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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.12
- 出版社: 水声社
- サイズ:20cm/284p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89176-431-7
紙の本
フランス式クリスマス・プレゼント
著者 ジョゼ・ピエール (ほか著),にむら じゅんこ (共訳),大磯 仁志 (共訳)
クリスマスをテーマにしたアンソロジー。大物シュルレアリストから元ポルノ女優まで、おもちゃ箱をひっくりかえしたようなにぎやかさで、現代エロティシズム文学の醍醐味を伝えてくれ...
フランス式クリスマス・プレゼント
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商品説明
クリスマスをテーマにしたアンソロジー。大物シュルレアリストから元ポルノ女優まで、おもちゃ箱をひっくりかえしたようなにぎやかさで、現代エロティシズム文学の醍醐味を伝えてくれる17篇のプレゼント。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
メリークリスマス | ピエール・ブルジャッド 著 | 5−18 |
---|---|---|
サンタクロースの墓 | マリ・L 著 | 19−30 |
トムの濡れる靴 | ポール・ヴェルガン 著 | 31−44 |
著者紹介
ジョゼ・ピエール
- 略歴
- 〈ジョゼ・ピエール〉昨年、他界した元シュルレアリスト。美術批評家としては巨匠的存在であり、小説も数多く残した。
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紙の本
原題が「クリスマスをめぐるエロチックな短編集」で、フランス風の洒落のめしたエロティシズムが楽しめる。
2001/01/09 18:15
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投稿者:高橋洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャンジャック・ポーヴェールといえば、マルキ・ド・サドなど禁断の作家たちの秘作からなる“地獄文庫”を世に紹介するなど、非常に革新的な出版活動で世界的に有名な出版社だ。「純粋状態にある天才」とコクトーがいち早く真価を認めたシュールレアリストの先駆者とされるレイモン・ルッセルの主要な著作集や、シュールレアリスト系の先鋭的な作家たちの作品を意欲的に世に出してきた業績は大きい。その辣腕編集者ポーヴェール氏を顧問・アドバイザーに迎えているフランスの小出版社ミュザルディンヌは、エロティシズムを主要なテーマにした文学、哲学的・心理学的エッセイなど意欲的な出版で知られている。
そのミュザルディンヌ出版が刊行したエロティック短編集『フランス式クリスマス・プレゼント』(ジョゼ・ピエール、ピエール・ブルジャットほか著)が、にむらじゅんこ・大磯仁志訳で、わが国にもお目見えした。
クリスマスといえば、子供たちがサンタクロースからどんな贈り物を貰えるかを夢見て迎えるとても楽しい日だが、本書は、原題が「クリスマスをめぐるエロチックな短編集」とあるように、大人向けの物語からなる。フランスの洒落のめしたエロティシズムに味わいがある。
ピエール・ブルジャッド作・にむら訳「メリー・クリスマス」は、黒づくめのファッションに身を包んだブロンドの謎めいた女と「僕」が、画廊のヴェルニサージュ・パーティで出会うことから始まる。知り合いのアメリカ人男性ジョージ・マクリーンに対して“女王様”として振る舞っていた女性だと思い当たった「僕」は、好奇心から彼女と逢瀬を重ね、やがて、心を許していると思わせる手紙が来た後、「僕」は、彼女のパリの自宅に呼び出される。期待に胸が高鳴るが、見事にすっぽかされ、彼女は姿を消す。そして、その年のクリスマス・イヴに「僕」は、ロンドンから一通の手紙を受け取る。グリーティング・カードと、あの時彼女の家で盗み見た淫らな白黒写真と似たものが入っていた。消滅したと諦めていた、彼女とのアヴァンチュールは、いよいよこれから始まるのだ。「僕」は、こうして倒錯的なSM世界の入口に立つことになる。
マリー・L作・にむら訳「サンタクロースの墓」は、父子家庭で育ち、潜在的に父親との近親相姦願望がある「私」の心の中で、クリスマスなのに仕事を口実に愛人に会いに行く父親への復讐の気持ちが、一人残された娘のエロチックな妄想として膨らんでいく。
このほかポール・ヴェルガン作「トムの濡れる靴」、フィリップ・クザン作「レディ・ゴディヴァ、独身者宅にて大股びらき」など15のエロチックな短編を収録している。 (bk1ブックナビゲーター:高橋洋一/評論家 2001.01.10)