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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.11
- 出版社: キリスト新聞社
- サイズ:21cm/138p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87395-328-6
紙の本
よくわかるキリスト教の音楽
著者 今橋 朗 (編),川端 純四郎 (編),長谷川 朝雄 (編)
西洋音楽の源流であるキリスト教音楽の歴史、礼拝の音楽と讃美歌、礼拝での楽器と聖歌隊、キリスト教の結婚式と葬式の音楽、唱歌のルーツと讃美歌などについて、一般向けにやさしく解...
よくわかるキリスト教の音楽
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商品説明
西洋音楽の源流であるキリスト教音楽の歴史、礼拝の音楽と讃美歌、礼拝での楽器と聖歌隊、キリスト教の結婚式と葬式の音楽、唱歌のルーツと讃美歌などについて、一般向けにやさしく解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
教会音楽・賛美歌と日本の唱歌の怪しい関係
2000/12/30 13:48
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投稿者:藤井正史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イエスの生誕を紀元とし、旧約聖書・天地創造の1週間7日を基準とする"キリスト教暦"。日本では世紀末は気にするが、"西暦"の謂れなんて誰も気にしない。こんな宗教を排除したイイトコ取り「日本式西洋文化輸入法」は、カレンダーだけではないのだ。学校で教わる「音楽」=西洋音楽・クラシック音楽も、本来はキリスト教会で神を賛美するために発展し、信仰生活を表現している宗教芸術だ。しかし高尚な西洋音楽くらいにしか認識してない、われわれ異教徒のために、ユダヤ教の一派からローマの国教へと発展するキリスト教の歴史と、キリスト教音楽の起源であるグレゴリオ聖歌・ミサ曲の意味などをわかりやすく述べた本書。ただの教科書に終わっていないのは、音楽の先生ではなく、伝道師の立場から述べている点だ。
"バロックとは宗教改革に対するカトリック側の対抗宗教改革の音楽である"
こんな歴史的な観点から西洋音楽が語られ、現代の教会での音楽の扱いも検証している。カトリックとプロテスタント各派の賛美歌の違いや、オルガンなどの教会で使われる楽器の種類まで、音楽ファンには興味深い話題が多い。今年、日本で流行したゴスペルのフリークにも、ぜひ読んでもらいたい。
後半には日本の唱歌の誕生と賛美歌の関係を探っている歴史読みものを収録。驚いたのは、日本人なら誰でも知っているような「たんたんたぬきの・・・」の歌や、日本的な印象を持つ「春の弥生」などもアメリカの賛美歌が原曲であるということだ。「小学唱歌集」に収められた「君が代」は賛美歌のメロディで歌われ、現在と歌詞もほぼ同一という貴重なエピソードも披露している。これも明治政府の音楽教育導入と、布教に燃えるアメリカ人音楽教師の意図が絡み合い、賛美歌と唱歌の密接な関係ができた結果である。和の音階を西洋の音階に組み替え、単なる輸入ではない新しい日本の音楽を作ろうと模索していた当時の日本政府の心意気に拍手したい。
ローマから帰国した天正遣欧使節が、聚楽第に於いて豊臣秀吉の前で演奏したり、幕末の黒船(くろふね)の甲板で行われた日曜日の礼拝を、浦賀の人々が聞いたというショートコラムも面白い。
最後に、現在の教会音楽の位置付けや、ミサ・結婚式・葬式における賛美歌の日本人の受け取り方も考慮して、真に相応しい曲を推薦している。参考図書やCDを各章で示し、教会音楽のガイドブックにもなって便利だ。