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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.12
  • 出版社: 太田出版
  • サイズ:21cm/171p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-87233-554-6

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方舟

著者 しりあがり 寿 (著)

方舟

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方舟

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みんなのレビュー29件

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評価内訳

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紙の本

終末。うつしだされるもの。

2007/08/22 21:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

たぶん善悪を越えたもの。
状態。単なる状態。
それを残酷と捉えるか、美しいものと捉えるか、
それは個人の天秤だろう。
現実というもの、リアルと肌身に迫るもの。
考えるではなく感じること。
皮膚で思って臓器で動く。
骨でぶるぶるそれを感じる。
 
終末は近くにも存在するのかもしれない。
僕らは各々それぞれに、天秤に乗せられるものを乗せるだけだ。
人の本質はどこにあるのか。
何を乗せ、何を削ってしまうのか。
 
状態に左右されるもの、されないもの。
信じられないもの。
そのなかで持って迎えるもの。
哀切を感じてしまうのはどうしてだろう。
 
 
恐ろしい、そして畏ろしい作品だ。
人が映っている。すべての光景が帰すところ。
「永遠」と「終末」という言葉はどこか似ている。

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紙の本

先生も…この水の中?

2006/08/10 05:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ISH - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんだか怖い感じがする終わらぬ雨…。
明るいバラエティ番組でごまかそう…。街頭で説教垂れ流す死んだ魚の目をした教徒…。自由を夢見て音楽で暴れ狂う若者…。
だんだん…だんだん…普通のものさえ沈み行き…。
最後はあれさえも…。
いっぱい買って乗ろうぜキャンペーンで作った船。実は宗教のあれと真逆で…船を作ったことへの裁きですか?
その企画立てたおとなしく善さそうなサラリーマン。
「クサレに取り込まれつつあるけど気づかない?でも…あんたも滅び行くしかないよね。だってそれを出すためにはそこに頼るしかないもん」では。
で…著者自身はどうなんでしょうね。

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紙の本

『デビルマン』に匹敵する、印象的な見開きページのエンディング

2001/03/20 20:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 確かに、「滅び」をモチーフにした作品は、古今東西色々あるが、本作品の題名の元になる「ノアの箱船」伝説がそうであるように、「滅び」を描くというのは、実は全てが消滅した後に新たに始まる「再生」「復活」を思い描かせるための方策であることが多い。
 しかし、しりあがり寿の『方舟』のエンディングでは、完全なる「滅び」が描かれている。「滅び」を描き切るエンディングの見開きページは圧巻だ。見開きで、水没した都市景観が展開され、その中央には「再生・復活」の象徴であったはずの方舟が沈んでいるのである。こんな印象的な見開きページは、こと日本における萬画(石ノ森章太郎先生にならいました)の世界で言えば、再生の予兆というか、再生に向けた意志を感じることができないという共通点からしても、『デビルマン』のあのラスト・ページと双璧をなす傑作ではないかと思う。
 そういう共通点のなかで、あえてこの2作品の「滅び」の違いを言えば、それは温度差だ。『デビルマン』の「滅び」は、氷塊の静謐さとでも言うべき「絶対零度の静」で終わっている。一方、水没した都市の景観の中に、水没した人・物が浮かんで沈む姿は、絶対零度というよりも、「たゆたう熱的死」という感じだ。まさに、ボルツマンが思い描いたような、滑り落ちるような「滅び」である。世紀を超えたにも拘わらず、何となく世紀末的閉塞感を払拭できない日本においては、『方舟』の「熱的死」の方が、『デビルマン』の「絶対零度の死」よりも、相応しい「滅び」の姿なのかも知れない。

 さて最後に、本書のあとがきから、印象的な一言を。
  「『滅び』は未来を思い描くことのできぬ者の上にやってくる」

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紙の本

ファンタジーの現在形

2002/02/05 01:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:プジタ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作品には印象的な決め台詞、決めゴマがたくさんある。水没したTVカメラに記録された少女の「世界の終わりだから…」という言葉、精神的に追い詰められて「…ホラもうすぐ手が届きそう」とにこやかに水死体に手を伸ばす主婦、方舟の上で「この期におよんでまだ希望だと…おまえらみんなバカか!!」と絶叫する若者。これらは「終末もの」の王道、もっと言えば「手垢がついて古い」と言われかねない台詞・イメージなのに、読むものの心にまっすぐ届くのはしりあがり寿の特殊な画風のせいだろうか。
 そう、ここにあるのは夢物語、とっくに失われたファンタジーだ。僕らは世界の終わりを想像することで今まで何とかやってきた。それはおそらく太古の昔からそうだったのだろう。世界はいつか滅ぶものとして芸術作品のなかに描かれつづけてきた。だが、僕らは気づき始めている。そんなに都合よく世界は終わってくれないらしい、ということに。美しい世界の終わりは夢物語で、月曜日にはまた学校・会社が始まるのが現実だ。
 しりあがり寿は最良のファンタジーを提供できる数少ない漫画家である。彼はこんな世界の終わりを信じちゃいないはずだ。

 「さあ、未来を失ったからにはとびきり美しい『終末』を描こう。こうなった上は、ただしばしの眠りについて、まどろみの中で二十一世紀をむかえよう。」(あとがきより)

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紙の本

80年代に活躍した広告人の、耳をふさぎたくなるような懺悔を聴く思い。

2001/11/29 13:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さじまつきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私事ですが、私は広告業界におりまして、しりあがり寿氏といえば「美大出のキリンビール勤務・優秀アドデザイナー」という過去をまず考えます。パンキッシュに破綻した漫画を描きながら、デキるサラリーマン・クリエイターとして働いていた彼。その2面性に、バブルの本質を見る思いがするのです。そして広告クリエイションの限界も。
 『流星課長』や『少年マーケッター吾郎』などのサラリーマン3部作と同じく、この『方舟』にも広告メディアが登場します。聖書の中では人々を救うために存在した『方舟』自体が、ここでは広告キャンペーンの目玉アイテムになっています。汚水のように垂れ流される、人々の夢の残滓の洪水の中を、えっちらおっちら泳いでいくハリボテの舟。それが、広告…。80年代にクリエイターとして活躍したしりあがり氏の、あれは結局滅びへのマッチポンプだったのか?という、過去形の疑問が、悔悛のつぶやきが、聞こえてくるようです。
 救いもなく、ただ美しいラストシーン。あるいはこれが、氏が現在作っている広告の形なのかも知れませんが。

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紙の本

出版社からのオススメ

2003/02/05 03:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:太田出版 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「滅び」は未来を思い描くことのできぬ者の上にやってくる…。『クイック・ジャパン』に連載された異色の問題作を大幅加筆・再構成し新エピソードも加え単行本化。一艘の方舟が紡ぎ出す、甘く美しく静かで透き通った終末世界。

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2005/12/24 11:45

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2008/09/07 22:30

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2005/06/18 20:26

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2005/06/23 04:49

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2005/10/09 01:33

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2014/03/16 20:24

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2005/12/27 10:07

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2009/05/12 16:04

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2006/08/11 22:24

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