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商品説明
新聞監査委員を長く務め、その後も新聞報道のありようを国際的視野から幅広くウオッチしてきた著者が、世紀末日本各紙を丁寧に比較し、個々の記事が掲載されるに至った経緯や報道に伴う問題を検証する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
前沢 猛
- 略歴
- 〈前沢猛〉1931年東京生まれ。慶応大学大学院修士課程修了。56年読売新聞社入社。論説委員、新聞監査委員会幹事等を経て、現在、東京経済大学教授。著書に「裁かれる日本の裁判」など。
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紙の本
日本の5大新聞の記事を比較しながら,ジャーナリズムのあり方,新聞生き残りの道を説く
2001/02/26 00:15
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投稿者:石田 智彦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去の出来事を取り上げ,朝日・毎日・読売・産経・日経各紙が,これをどう報じたか比較しながら,ジャーナリズムのあり方を説いている。元読売新聞記者,論説委員,監査委員という経歴の筆者が,その実績と経験に基づく分析だけに説得力がある。
「日本だけが高級大衆紙を完成しており,今や欧米に学ぶ点はない」と渡辺恒雄新聞協会会長(読売新聞社長)は断言しているが,まだまだ日本のジャーナリズムは外国に学ぶ点が多いとしている。
その上で,今日の新聞が努力すべきは調査報道だと説く。調査報道は取材源のリークによるスクープよりは重みがある。ところが渡辺会長は提言報道を強調しており,最近の読売新聞はそうした紙面づくりに傾いている。自社の編集権独立を盾にニュースをほしいままに取捨選択し,世論を誘導するような提言報道はフェアとは言えない,と筆者は主張する。新聞記事の比較でも,朝日対読売・産経のきわ立った相違が気にかかる。
報道機関はアグレッシブでなければいけない。アグレッシブとは,事実の追及,特に公権力に対して積極的な姿勢を取り続けることである。それがジャーナリズムの生命であり,新聞の評価を決めるとしている。そして,21世紀に向けて最低限実行すべきジャーナリストの道として,2つの提言をしている。
(1)マスコミ経営者および社員は「政府審議会」に参加しない。
(2)マスコミ経営者は叙勲を受けない。
終章では,21世紀への提言をまとめていて,メディアのアカウンタビリティ(説明義務)を確実にするため,新聞界や各社内のオンブズマン制度や独立した新聞評議会の導入を望んでいる。そして,ジャーナリストの倫理指針私案を列挙して結びとしている。
現役ジャーナリストはもちろん,これからジャーナリストを目指す人びとに,一読を奨めたい。
(C) ブッククレビュー社 2000