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商品説明
品質管理における統計的方法の基本的な考え方や、実際問題への適用について、具体例をとおして平易に述べ、適用上の手順や留意事項も丁寧に解説する。統計や数学の予備知識がなくても十分理解できる内容。1986年刊の新版。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
鉄 健司
- 略歴
- 〈鉄健司〉1929年千葉県生まれ。東京大学大学院生物系研究科博士課程修了。農林省東海区水産研究所統計研究室長等を務める。91年デミング賞本賞受賞。著書に「TQMとその進め方」など。
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紙の本
品質管理の考え方が古いのではないか?
2004/04/27 01:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:古いけど使える! - この投稿者のレビュー一覧を見る
統計的品質管理の定評ある書籍と聞いて読んでみたが、数理統計学を品質管
理に応用するテキストとしては、解説が冗長で解りづらいと思う。
本書を誹謗中傷するつもりは毛頭無いが、冒頭の品質管理の考え方の根本が
既に時代遅れとなっていることに加え、統計的推定/検定の手法等、分散分
析/実験計画法、さらに抜き取り検査等、この程度の内容ならば別に本書に
頼る必要は無く、通常の数理統計学や統計解析の入門書で十分であり、むし
ろ後者の方が学習内容が要領よく整理されており、練習問題も良質である。
特に最初と最後の品質管理的考え方と、本論の統計的手法が実際にリンクし
ておらず、考え方の古さが本書全体の見通しを悪くしているのではないか?
最終章の職場管理では、人間を機械とでも思っているのだろうか? 人のマネ
ジメントに品質管理的な手法を応用して、職場管理を行うなど、全くの時代
遅れである。
日本は社会主義国として最も成功した国と言われている。かつての大量生産
の時代ならば、著者の提唱する品質管理の思想でいいだろう。しかし、現在
は旧い価値観や体制が壊れ、新しい価値観を唱導する個人に光が当てられる
時代である。そこにおいては高次な宗教、哲学をもって人を導かなければ人
のマネジメントなど出来ない。従来の品質管理的考え方が、既に限界に来て
いることを知らなければ、却って品質管理的手法を生かすことは出来まい。
事実、現在ではISOでさえも既に時代遅れとなりつつあるのだ。
元に戻って、本書はとりあえずの内容は網羅しているので、初学者ならば読
んで無駄になることはないが、既に統計学の基礎知識を持っている人には、
読むに耐えないだろう。著者は手垢のついた品質管理の哲学を語るのが好き
なようで、新版改訂を行った割には、統計学の進歩の部分をまるで度外視し
ているようだ。数理統計学者ならば、この程度の内容を伝えるのに、本書の
半分以下の紙数でこと足りるだろう。
今回は辛口の批判めいた投稿になったが、これが正直な感想である。
紙の本
本格的な品質管理に必要な統計手法を,品質管理の視点から整理して総合的に学べる教科書的な良書
2001/03/18 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:川村 渇真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格的な品質管理を実施するには,統計的な手法が欠かせない。「現状を正確に把握するためには,何をどのように測定するのか」「測定値を的確に評価するためには,データをどのように加工し,どうやって判断すればよいのか」「実施した対処方法の効果があったと判断するには,どうしたらよいのか」。こうした疑問を解消してくれるのが,統計学のいろいろな手法だ。しかし,統計学を品質管理に利用するなら,統計学の視点ではなく,品質管理の視点でまとめたほうが分かりやすい。これこそ本書の狙いである。
取り上げている範囲は広い。品質管理とは何かから始め,統計的方法への基礎へと進む。ヒストグラムなどの測定データのまとめ方,母集団と試料,確率と分布などを説明した後に,検定と推定で測定データの解釈を学ぶ。続いて,品質管理で重要な役割を果たす管理図の作り方や使い方,2種類のデータの関係を調べる散布図と相関,測定対象の本当の差と実験誤差を切り分ける分散分析,より良い実験データを得るための実験計画法,検査の役割と何種類かの方法を紹介する。最後に,品質管理を実施する際に必要な,職場の改善と管理も取り上げている。このように,品質管理に必要な統計的方法を,基礎から実施レベルまで順に説明しているので,最初から通して読めば総合的に理解できる。まさに教科書として使える良書である。
各章では,なぜ統計的方法を用いるのか,それぞれの機能にはどんな役割があるかにも触れている。そのため,品質管理とは何を目指し,どんな点に注意すべきなのかも一緒に理解できる。また,図や表を数多く用い,統計学を知らない人が理解しやすいように工夫している。本書は,本格的な品質管理をこれから学びたい人に最適だ。こうして全体像を理解してから,興味ある部分の詳しい専門書に進むと良いだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001