗季に元不倫相手が自殺したという知らせが。一方「アリス」をモチーフにした奇妙なメッセージによって、十五年前のある事件の記憶が蘇る。
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第一章 三月ウサギ
第二章 奇妙な帽子屋
第三章 お茶会の午後
第四章 悲劇
第五章 白い薔薇・赤い薔薇
第六章 思い出の隙間
第七章 鏡の中へ
第八章 紫のアリス
エピローグ 鏡の国のアリスへ
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子どものためのおとぎ話と思っていたら、本来の姿は大人に向けての思わせぶりな物語だった、という風な背筋がゾクッとするような趣もある。どこから迷いこんだのか、いつから迷いこんでいたのか、夢なのか現なのか手探りするもどかしさの中を読み進む。ひとつ光が見え、真実を掴んだと思うと、するすると手を逃れて真実と思われたものは遠ざかっていき、迷いさまよいながら何度も裏切られる。最後の最後に本物の出口だと思ったものさえ、まやかしなのかもしれないのである。迷いつづける一冊だった。
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図書館でタイトルだけでなんとなく借りたら、めっちゃ怖かった…(|| ゜Д゜)
なんか精神的にグルグルするお話。
でも特に後半の畳み掛けるような展開がなんかすごくて、一気読みしちゃいました。
切ないような、やるせないようなお話でしたねぇ…最後もなんだか…。
アリスって、怖いお話だなぁ…って思った。久々に読み直したいかも。