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商品説明
ユニクロ、しまむら、セブンイレブン−流通不振の中急成長を遂げた企業の秘密はディマンド・チェーン経営にある。物流・組織・情報の流れを革新する「新型チェーンオペレーション」の手法を解説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小川 進
- 略歴
- 〈小川進〉1964年兵庫県生まれ。神戸大学より博士(商学)を取得。現在、同大学大学院経営学科研究科助教授。著書に「イノベーションの発生論理」がある。
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紙の本
小川氏による「書き分けの妙」
2003/01/14 14:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PATA - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は理論書ではありません。このように書くと、「では、本書は一体いかなる書物なのか?」といった疑問や「理論書とそうでない書物の境界線をどこに引くのか?」といった御指摘を受けそうですが、それでも本書は理論書ではないことを強調したいと思います。
本書は取引制度革新や営業革新、そしてそれらの土台となる組織・コミュニケーション・物流における革新という5つの革新を通して、「店舗や顧客の知識を組織全体に環流させ、活用する仕組み」であるディマンド・チェーン経営に関して、セブン‐イレブンやしまむら、ファースト・リテイリングといった近年「勝ち組み」と評される代表的な企業の豊富な資料をもとに紹介した書物です。このように書くと、やはり本書は理論書ではないかと思ってしまうのですが、本書を筆者の『イノベーションの発生論理』(千倉書房)と比較してみると、その違いが明確にみられるでしょう。
評者はそもそも『イノベーションの発生論理』を先に読んだため、本書の理論紹介が乏しいと感じたという理由もあると思いますが、それだけではなく、本社が「何故?」という疑問よりもむしろ「どのようにして」という事例紹介に力点をおいているという点で、本書が理論書ではないと指摘したいと思います。しかしながら、このことは評者にとって筆者である小川氏の溢れんばかりの才能を感じた部分でもあります。それは、『イノベーションの発生論理』が理論と事例分析、統計分析といったツールをバランス良く利用しているのに対して、本書が事例紹介に力点を置くことによって読み易く、親しみ易い本になっているからです。インタビュー・データをご覧になればすぐ分かりますが、本書と『イノベーションの発生論理』とではデータに重複が多くみられます。それを書物の性質によって見事に書き分けた「妙」に深く学ばされました。
紙の本
情報化の本質がどこにあるかを考える意味でお薦めの一冊
2001/09/10 20:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:好川 哲人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
流通業におけるビジネスモデルイノベーションを扱った本である。著者は新進気鋭の経営学者であり、長年の調査研究に基づき、一般のビジネス書には見られないような深い考察を非常に分かりやすく説明しており、一読に値する。
この本では、セブンイレブンに代表される「本部で創造される知識に加えて、顧客や店舗が生み出す知恵や知識を組織全体に還流させ、活かしながら成長を図る仕組み」をデマンドチェーン経営と呼んでいる。そして、デマンドチェーン経営への移行に成功した企業は、取引制度、営業、組織、コミュニケーション、物流の5つの側面でイノベーションを行っていることを指摘している。
本書で調査対象にしている企業は、基本的にはセブンイレブンとしまむらというある意味で正反対のチェーンオペレーションをしている2社である。この2社について、上の5つのイノベーションをどのような形で引き起こしているかを詳細に調査し、解説している。また、それぞれのイノベーションについて、特に面白い取り組みをしている企業をスポットで扱っている。たとえば、ユニクロやダイカの営業イノベーション、マツモトキヨシの物流イノベーション、フレスタの組織イノベーションなどである。
この本はセブンイレブン、しまむらの事例を読んでいるうちに、この10年くらいの間に流通の世界で何が起こったかを理解できる本である。また、最後の章にセブンイレブンやしまむらという一世を風靡しているモデルの次世代モデルということでCVSベイエリアやデオデオの取り組みが紹介されている。本書を読むことによって、これらの取り組みの「意味」が非常によく理解でき、おそらくこれからの5年間に何が起こるかもある程度理解できる。流通業界でビジネスをしている人にはぜひ、一読をお薦めしたい。また、システムインテグレーターにも、情報化の本質がどこにあるかを考える意味でお薦めの一冊である。
なお、この本の元になっているのは、小川氏の学位論文で、『イノベーションの発生論理』である。本書を読んで興味をいだいた方は、ぜひ、こちらも手にとってみて戴きたい。
(技術士好川哲人の「eマネジメントの本質」第5回 イノベーションと経営革新 後編 より)