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紙の本
正史『三国志』のおもしろ話集
2001/10/04 11:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びんわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は陳寿が表し裴松之が注を施した正史『三国志』を中心に、史書に現れた記事のうち著者が興味をもったものをピックアップして書いていくという内容の書物である。全体の構成としては、正史『三国志』に関する一般的な解説が冒頭にあり、『三国志』に登場する人物の伝記がそれに続くというスタイルとなっている。
冒頭では史書の種類や読み方などが説明されている。分量にして30頁強であり、全体の一割弱に相当する紙数を費やしているが、単なる薀蓄の羅列ではなく要点を押さえたメリハリの利いた叙述となっている。これを読むことによって、三国志に限らず中国の史書を読む際の注意事項や、『三国志』を読む際の基礎的知識が得られるよう工夫されている。また、『三国志』の著者の陳寿の生い立ちや他の史書との比較による『三国志』の特色・裴松之の注の意義にも触れ、さらに、2000年近くにわたって行われてきた『三国志』に関する注釈・研究の紹介、さらには市井に流布した『三国志演義』についての簡単な説明が施されている。これらの叙述は、三国時代の出来事とは直接には関係しないが、興味がなくても読み飛ばすのはやめた方がよい。なぜなら、冒頭の説明はすぐ後の伝記と関連付けられており、冒頭の説明をも読むことによって本書がより面白くなるからである。興味深い話も紹介されているから、読んで退屈することもない。個人的には『三国志』の本文と注の文字数が時代によって変遷する話(文字は増減していないのに、たとえば注の「文字数」といわれるものは54万文字から32万字に減っている)が面白かった。
伝記の配列は、特にこれといったルールがあるわけではないが、大雑把に言えば、曹操系の人、孫権系の人、劉備系の人の順で配列され、最後に三国志の4大スター(曹操・孫権・劉備・諸葛亮)が配されている。孫権系でも劉備系でもない者は曹操系に配列されているので、たとえば董卓や馬騰も曹操系に含まれている点にちょっと無理があるが、まあ気にするほどのことではない。そうした形式的な点はともかく、書かれた内容について感じたことを述べると、次の2点を指摘できる。
第一に、著者の文章が生き生きとしていて読んでいて楽しいということである。学者が書く文章は往々読みにくいことが多いが、本書の文章は実に読みやすい。著者は現代に置き換えた話を例え話として用いることがあるが、これが絶妙で叙述の理解を助ける役割を果たしている。たとえば「三顧の礼」の故事について著者は次のような例え話を持ち出す。「荊州時代の劉備は、…いたって弱体無力な集団の頭領にすぎない。つまり劉備が諸葛亮を草廬中に三顧したというのは、中小企業の親父が、大学を出たものの思わしい就職口もなくてぶらぶらしている青年の家をおとずれて、『どうだい、ウチへ来て事務でもやってくれんかい』と誘った程度のことと思えば話のつじつまがあうのである」。第二は、著者が取り上げる出来事がこれまた面白いことである。最高に面白かったのは孫権と張昭の仲に関する記述(特に217頁以下)で、これを読めば、誰しも声を立てて爆笑してしまうと思われる。その他、他の類書が取り上げないような話が随所に盛られており、興味深いものがある。
面白い出来事を生き生きとした文章で表現するのであるから、本書を読んでいて退屈することがない。三国志ファンは是非とも本書を手にとっていただきたい。
紙の本
電子化希望!
2020/12/23 22:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
高島先生の本はどれもすばらしいのですが、この本も本当に大好きです。たくさんある三国志関連本の中でも一番好き。
紙の本
三国名著
2019/06/20 06:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三国志の真実を知りたければこの本が最適。中国古典の読み方や風俗など様々な内容が盛りだくさん。沮授に関西弁を使うのはいかがなものかと思うが平易な文章で楽しい。蜀漢に偏りすぎた見方も変えてくれる。
紙の本
読みやすさで選ぶならコレ
2019/05/30 01:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
演義ではなく正史を元にした、三国志主要人物のエッセイ集。
小説やゲーム、マンガ等、少しでも三国志に触れたことがあって
もう少し理解を深めてみたいと思ったなら是非こちらを。
小気味の良い語り口で、とてもテンポ良く書かれているので
ちょっと堅い文章は苦手という方にもオススメ出来る本です。